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フィギュアスケート

全日本選手権2016年12月22日〜25日

大会概要

大会の見どころ
宇野昌磨(写真提供:Getty Images)

全日本フィギュアスケート選手権が、22日(木)から25日(日)まで大阪府門真市・東和薬品RACTABドームで開催される。

全日本選手権には戦前からの歴史があり、今大会で第85回を数える。各地方のブロック大会から東日本・西日本選手権の国内予選を勝ち上がった選手と、シード権を持つ選手、全日本ジュニア選手権上位の推薦選手、男子女子各30名が出場する。ペアとアイスダンスには、ジュニアペアを含めて10組が出場し、切磋琢磨しながら選手一丸となって日本のカップル競技を盛り上げる。

日本フィギュアスケート界最大にして最高の競技会で、全日本の頂点を目指す選手、今後の国際大会の代表入りを目指す選手、競技に懸けてきた精進を晴れ舞台で見せる選手、全てのスケーターの魂が輝く。キス&クライでは、クリスマスに一目見ないと落ち着かない山田満知子をはじめ、コーチ陣の気合が入った装いも見どころとなる。

今大会の結果で、ピョンチャン五輪テストイベントである来年2月中旬の四大陸選手権や五輪出場選手枠を決める3月末の世界選手権等の日本代表が選ばれる。四大陸選手権は、今大会の順位・世界ランク・シーズンベストの総合判断で、男女は各3名が選出される。世界選手権には、男女シングルは全日本優勝者を第1代表として各3名、ペアとアイスダンスは各1組が選出される。世界選手権の男子女子代表選出には「ISUグランプリファイナル出場者上位2名」という条件があり、GPファイナルで表彰台に上った宇野昌磨宮原知子は代表争いでリードしている。

男子は、シーズンベストで1位(301.47)と3位(285.07)、GPファイナル1位と3位の、羽生結弦と宇野の一騎打ちに世界の注目が集まっていた。しかし、羽生が大会前日の22日(水)にインフルエンザで棄権し、羽生の全日本選手権連覇は「4」で途絶えた。GPファイナル4連覇を達成し、世界ランクとシーズンベストで1位の羽生は、四大陸選手権や世界選手権の日本代表の条件は備えており、25日(日)の代表発表で選出が正式に決定される。

宇野には、初優勝だけではなく、今大会でどこまで羽生との差を詰められるかにも期待がかかる。今大会の宇野の追い込みが、羽生を先頭とする男子トップシーンを左右するだろう。

羽生は宇野より4回転がフリーで1本多く、全ジャンプの基礎点で計5.72点差をつけ、演技構成点でも先のGPファイナルで計5.33点差をつけたが、まだ現在のジャンプ構成が完成していない羽生に対し、宇野が詰め寄る余地もあるからだ。GPファイナルのフリーでは、羽生の3ルッツが1回転になり、それだけで6失点。羽生の今季フリーで鬼門となっている後半の「4サルコウ+3トゥループ」は、基礎点だけで16.28点を稼ぐモンスタージャンプとなるが、NHK杯とGPファイナルでは共に4サルコウで転倒し4.09点と不発。以降も同様であれば13.19失点(転倒での減点1点を含む)となり、羽生の宇野に対するアドバンテージは失われる。

宇野にはノーミスの演技が求められ、依然として羽生優勢ではあるが、フリーの羽生のモンスタージャンプ如何で形勢は逆転する。国内参考記録となるが、宇野はこの全日本で羽生の得点にどれだけ近付けるか。宇野にもフリー後半に「3アクセル+1ループ+3フリップ」という独自のコンビネーションジャンプがあり、演目のハイライトにもなっている。GPファイナルでは17.59点を叩き出した。羽生と宇野のモンスタージャンプの果たし合いは、今後もスポーツファン必見となる。

前大会銅メダルの無良崇人とNHK杯銅メダルの田中刑事による、日本男子三番手争いも見逃せない。無良は田中の4学年先輩であり、世界最強日本男子チームを長らく支えてきたキャリアを誇るが、シーズンベストでは無良11位(252.20)・田中12位(248.44)で3.76点差に詰まっている。無良は高さとパワーで震撼させるジャンプで、田中は舞踊や芝居で、2人の争いはそれぞれの持ち味と相まって会場を沸かせるだろう。また、NHK杯で開眼したような活躍を見せた、羽生や田中と同期の日野龍樹は西日本選手権で総合230点台を出しており、全日本でのさらなる飛躍も期待される。

ジュニア勢も毎年全日本男子に活気を与えているが、今年出場する2人のベテラン選手は、日本のフィギュアスケートシーン全体に希望を与えている。大学4年生で競技を引退する選手がほとんどの中、25歳の山田耕新(SMBC)と24歳の中村智(長野市スケート協会)は、社会人となっても競技を続け、全日本という日本最高峰の試合に出場する誉れを得たのだ。前大会で山田が「社会人選手」の先鞭をつけた。彼らの演技には、フィギュアスケート愛とフィギュアスケートの未来が詰まっている。

宮原知子(写真提供:Getty Images)

女子は、今年も同時期に開催されるロシア選手権と共に、代表3枠を巡る世界一過酷で華麗な一戦となる。宮原の3連覇挑戦、レジェンド・浅田真央の自らを取り戻す戦い。総合190点台の本田真凜らスーパージュニア勢の襲来。相対する、15年銀メダルの樋口新葉や14年銀メダルの本郷理華、個性的なジャンプとダンスで魅せる松田悠良、日本女子の功労者である村上佳菜子や今井遥らシニア勢の応戦。クリスマスにドラマが咲き、「ニコイチ」と評される神戸拠点の同門2人、今季シニアとジュニアで揃って躍進中の三原舞依(GPシリーズ・スケートアメリカ銅メダル)と坂本花織(ジュニアGPファイナル銅メダル)の対戦も胸が熱くなりそうだ。

この全日本でいかに確固たる代表チームを作れるか、ということが今後の日本女子の命運を握る。世界選手権で代表上位2名の順位の合計数値が「13」以内にならなければ、五輪と来季世界選手権の出場選手枠「3」が獲得出来ない。現時点のシーズンベストやアメリカ女子の後半戦の追い上げを踏まえると、4大会連続の五輪3枠と15年連続の世界選手権3枠はギリギリのところにある。しかし、今大会でも強く美しくしのぎを削る選手達の奮闘が、日本女子の栄光に繋がっていくだろう。

宮原がGPファイナルで押し上げた総合の自己ベスト(218.33)は、今季の競技者の内、ロシアの世界女王エフゲニア・メドベデワの同大会自己ベスト(227.66)に次いでの得点となる。宮原の後方には同ロシアのアンナ・ポゴリラヤ(216.47)が迫り、国をまたいでの世界トップ3の攻防も注目される。宮原は、GPファイナルでフリーの3フリップに回転不足があった。ミス・パーフェクトのパーフェクションの完遂もクリスマスのお楽しみだ。

浅田真央(写真提供:Getty Images)

浅田は今シーズン怪我に悩まされているが、現状のジャンプ構成をやり切れば3アクセル(3回転半ジャンプ)を入れずとも表彰台を狙える。ショートでは上位陣必須の3回転+3回転のコンビネーションジャンプがなく、フリーでも上位陣が3回転ジャンプ7本のところ6本となるが、それらのジャンプの点差は演技構成点で補える。10点満点評価で5項目ある演技構成点が平均して1点違えば、女子では計12点の差がつく。ショート+フリーで完結させる演目『リチュアルダンス』の作品性には、この一戦を浅田の色に染め上げる力がある。浅田は競技人生でいくつものドラマを見せてきた。そしてこの全日本の幕は、浅田が目指すピョンチャン五輪のフィナーレへと続いている。

今大会出場選手の内、大学4年生の引退シーズンを迎えている男女は多い。幼少から一つの道を究めてきた日々、周りに支えられてきた生活、懸けてきた想い、かなしみもよろこびも、全てを演技に込める。選手が人生を投じて見せる華も、フィギュアスケートの醍醐味である。

文:Pigeon Post 島津愛子

NTTドコモdメニュー大会テキスト速報では、男女全選手の演技内容とコメントをお伝えし、コラムではペアとアイスダンス選手のコメントもお届けします。

■試合日程
男子ショート 12月23日(金)17時25分~
女子ショート 12月24日(土)13時45分~
男子フリー 12月24日(土)17時55分~
女子フリー 12月25日(日)16時05分~

■放送:フジテレビ
男子ショート 12月23日(金)18時30分~
ペア・アイスダンス 12月24日(土)3時~
女子ショート・男子フリー 12月24日(土)18時30分~
女子フリー 12月25日(日)19時~

歴代優勝者
男子 女子
2015 羽生 結弦 宮原 知子
2014 羽生 結弦 宮原 知子
2013 羽生 結弦 鈴木 明子
2012 羽生 結弦 浅田 真央
2011 高橋 大輔 浅田 真央
2010 小塚 崇彦 安藤 美姫
2009 高橋 大輔 浅田 真央
2008 織田 信成 浅田 真央
2007 高橋 大輔 浅田 真央
2006 高橋 大輔 浅田 真央

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