フィギュアスケート



ISUグランプリファイナル2017年12月7日~10日

大会概要

大会の見どころ
GPファイナル優勝がかかる宇野(写真提供:Getty Images)

12月7日から、GPファイナルが名古屋で開催される。10月の末から世界6か国で開催されてきたグランプリシリーズ6試合のうち、出場した2試合でもっとも高い成績を収めたトップ6人/6組が進出する、シーズン前半のハイライトである。日本で開催されるGPファイナルは4年ぶり。前回は、ソチ五輪前の2013年12月に、福岡で開催されて以来のことだ。今シーズンは男女ともに不測の事態が続出し、出場選手の顔ぶれも最後の最後までわからないという展開になった。

本来は男子では前例のない5連覇を狙うはずだった羽生結弦がNHK杯の公式練習中に右足を負傷。靭帯を損傷して欠場し、GPファイナルには進出せずという事態になった。NHK杯は、出場予定だったカナダのパトリック・チャンも、スケートカナダで4位に終わった後で、トレーニングに専念することを理由に欠場。そしてハビエル・フェルナンデスは体調不調で挑んだ中国杯で6位に終わり、やはりGPファイナル進出を逃した。強豪3人が不在の中で、新王座は誰の手に渡るのか。

ネイサン・チェンの4回転ジャンプに注目(写真:Getty Images)

優勝候補は宇野昌磨、ネイサン・チェン

優勝はおそらく、スケートカナダで優勝、フランス杯で2位だった宇野昌磨と、ロシア杯とスケートアメリカで優勝したネイサン・チェンの間で競われることが予想される。トウループに加えてフリップ、ループ、そしてサルコウの4種類の4回転ジャンプと、独特の音楽表現、深いエッジワークなどが高く評価される宇野昌磨。一方ネイサン・チェンは、ルッツ、フリップ、ループ、サルコウ、トウループという5種類の4回転ジャンプを試合で成功させたことのある、世界で唯一の選手である。実力的にはほぼ互角と言って良く、本番でよりミスの少ない演技を見せた選手が勝利をものにすることになるだろう。

その他のメダリスト候補は、中国杯で4ルッツをきめて初優勝を果たしたロシアのミハイル・コリヤダ。そしてベテランらしいよくまとまった演技でNHK杯初優勝をきめた、同じくロシアのセルゲイ・ボロノフだろう。中国のボーヤン・ジンが捻挫を理由に欠場となり、6人目は第一補欠だったアメリカのジェイソン・ブラウンが入った。彼とアダム・リッポンは4回転は苦手なものの、どちらも音楽表現に優れ、密度の濃い見ごたえのあるプログラムで高い評価を受ける。4回転ジャンパーたちにミスが出れば、彼らが表彰台に上がる可能性も十分ある。いずれもそれぞれ長所のある選手たちの、充実した戦いが期待できるだろう。

メドベデワ欠場、新女王の座は誰の手に

メドベデワ欠場で出場が決まった宮原(写真:Getty Images)

一方、女子もタイトル保持者のエフゲニア・メドベデワが疲労骨折で欠場するという事態となった。代わりに、NHK杯5位、スケートアメリカ優勝で第一補欠だった宮原知子の出場が決定。樋口新葉と合わせて、日本女子は結局二人の出場がかなった。彼女たちと対決するのは、今シーズンシニアデビューを果たしたロシアの新星、アリーナ・ザギトワ。そしてイタリアのカロリーナ・コストナー、カナダのケイトリン・オズモンド、ロシアのマリア・ソツコワなど、実力のある選手ばかりで、誰が表彰台に上がってもおかしくはない顔ぶれだ。ザギトワは全選手の中でもっとも難易度の高いジャンプコンビネーションを跳び、華やかさが人目を惹く新星である。一方で滑りにまだジュニアっぽい粗削りな部分もある。 コストナーはその正反対で、ジャンプの難易度は若手たちに譲るものの、無駄な力の入らないスケーティングの美しさではほかに並ぶ選手はいない。オズモンドは技術、表現力の両方を兼ね備え、ジャッジや観客と視線を合わせながら滑るその目力と存在感では群を抜いている。ソツコワはやはり技術と表現力のバランスが良い選手で、多少の失敗が出ても全体が大きく崩れない演技の安定性がある。

シニアとしては初のGPファイナル進出を果たした樋口新葉は、今シーズン絶好調である。ロンバルディア杯では自己ベスト総合スコアを更新し、ロシア杯で3位、中国杯で2位とレベルの高い演技を見せ続けてきた。従来持っていたスピードのあるスケーティングと勢いのあるジャンプに加えて、シニアに上がったここ2シーズンで表現力もアップした。1月に左股関節の疲労骨折と診断されてリハビリに長い時間を費やした宮原知子は、NHK杯は5位スタートだった。だがその後調子を上げて最終戦のスケートアメリカではみごと優勝を射止め、改めて2015年世界銀メダリストの実力を見せつけた。二人ともベストな演技をすれば、メダルのチャンスは十分にある。

ペアとアイスダンス

平昌五輪を控えた今季、ペアもアイスダンスもオリンピックの前哨戦となる。ペアは、現世界チャンピオンの中国のスイ&ハン、欧州王者ロシアのタラソワ&モロゾフ、カナダのデュハメル&ラドフォードの間で優勝が競われるだろう。アイスダンスは、カナダのヴァーチュー&モイアとフランスのパパダキス&シゼロンのトップ2チームに注目してほしい。ベテランらしい豊かな表現力を持つヴァーチュー&モイアと、端正なスケーティング技術で追い上げてきたパパダキス&シゼロンのどちらがタイトルを手にするのか、白熱戦が期待できる。

文:田村明子

テキスト速報
  • 男子ショート 12月7日(木)19時30分~
  • 女子ショート 12月8日(金)18時55分~
  • 男子フリー 12月8日(金)20時15分~
  • 女子フリー 12月9日(土)19時20分~
歴代優勝者
男子 女子
2016 羽生 結弦 エフゲニア・メドベデワ
2015 羽生 結弦 エフゲニア・メドベデワ
2014 羽生 結弦 エリザベータ・トゥクタミシェワ
2013 羽生 結弦 浅田 真央
2012 高橋 大輔 浅田 真央
2011 パトリック・チャン カロリーナ・コストナー
2010 パトリック・チャン アリッサ・シズニー
2009 エヴァン・ライサチェク キム・ヨナ
2008 ジェレミー・アボット 浅田 真央
2007 ステファン・ランビエール キム・ヨナ
2006 ブライアン・ジュベール キム・ヨナ

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