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フィギュアスケート

GPシリーズ NHK杯第4戦 11月10日〜12日

大会概要

大会の見どころ
羽生は無念の棄権(写真提供:Getty Images)

ISU・GP(グランプリ)シリーズ第4戦NHK杯が、11月10日(金)から大阪府・大阪市中央体育館で開催される。シリーズ全6戦のポイントレースで、各2戦の合計ポイント上位6選手(組)がGPファイナルに進出する。

GPシリーズは1995年からの歴史があり、北米・ヨーロッパ・アジア6大会の主催国それぞれのお国柄を感じられるオーガナイズも見どころとなっている。NHK杯では、海外からも絶大な人気を誇るNHKの公式キャラクター「どーもくん」一座の公演も見逃せない。体は重そうで可動域もまるでないどーもくんが、毎年、我が目を疑う熟達のスケーティングを披露している。

男子は、NHK杯3連覇とGPファイナル5連覇のかかっていた羽生結弦が、試合前日の公式練習中に4ルッツの着氷で右足を負傷(右足関節外側靱帯損傷)し棄権となった。

2シーズン前に世界の頂点を2度ずつ極めたSPとFSの演目は、2シーズン前より4回転が高難度になったSPで2.96点、4回転が2本増えたFSで15.47点ジャンプの得点が高い。2年前のNHK杯で、それまで男子シングルが目指していた総合得点300点を20点飛び越えてみせたように、今季も自身のそして世界の最高得点330点を20点近く超越する可能性もある。羽生は今大会欠場により、GPファイナル進出もなくなったが、五輪代表選考に関わる世界ランクやシーズンベストは、すでに五輪代表の条件をクリアしている。男子シングルでは66年振りとなる五輪連覇に向け、万全な調整が望まれる。

スケートカナダ2位のジェイソン・ブラウン(アメリカ)、昨季GPファイナリストのアダム・リッポン(アメリカ)、日本勢の佐藤洸彬、友野一希ら国内外の幅広い世代のショーマンが集った今大会の男子。今季のGP戦線は、パトリック・チャン(カナダ)と羽生のNHK杯欠場、中国杯でのハビエル・フェルナンデス(スペイン)の不振により、宇野昌磨、ネイサン・チェン(アメリカ)、ボーヤン・ジン(中国)で形成する世界6強の3角が抜けている。

広がったファイナル出場へのチャンスを争う、ブラウンVSリッポンのアメリカ男子2トップによるダンス対決も見ものだ。ブラウンは氷上で陸上のように踊り、氷上ならではの造形も魅せる。リッポンはダンサーにも見られないような麗しい器量とシルエットで魅せ、SPではLGBTカルチャーが生んだダンス(ワック、ヴォーグ)を、FSでは著名ダンサーと自身が編み出した氷上のコンテンポラリーダンスを打ち出す。

長くひたむきに競技を続けるベテランも多く出場し、日本のファンの胸を熱くさせるだろう。27歳のミハル・ブレジナ(チェコ)は、特別なSPを我々日本人に届けてくれる。2010・2011年世界選手権4位の実績を持ち、2種類の4回転を誇りトップを争っていたブレジナだが、この数シーズンは怪我による不調が続いている。栄光から遠ざかり、若手に得点で離されながらも、演技では闘志とスケーティングが日に日に高まっていくようだった。

ブレジナが3度目の五輪シーズンに選んだのは、和太鼓ステージパフォーマンス集団「鼓童」の楽曲を使った、2010-12シーズンのSP。東日本大震災で中止された日本での世界選手権に合わせて制作され、震災後は「NHK杯に出て日本の方にお見せしたい」と願っていたが叶わなかった。今季シリーズ初戦で4サルコウと3アクセルを決め上々の滑り出しで迎える、念願のNHK杯SP『鼓童』は、是非大声援で共に盛り上がってほしい。

ブラウンは、優勝でファイナル進出が決まる。

ケガ明けからの復帰戦となる宮原(写真:Getty Images)

女子は、GPファイナル3連覇のかかる女王エフゲニア・メドベデワ(ロシア)とカロリーナ・コストナー(イタリア)による、ロシア杯に続いての好勝負も期待されるが、さらに注目を集めているのは宮原知子の復帰戦だろう。宮原は、昨季全日本選手権を3連覇した後、後半戦を左股関節の疲労骨折で欠場し、今夏にも左足を捻挫しシーズン初戦を欠場した。

全日本女王であり、自己ベストで(今季出場選手中)世界3番手に着ける宮原の状態が、日本と世界の表彰台を左右する。今季ここまでの戦いで日本女子に目立っている回転不足には、宮原も苦しんできた。

1本の3回転ジャンプで回転不足になると、決まれば加点のつくジャンプが基礎点や出来ばえ点でも減点され、3点近くの失点になる。スピンとステップは、1つ最高評価のレベル4を取れずレベル3に落とした場合、スピンで0.3点~0.5点、ステップは最大で1.2点のギャップだが、ジャンプの回転不足は1本で致命的な失敗となる。皆が同等のジャンプ構成となる女子ではダメージも大きい。

昨季はGPファイナルの大舞台でその回転不足を克服し、SPとFSの自己ベストをマークして2年連続の銀メダルに輝いた宮原。数シーズン前から、苦境を乗り越えればそれが五輪本番での精神の支えにもなると見据えていた。今大会では、宮原の聡明さ、強さが発揮される勝負どころに臨んでいる。

日本勢は、スケートカナダ6位の本郷理華、3回転+3回転ジャンプのスペシャリスト白岩優奈が初出場する。両者も回転不足を抱えており、代表レース最終局面の全日本に向けても今大会での修正がポイントになるだろう。

日本女子五輪代表「2」選手は、まず1人目が【全日本優勝者】、2人目は【全日本2位、3位】・【GPファイナル上位2名】・【世界ランク上位3名】・【シーズンベスト上位3名】から選ばれる。現時点の世界ランクは、ワールドスタンディングス(3季通算)で宮原(2962ポイント)・本郷(2736)・樋口新葉(2572)、シーズンベストは樋口(217.63点)・三原舞依(206.07)・本田真凛(198.42)と並んでいる。

女王メドベデワの演技にも注目(写真:Getty Images)

ロシア勢は、中国杯で止まることを知らないロシア女子の脅威を印象付けたアリーナ・ザギトワに続き、怪我に泣いてきた悲運の大器、ポリーナ・ツルスカヤ(2015年ジュニアGPファイナル優勝)がいよいよシニアデビューする。長洲未来(アメリカ)は3アクセルを日本のファンにも見せてくれるだろう。楽しみの多い今大会となった。

メドベデワは2位以上、コストナーは優勝でファイナル進出が決まる。

今年も世界トップ選手達で賑わう、ペアとアイスダンスも生中継される。ペアは世界王者スイ/ハン組(中国)、ソチ五輪銀メダリストのストルボワ/クリモフ組(ロシア)らが、日本勢は全日本王者、須藤澄玲/フランシス・ブードロー=オデ組、全日本2位の須崎海羽/木原龍一組が、アイスダンスは昨季全戦全勝のバンクーバー五輪王者ヴァーチュー/モイア組(カナダ)、2014年世界王者カッペリーニ/ラノッテ組(イタリア)らが、日本勢は前年度に直前で棄権となった全日本王者、村元哉中/クリス・リード組、全日本3位の小松原美里/ティム・コレト組が出場する。

文:Pigeon Post 島津愛子

テキスト速報
  • 女子ショート 11月10日(金)16時10分~
  • 男子ショート 11月10日(金)19時05分~
  • 女子フリー 11月11日(土)16時50分~
  • 男子フリー 11月11日(土)19時30分~
歴代優勝者
男子 女子
2016 羽生 結弦 アンナ・ポゴリラヤ
2015 羽生 結弦 宮原 知子
2014 村上 大介 グレイシー・ゴールド
2013 高橋 大輔 浅田 真央
2012 羽生 結弦 浅田 真央
2011 高橋 大輔 鈴木 明子
2010 高橋 大輔 カロリーナ・コストナー
2009 ブライアン・ジュベール 安藤 美姫
2008 織田 信成 浅田 真央
2007 高橋 大輔 カロリーナ・コストナー
2006 高橋 大輔 浅田 真央

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