第2グループ
11ナム・グエン (カナダ)
『Love Me or Leave Me』得意のジャズに乗り、4サルコウ+3トゥループ、3アクセルは颯爽と決まったが、後半の3ルッツのタイミングが合わず転倒。表現面ではジュニアの頃からのショーマンシップを見せ、日本のファンをよろこばせた。最終順位は、1位羽生、2位チェン、3位田中。ファイナル進出のかかるコリヤダは4位、ビシェンコは7位、ブラウンは8位で苦しい折り返しになった。
得点:75.33(技術点40.04|演技構成点36.29)
10グラント・ホクスタイン (アメリカ)
『Due Tramonti』4トゥループ+3トゥループの4トゥループで転倒。3アクセルは持ちこたえた。後半の3ルッツでのリカバリーは2トゥループでターンが入る。スピン・ステップ・表現では、「通好み」と自身でも評する魅力を見せた。
得点:68.31(技術点33.64|演技構成点35.67)

『Let's Go Crazy(by Prince)』4ループではバランスを崩す。4サルコウ+3トゥループ、後半の3アクセルは羽生本来の精度で成功。繋ぎのダンスやステップではロックスターな表情でも魅せながら、切れ味鋭い動きを見せる。ギターの泣きの部分に合わせてのけぞり、会場は総立ちに。演技後は「(4ループが)もう少し」という悔しい表情。シーズンベストを出して暫定1位。
得点:103.89(技術点57.35|演技構成点46.54)
8エラジ・バルデ (カナダ)
『The Sound of Silence』ソウルミュージックにアレンジされたサイモン&ガーファンクルの名曲で、ジャンプを立て続けに決める。3フリップ、3アクセル、3ルッツ+3トゥループもなんとか降りた。ブラックの独特の踊りや雰囲気でも魅せた。
得点:76.29(技術点38.18|演技構成点38.11)
7日野 龍樹 (日本)

『アルメニアン・ラプソディ』3ルッツ+3トゥループ成功、ジャンプの回転には力がある。3アクセルは危ういながら持ちこたえた。後半の3ループも決め、終始日野を支える会場の手拍子に乗り、ステップを力強く決めた。会場の大歓声にも、それに応える日野の笑顔にも、万感の想いが込み上げている。長久保コーチも「やったじゃないか」という表情で無言で頷く。自己ベストを更新した。
得点:72.50(技術点37.82|演技構成点34.86)
6アレクセイ・ビシェンコ (イスラエル)
『Chambermaid Swing(by Parov Stelar)』冒頭の3アクセルには安定感があったが、続く4トゥループでは両手をついた。後半の3フリップ+3トゥループも3フリップ+2トゥループに。カナダのケヴィン・レイノルズのプログラムでフィギュアスケートファンにはおなじみの曲。ジャンプで失敗はしたが、28歳の年輪は演技で見せた。
得点:75.13(技術点35.81|演技構成点39.32)
第1グループ
『Writing's on the Wall(by Sam Smith)』冒頭の4トゥループ+3トゥループは、4トゥループで回転不足の両足着氷、コンビネーションにならない。踊りの一部と化しているはずの3アクセルも、両足着氷に。後半の3ルッツでのリカバリーでも、2トゥループでバランスを崩す。しかし、スピン、ステップ、あらゆる瞬間にダンスを感じさせるスケートで、日本のファンをよろこばせた。暫定4位となった。第1グループを終えた順位は、1位チェン、2位田中、3位コリヤダ。これから第2グループの6分間練習が始まる。羽生がジャケットを脱いで会場から驚きの声が上がった。衣装の色を白から薄いパープルに変えている。
得点:74.33(技術点31.80|演技構成点42.53)
4田中 刑事 (日本)

『ブエノスアイレスの春』4サルコウは回転は満たすが着氷で乱れる。3アクセルと後半の3フリップ+3トゥループは余裕をもって決める。手直ししたステップでは、動きひとつひとつに魅せる気概を出した。課題としていた4サルコウにミスはあったが、会場を乗せる演技を見せた。自己ベストを更新し、暫定でチェンに次ぐ2位に着けた。
得点:80.49(技術点42.14|演技構成点38.35)
3ネイサン・チェン (アメリカ)

バレエ『海賊』衣装を、白に鮮やかなオレンジの映えるものから黒に変えた。冒頭の4ルッツ+3トゥループの4ルッツで転倒。続く4フリップに3トゥループをつけリカバリー。後半の3アクセルは着氷で乱れる。繋ぎやステップでは、バレエの10年のキャリアを見せつけた。
得点:87.94(技術点48.55|演技構成点40.39)
2デニス・バシリエフス (ラトビア)
『Voodoo Child』ロックミュージックに乗り3アクセルで幕開け。練習ではよく決まっていた3ルッツ+3トゥループは3ルッツ+2トゥループに。後半の3フリップを決め、エレキギターに伴奏するようなステップでは弾けた。ステファン・ランビエールはコーチとしてNHK杯初出場。
得点:70.50(技術点33.82|演技構成点36.68)
1ミハイル・コリヤダ (ロシア)

『Nightingale Tango(テレビアニメ ヌー・パガジー! より)』『John Gray』冒頭の4トゥループ+3トゥループは、4トゥループが3回転になりコンビネーションにならず。大きな3アクセルの後、後半の3ルッツでのコンビネーションのリカバリーは、冒頭で3トゥループになったため2トゥループにせざるを得ない。本来であれば観客を愉快にさせる演目だが、本人も沈んだ表情で終える。
得点:78.18(技術点37.63|演技構成点40.55)
滑走順・ジャンプ予定構成
■男子SP滑走順とジャンプの予定構成
第1グループ
#1 ミハイル・コリヤダ(ロシア)
(4トゥループ+3トゥループ|3アクセル|後半|3ルッツ)
#2 デニス・バシリエフス(ラトビア)
(3アクセル|3ルッツ+3トゥループ|後半|3フリップ)
#3 ネイサン・チェン(アメリカ)
(4ルッツ+3トゥループ|4フリップ|後半|3アクセル)
#4 田中刑事(日本)
(4サルコウ|3アクセル|後半|3フリップ+3トゥループ)
#5 ジェイソン・ブラウン(アメリカ)
(4トゥループ+3トゥループ|3アクセル|後半|3ルッツ)
第2グループ
#6 アレクセイ・ビシェンコ(イスラエル)
(3アクセル|4トゥループ|後半|3フリップ+3トゥループ)
#7 日野龍樹(日本)
(3ルッツ+3トゥループ|3アクセル|後半|3ループ)
#8 エラジ・バルデ(カナダ)
(3フリップ|3アクセル|3ルッツ+3トゥループ)
#9 羽生結弦(日本)
(4ループ|4サルコウ+3トゥループ|後半|3アクセル)
#10 グラント・ホクスタイン(アメリカ)
(4トゥループ+3トゥループ|3アクセル|後半|3ルッツ)
#11 ナム・ニューエン(カナダ)
(4サルコウ+3トゥループ|3アクセル|後半|3ルッツ)
■ポイントでのファイナル進出条件
3位以上:羽生結弦、ジェイソン・ブラウン(アメリカ)
2位以上:アレクセイ・ビシェンコ(イスラエル)
優勝:ネイサン・チェン(アメリカ)、ミハイル・コリヤダ(ロシア)
■今朝の公式練習
羽生は曲かけで4ループと3アクセルの回転が抜けたが、4サルコウ+3トゥループは決めた。練習内で4ループも成功。昨日の前日会見では、世界最高得点を出した昨年の演技の再現ではなく「今の構成、今の自分の最高のものを目指している」と強調していた。ブラウンは4トゥループと3アクセルで転倒。その後、4トゥループも成功させていた。ビシェンコは4トゥループを決めた。チェンとコリヤダは4回転を飛ばず、タイミングや振付を確認。チェンは苦手とする3アクセルの回転が抜けた。練習内では4ルッツ+3トゥループに成功。コリヤダはその後4トゥループを重点的に練習していた。田中と日野の3アクセルは綺麗に決まった。ニューエンは4サルコウが決まらず、ジャンプに慎重に取り組んでいた。ホクスタインとバシリエフスは振付を中心に確認した。
■試合開始予定
19時11分~(北海道札幌市・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)
■放送
18時55分~ NHK BS1、19時30分~ NHK総合