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【NHK杯】羽生結弦 FS後インタビュー:「自分自身に限界を設けていない」

 2016年11月27日 14:37配信

SP後と同じくFS終了後も「あとちょっと」のポーズを見せた羽生。(写真:Getty Images)

――演技を終えた感想
昨年のNHK杯ではすごくうれしかったが、今年はどちらかと言うと「ほっとした」という感覚。SPで100点を超えたからFSも完璧にやらなきゃ、という思いもあった。総合で300点を超えたことより、やっと2つのプログラムの演技を楽しめる余裕が出て、お客さんともちょっとずつコネクトすることが出来るようになってきた。ここからまた技術面も高めながら、演技を伝えていけたら。

――FS『Hope & Legacy』のタイトルに込めたものは
Hopeは、今僕自身が持っている希望というよりも、むしろ今まで自分がもらってきた希望。皆さんへの感謝の想いも詰まっている。Legacyは、点数や映像として残っていく演技、そして、先輩方やパトリック(チャン、カナダ)や僕らが4回転時代を築いてきて今の若手も続いてきているという、継承の意味もある。

――技術面について
FSの4ループは、難しい入りのSPよりは決めやすい。ちょっとずつスケートは滑るようになってきた。4ループにしても、(FSで転倒した)4サルコウ+3トゥループにしても、まだまだ綺麗に飛べると思う。4サルコウ+3トゥループは、練習では後半でも確率良く決まっているので、ファイナルに向けて自信を持ってやっていきたい。

――現状の自身の4回転をどう見ているか
4ループは、4サルコウと4トゥループのベースが出来てから取り組んだので、習得の早さに繋がっている。3アクセルと4トゥループ・4サルコウのように、必要な回転速度の差が4回転同士にはない。4ループのコンビネーションもやってみる。4ルッツは、甲に怪我のあった左足の踏切だが、4フリップと違ってアウトサイドエッジの踏切になる。割と踵のほうに体重を乗せるので、ハーネスを使って練習はしている。ショーでも一度回っている。「来季構成に組み込む」とかではないが、一応視野には入れている。

――表現面について
練習しているリンクに観客席はないが、今大会に向け表現面で練習してきた。アピールすることが自分にとっては挑戦だった。その初めての舞台が日本でとてもよかった。SPではロックスターになり切って、ライブのようなパフォーマンスを見せたい。FSでは会場全体に意識を行き届かせたい。SPとFSでは別人に見えるぐらいに、振り幅を持とうとしている。FSもトータルで見せるプログラムなので、表現面・スケーティング・ステップもまだ足りないと思う。もっともっと演じていきたいしもっともっと自分のスケートを見せたい。

――ブライアン・オーサーコーチと方向性について話し合ったというのは
GP1戦目後にコーチ陣と話し合いの場を設けた。ブライアンもなかなか本音を言わないタイプなので、もやもやとしていた部分もあったとは思う。今季のプログラムへの考え方、スケートへの考え方、または自分にとってジャンプはどういうものなのか、話し合った。GP1戦目まではジャンプのためのスケーティングをやっていたので、ブライアンは「トータルパッケージを大事に」と。僕は「自分にとっては4ループも演技の一部だから、しっかり見せたい」と話し、彼も賛成した。このNHK杯に向けては、「スケーティングとジャンプを磨いて、トータルパッケージを作り上げていこう」ということになった。話し合いの結果、練習の質も良くなったと思う。5シーズン目にして、大分垣根のない関係になってきたなと思っている。

――GP1戦目では「悔しさ9割、達成感1割」と評していたが、このNHK杯はどうだったか
悔しさ4割、ほっとした4割、楽しかった2割です(笑)。GP1戦目ではベースも何もなく、ガタガタと崩れ落ちちゃった感もあった。今回は違う感覚で滑れた。日本開催の試合だったからか、お客さんのほうに視線を送りアピールすることが出来た。今季に限らず今までのスケート人生の中で、すこし成長出来たかなと思う。

――今後に向けて
ピーキングについては、僕自身GPファイナルでもいいかなと思っている。ブライアンとも話しているが、ピークではなくアベレージを上げていきたい。どんなに調子が下がっていてもどんなに緊張していても、どんな状態でも勝ちたいし、良い演技がしたいし、皆さんとコネクトしたい。「楽しい」って思いたい。そこを目指して練習していきたい。自分自身、限界を設けていない。毎シーズン同様課題をクリアしていき、速度の速い遅いはあるが、一歩ずつ成長していけたら。

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