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【四大陸選手権】男子FSレビュー/羽生300点超えも2位 17歳ネイサン・チェンの進化止まらず

 2017年2月19日 19:26配信

競技を終えて笑みを見せる羽生(写真提供:Getty Images)

四大陸フィギュアスケート選手権(韓国・江陵)男子FSは、アメリカの17歳ネイサン・チェンが4回転を計7本(SP2本、FS5本)決め、公式に世界初の偉業を達成しシニア国際試合の初優勝を飾った。SP首位チェンを6.08点差で追うSP3位羽生結弦は、チェンに勝つため、ここに来て4回転を1本増やしチェンと同数の5本に挑んだ。この正念場で鬼神が目を覚ましたのか。課題の後半の4サルコウ+3トゥループには失敗したが、後半2本の4トゥループを決め4回転を4本放ち、FS1位でチェンに続き総合300点台に乗せ準優勝。チェンと2.84点差のSP2位宇野昌磨は、得点源の後半の3アクセル2本で転倒するも、今大会初挑戦の4ループを含む4本の4回転を成功させ銅メダルに輝いた。田中刑事は、SPに続き4サルコウで失敗し13位。

チェンが誇るフィギュアスケート史上最高難度のジャンプ、冒頭の4ルッツ+3トゥループや4フリップは踊るように決まった。共に2.43点の高い加点を稼ぎ、全部で13ある技の最初の2つで、技術点の実に3分の1を占める35.06点を叩き出した。苦手の3アクセル2本の着氷を乱したが、スピン・ステップも高精度に決め、今後も4回転に並びチェンの代名詞になるであろう、“正しいものは美しい”バレエのシルエットを見る者の目に焼き付けた。今大会でSPとFSの技術点・演技構成点の全てを更新し、シニアデビューシーズンで男子シングル総合得点歴代3位に燦然と輝いた(FS得点:204.34|技術点:115.48|演技構成点:88.86 総合得点:307.46)。

この3人の戦いは来月の世界選手権も続く(写真提供:Getty Images)

羽生はチェンに対し、演技構成点で推定7点ほどのリード、技術点では4回転1本分の差となる4.43点のビハインド、SPでの6.08点のビハインドで、これまでのジャンプ構成ではチェンに3点から4点届かない計算だった。劣勢で迎えたFS、羽生は4サルコウ+3トゥループ失敗後も心折れることなく、逆転のために投じた後半の4トゥループで、闘魂を氷に刻みつけた(FS得点:206.67|技術点:112.33|演技構成点:94.34 総合得点:303.71)。ビハインドは、技の加点やチェンのミスでも補えただろう。だが、羽生は正攻法で魅せた。

宇野と4位カナダのパトリック・チャンは、舞いと滑りというそれぞれの魅力を光らせた。しかしチェンや羽生より4回転が少ないため失敗は許されず、ジャンプで大きなプレッシャーを背負っているように見受けられた。4回転が生む光と影は、勝負をおもしろくする。世界選手権でも、チェン、羽生、宇野、チャン、そして今大会5位の中国のジャンプ工芸師ボーヤン・ジン、総合得点歴代2位のスペインの世界王者ハビエル・フェルナンデスの4回転を巡る熱戦が期待される。

宇野は来週開催される冬季アジア大会(北海道・札幌市)に出場し、日本男子は、羽生・宇野・田中で五輪出場選手枠がかかる3月末の世界選手権を戦う。

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