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【世界選手権】見どころ ~羽生タイトル奪還へ 女子極限トータルパッケージの戦いは?~

 2017年3月27日 13:54配信

羽生結弦(写真提供:Getty Images)

来年の五輪出場選手枠を決定する世界選手権が、日本時間29日(水)から4月1日(土)にかけてフィンランド・ヘルシンキで開催される。日本女子は五輪3大会連続、男子は2大会連続で最大「3」枠を勝ち取ってきた。各カテゴリー上位2名(2組)の順位の合計数値が「13」以内であれば、平昌五輪に各3選手(3組)が出場できる。

フィギュアスケートの世界選手権は1896年夏季五輪開始同年に創立された。世界ランクのポイントも五輪と同数に設定されている、世界最高峰の試合となる。毎年開催され、プレ五輪シーズン以外も出場選手の順位によって翌年の出場選手枠が決まる。個人のシーズン集大成を懸ける一戦であると同時に、選手も「枠取りに関しては団体戦に近い(宇野)」と結束力を持って臨んでいる。

前大会の結果2枠から3枠に戻した日本男子は羽生結弦宇野昌磨・田中刑事が、15大会連続で3枠を守る日本女子は樋口新葉三原舞依本郷理華がシーズン終盤の大一番に挑む。全日本選手権3連覇の宮原知子は左股関節の疲労骨折の影響で欠場し、本郷が3年連続の日本代表となった。ペアは須藤澄玲/フランシス・ブードロー=オデ組、アイスダンスは村元哉中/クリス・リード組が、それぞれフリー進出やトップ10を目指し世界と戦う。

男子は、上位陣がその他の選手を得点で引き離しているため番狂わせは稀で、上位陣に羽生と宇野の2名が入っている日本男子の3枠は堅い。現在の男子シングルは、4回転を数種類持つマルチ4回転ジャンパーのリーグとその他の選手のリーグに分裂したような状態になっている。4回転と3回転には6点(トゥループ)〜7.6点(ルッツ)の差があり、加点でも最高評価で0.9点の差がつく。今季ここまでの戦いでは、4回転を計4〜7本構成するマルチ4回転ジャンパーが失敗しても、その次のジャンプ構成の計3本(4回転1種類)の選手が安定しておらず、またジャッジの評価点である演技構成点のビハインドも大きく、順位に変動がない。

上位リーグ6選手の4回転の本数は、先の四大陸選手権時点で、シーズンベストトップのネイサン・チェン(アメリカ)とボーヤン・ジン(中国)が計7本、羽生と宇野が6本、世界選手権3連覇のかかるハビエル・フェルナンデス(スペイン)と世界選手権過去3連覇のパトリック・チャン(カナダ)のベテラン2人が5本、4本で続く。演技構成点は、羽生とチャンとフェルナンデスが昨季から同格で並び、宇野とチェンは羽生を計6〜9点ほどで追う。ジンは四大陸で演技構成点トップの羽生と計23.76点差をつけられ、後れを取っている。

それらジャンプ構成と演技構成点の兼ね合いによるアドバンテージは羽生が最大で、チェン、フェルナンデス、宇野と並ぶが、1〜2回のジャンプの成否で序列は覆る。ジャンプ加点総数でも羽生以外の上位陣が羽生に肉薄し、接近戦の様相となった。

今季、羽生は世界記録の総合得点「330.43」の栄光に止まらず、新技の4ループと4サルコウ+3トゥループに挑戦している。4サルコウ+3トゥループは四大陸でも決まらなかったが、4ループはついにショートとフリーで2点以上の加点をつけて成功させ、フリー終盤には4トゥループ+2トゥループと3アクセルを放った。羽生の荒ぶりは、上位リーグの戦況をさらに混沌とさせている。平昌五輪まで残り2試合となる上位リーグ直接対決は、見る者に勝負の華を魅せるだろう。

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