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【世界選手権】男子SPレビュー/フェルナンデス3連覇へ好発進 宇野2位、羽生5位 歴史的熱戦はFSに続く

 2017年3月31日 13:12配信

宇野昌磨は自己ベストを更新して2位で折り返し(写真提供:Getty Images)

世界フィギュアスケート選手権(フィンランド・ヘルシンキ)男子SPは、スペインのハビエル・フェルナンデスが歴代2位となる自己ベストを更新し、3連覇に向け絶好のスタートを切った。日本勢は、宇野昌磨が歴代3位の自己ベストで2位、羽生結弦はジャンプのミスや遅延スタートの減点で5位となったが、五輪出場選手枠「3」枠圏内で折り返した。3位には初めてSP100点台に乗せたカナダのパトリック・チャンが着けた。平昌五輪まで残り2試合となる世界頂上対決は、SP100点台が3人に90点台が6人、個性は咲き誇り自己ベストも連発する、熱狂の歴史的SPとなった。

フェルナンデスは、ジャンプを“より多くより美しく”回れるか、その現在の男子シングルの戦いに今季大一番で高らかに優ってみせた。4トゥループ+3トゥループと4サルコウで共に2.86点の加点を取り、フラメンコダンスの型を入れて降りた後半の3アクセルでは満点を出し、ジャンプで全体トップの点数を得た。チャンや羽生と共にステップでも満点、スピンも上位陣の皆が最高レベルで揃える中、フェルナンデスがさらに秀でたのは演技構成点の表現面の評価だった。9人中6人のジャッジが音楽表現に10点満点をつけた。スペイン国立バレエ団芸術監督アントニオ・ナハーロが創り出し世界王者ハビエル・フェルナンデスが生み出すプログラムは、ダンスとフィギュアスケートが高次元で融合した、革新の演舞となった(SP得点109.05|技術点60.79|演技構成点48.26)。

宇野は4フリップ、4トゥループ+3トゥループ、イーグルから入り代名詞のクリムキンイーグルで締める後半の3アクセルと、ジャンプでミスなく、全体3位のジャンプ得点をあげた。高精細に情感を送る、宇野ならではの踊りは際立ち、演技構成点では自身初の100点超えとなった四大陸選手権SPを上回った(SP得点104.86|技術点59.16|演技構成点45.70)。チャンが初めてSP100点台に乗せたキス&クライは、フィギュアスケートを愛する者の万感こみ上げた瞬間だっただろう。ビートルズの音楽を、フィギュアスケート界が誇る天下一品の滑りと技で描いてみせた(SP得点102.13|技術点54.11|演技構成点48.02)。

羽生は、4サルコウ+3トゥループの4サルコウで着氷を乱す等10点以上の失点があったものの、見る者と共に弾けるステージを創り上げた。世界選手権初出場の田中刑事は、4サルコウで転倒し22位。FS『フェデリコ・フェリーニ・メドレー』では、急成長で上り詰めた世界の舞台で、芝居が光るその作品を届けてほしい。

『スパイダーマン』で会場を盛り上げたボーヤン・ジンが、全体2位のジャンプ得点でSP4位となり、中国は五輪2枠圏内に入った。アメリカ勢は、四大陸選手権優勝のネイサン・チェンが3アクセルで転倒し6位になったが、ジェイソン・ブラウンが4回転のないジャンプ構成を至高に仕上げて自己ベストで8位に着け、2名の合計数値「13」以内の3枠に手の届く状態で折り返した。

カナダ勢は、3位のチャンと共に2013年四大陸王者ケヴィン・レイノルズも好調で12位に着け、FSで3枠を目指す。ロシア勢は、前大会4位のミハイル・コリヤダが自己ベストで7位、マキシム・コフトゥンが足に痛みを抱えながらも4サルコウ+3トゥループを決め10位に入り2枠圏内。復調の兆しを見せたソチ五輪銅メダリストのデニス・テンは9位で、カザフスタンも2枠圏内でFSに臨む。

男子スーパーリーグとも言える上位6選手は11.72点差で並び、1〜2回のジャンプの成否で勝敗は左右する。1日(土)に行われる男子FS最終グループの1番滑走は羽生、2番チェン、3番ジン、4番チャン、5番宇野、最終滑走はフェルナンデスとなった。田中は第1グループでFSを迎える。

文:Pigeon Post 島津愛子

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