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【GP中国杯】女子レビュー/樋口2位、GPファイナルへ望み ザギトワ鮮烈シニアデビュー

 2017年11月5日 19:00配信

シニアGPデビューで初優勝を飾ったザギトワ(写真:Getty Images)

ISU・GPシリーズ第3戦中国杯(北京)女子は、アリーナ・ザギトワ(ロシア)がSP4位からFS1位で逆転しシニアGPデビューで初優勝(総合:213.88|SP:69.44|FS:144.44)。SP2位・FS2位の樋口新葉が僅差で総合2位となり、3位のロシア杯に続き2戦連続で表彰台に上りGPファイナル進出に近づいた(総合:212.52|SP:70.53|FS:141.99)。3位にはロシア杯4位のエレーナ・ラジオノワが入り、5シーズン連続でGPシリーズのメダルを獲得した(総合:206.82|SP:70.48|FS:136.34)。接戦のSPで同点の6位・7位に並んだ本田真凛と三原舞依は、三原がFS3位で総合4位(総合:206.07|SP:66.90|FS:139.17)、本田がFS5位で総合5位(総合:198.32|SP:66.90|FS:131.42)。

今後の演技に期待が持てる2位の樋口(写真:Getty Images)

日本女子の五輪代表「2」枠の選出に関わる世界ランクは、シリーズ3戦目を終えた時点で、ワールドスタンディングス(3季通算)で今大会2位の樋口(2572ポイント)と4位の三原(2476)が宮原知子(2962)と本郷理華(2736)を追い上げている。五輪代表の条件は「世界ランク上位3名」で、2戦を終えファイナル出場も目される樋口と第5戦フランス杯出場の三原は、トップ3入りの可能性もある。シーズンベストは「上位3名」が五輪代表条件で、今季まだ出場のない宮原を除き、樋口(217.63)・三原(206.07)・本田(198.42)と並ぶ。宮原は次戦NHK杯で今季初戦に臨み、スケートカナダ6位の本郷もNHK杯でのポイント加算やスコア更新のチャンスを残している。平昌への最終局面、年末の全日本選手権での表彰台も目指し、日本女子の熾烈な代表レースはこれから中盤に入っていく。

樋口は様々に表情でも魅せながら、女子シングル随一の圧倒的なスピードとパワーでシビれさせたが、SPでは3フリップの踏切で加点がつかず、SP・FS共にステップで最高評価のレベル4を取れなかった。樋口のポテンシャルからすればジャンプの加点総数にもさらなる伸びしろが見込まれ、今後の試合での会心の演技に期待がかかる。

GPシリーズ2戦目は5位に終わった本田(写真:Getty Images)

三原はSPで、得点源となる冒頭3ルッツ+3トゥループの3トゥループが回転不足となり得点を伸ばせなかったが、FSでは2アクセルが不安定になった以外はノーミスでまとめた。フィギュアスケートが持つ、滑りそのものの音楽性を体現する演技は、シリーズ初戦から光っていた。本田は表現面のクオリティーを打ち出しながらも、スケートカナダに続きSP・FS共に回転不足があった。シリーズ2戦を終えた本田には、全てが決まる全日本に向けての調整期間が十分にあり、仕上がった状態で決戦を迎えるだろう。

ロシア勢、ザギトワはSPの至難技3ルッツ+3ループこそ転倒したものの、女子計10回のジャンプを全て後半に、加点のつく体勢で飛び、シニアGPシリーズデビューを優勝で飾った。3位ラジオノワは技術を安定させてショーマンの輝きを見せ、2014-15シーズンのファイナルと世界選手権の女王エリザヴェータ・トゥクタミシェワ(SP5位、FS6位、総合7位)もFSで宝刀3アクセルを着氷させた。全日本と同時期に開催されるロシア選手権も、白熱の好試合となるだろう。

昨季世界選手権銅メダルのガブリエル・デールマン(カナダ)は、貫禄のSP首位から、FSではジャンプのミスが響き7位となり、総合6位に沈んだ。

シリーズ第4戦NHK杯(大阪)には、日本勢は宮原と本郷に加え、シニアデビューの白岩優奈が、海外勢はロシア杯優勝のエフゲニア・メドベデワ(ロシア)と同2位のカロリーナ・コストナー(イタリア)、今季3アクセルを成功させている長洲未来(アメリカ)らが出場。シリーズ各2戦の合計ポイント上位6選手(組)が12月のGPファイナル(名古屋)に進出する。

文:Pigeon Post 島津愛子

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