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【GPスケートアメリカ】女子レビュー/宮原、復帰2戦目で快勝 坂本2位 樋口はファイナル進出 五輪代表レースは?

 2017年11月27日 15:13配信

自己ベストに迫る得点で優勝した宮原(写真:Getty Images)

ISU・GPシリーズ第6戦スケートアメリカ(レイクプラシッド)女子は、怪我からの復活を期する宮原知子が、昨季GPファイナルでマークした自己ベストに迫る得点で、SP・FS共に1位の完全優勝(総合:214.03|SP:70.72|FS:143.31)。シニア1年目の坂本花織が技術点トップで、SP(2位)・FS(2位)共に自己ベストを更新し2位に続いた(総合:210.59|SP:69.40|FS:141.19)。自己ベストを15点伸ばして210点台に乗せた総合得点を目にすると、驚嘆の声をあげていた。また、今大会の結果により樋口新葉のGPファイナル進出が決まり、日本女子は17年連続のファイナル出場となった。

宮原は、復帰1戦目のNHK杯での手痛い失点となった回転不足を完封した。SPでの3ルッツ+3トゥループの着氷こそ乱れたものの、その他のジャンプを決め、スピン・ステップも最高評価で揃え、「ミス・パーフェクト」本来の姿が復帰2戦目にして戻って来た。SPとFSで同じ“和”の演目となるが、芸者の艶を魅せるSP、蝶々夫人の心情を映し出すFSと、氷上には2人の大和撫子の人生が見えた。演技構成点では共に自身最高得点を叩き出し、五輪シーズン後半戦への期待値をさらに高めた。坂本の滞空時間と飛距離が長いジャンプも、世界に日本女子の脅威を与えただろう。

SP・FS共に自己ベストを更新した坂本(写真:Getty Images)

日本女子の五輪代表選出に関わる【世界ランクとシーズンベストのトップ3】は、今大会終了時点で、ワールドスタンディングス(3季通算)で宮原(3082ポイント)・本郷理華(2736)・三原舞依(2610)、シーズンベストは樋口(217.63点)・宮原(214.03)・坂本(210.59)となった。ファイナル出場を決めた樋口は、【GPファイナル上位(2名)】の条件も備える。「2」枠を巡る代表レース最終局面、全日本選手権(12月20-24日、東京都調布市・武蔵野の森総合スポーツプラザ)の優勝者が代表1人目に、2人目はこれらの候補選手と【全日本表彰台】選手から選ばれる。

地元アメリカのブラディー・テネルが、SP(4位)・FS(3位)共に自己ベストを大幅に押し上げ、200点超えの3位(総合:204.10|SP:67.01|FS:137.09)。GPデビューで母国の表彰台に上った。スケーティングの速度や安定感、ジャンプやスピンの鋭く速い回転で目を奪い、年明けの全米選手権でも一大旋風を巻き起こすだろう。アメリカ期待の一昨季世界選手権銀メダリストのベテラン、アシュリー・ワグナーは、右足首に炎症によるウィルス感染が生じており、FS演技途中で棄権した。ファイナル進出は叶わなかったが、アメリカ女子五輪代表「3」枠を決する全米に向けての調整期間となった。

今後の飛躍を期待させる演技を披露したテネル(写真:Getty Images)

GPファイナル進出がかかっていたポリーナ・ツルスカヤ(ロシア)は、ノーミス続出の高得点試合となった今大会で、2つのジャンプを失敗したSP(8位)での出遅れが響いた。FS4位で順位を上げるも総合4位で、シニアデビューでのファイナル出場はならなかった。5位には同ロシアのセラフィマ・サハノヴィッチが入った。この数シーズン低迷していたが、ロシアの国民的ヒーローであるエフゲニー・プルシェンコ(男子五輪王者)の指導と熱意を受け、再びトップへの道を走り出した。毎年全日本と同時期に開催されるロシア選手権では、世界一入手困難なロシア女子五輪代表「3」枚のチケットを争う、美しき猛者達の歴史に残る一戦が繰り広げられるだろう。

再来週に名古屋で開催されるGPファイナル(12月7-10日、日本ガイシホール)には、シリーズ最終ランキング順で、エフゲニア・メドベデワ(ロシア)、アリーナ・ザギトワ(ロシア)、ケイトリン・オズモンド(カナダ)、カロリーナ・コストナー(イタリア)、マリア・ソツコワ(ロシア)、樋口が出場する。女王メドベデワは、右中足骨の怪我(ヒビ)によるコンディションへの影響が心配されている。メドベデワが欠場すれば、GPランキングで7位に着ける宮原が繰り上がりで出場することになる。

文:Pigeon Post 島津愛子

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