コラム
【世界ジュニア選手権】男子レビュー/SP2位から優勝したエロホフ、須本は総合9位
男子シングル・ショートプログラムでは、優勝候補筆頭のジュニアグランプリファイナル王者、アレクセイ・クラスノジョン(アメリカ)が首位、ファイナル5位のアレクセイ・エロホフ(ロシア)が2位、ファイナル銅メダルの須本光希(日本)が3位と、メダル争いにからむと予想されていた選手が順当に力を発揮。須本は演技冒頭、今季初めて試合で成功したトリプルアクセルを跳び、その後も持ち前の伸びやかなスケーティングを見せてメダル圏内につけた。また、三宅星南(日本)もトリプルアクセルを成功させて10位に入り、須本と共に、来季同大会の日本の出場枠「3」の条件である順位合計「13」以内を目指してフリーに臨むことになった。
フリーの曲は、須本・三宅ともに『レ・ミゼラブル』。先に登場した三宅は、冒頭のトリプルアクセルで転倒。その後のジャンプで再度転倒した影響もあってか、終盤はかなり苦しそうな表情になるが、演技最後の2つのジャンプを降り意地を見せた。ただコンビネーションジャンプが一つも入れられなかったことも響き、フリーは23位、総合で18位という結果になった。
最終グループ4番滑走の須本は、ショート上位三選手の先頭を切って登場。冒頭トリプルアクセル―2回転トゥループを成功させるが、続く単独のトリプルアクセルでは着氷が乱れ、次の3回転フリップの着氷でも手をつく。後半のジャンプでもところどころでミスが出てしまい、演技を終えた須本は頭を抱えた。2月中旬に右足首を捻挫していたそうで、その影響もあったものと思われる。悔しい思いを残して終わった須本の成績はフリー9位、総合9位。三宅との順位合計は「27」で、来季の日本の出場枠は今季同様「2」となった。
須本に続く5番滑走はショート首位のクラスノジョン。冒頭の4回転ジャンプで転倒、足を痛めてしまい演技を続けられなくなる。改めて4回転ジャンプは常に危険と隣り合わせだと感じさせる、優勝候補の衝撃的な棄権だった。
波乱が起こった直後のリンクに最終滑走者として登場したショート2位のアレクセイ・エロホフは、しかし動揺することなく自分の力を発揮した。ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番』の旋律に乗り、冒頭の4回転トゥループ―3回転トゥループのコンビネーションジャンプを加点のつく出来栄えで成功させる。続いて、着氷で少し乱れたものの4回転サルコウを跳び、その後トリプルアクセルも2本成功させ、大きなミスなく演技を終える。エロホフは、平昌五輪女子シングル金メダリストのアリーナ・ザギトワ、銀メダリストのエフゲニア・メドベデワを教えるエテリ・トゥトベリーゼコーチの門下生。男子でも、エテリチームが力を発揮し始めたといえる。
2位は、フリー8位から一気に順位を上げたアルトゥール・ダニエリアン(ロシア)。小柄だが体のラインが美しい14歳は、ショートでは『ポエタ』、フリーでは『ノートルダム・ド・パリ』といった大人の曲を滑りこなした。まだ4回転が入っていない演技構成ながら銀メダルを獲得したスケーティングの美しさには、将来性が感じられる。
3位は、平昌五輪の団体・個人でも活躍したマッテオ・リッツォ(イタリア)。やはり構成に4回転は入れていないが、何回滑ってもその都度演技をまとめてくる安定感は大きな武器だ。この後シニアの世界選手権にも出場する予定で、タフだが実り多いシーズンとなっている。
フリーでクラスノジョンの圧倒的なジャンプが見られなかったことは、大会全体を考えても大変残念である。ただシニアに較べて4回転は少なかったものの、スケーターはそれぞれの魅力を充分に見せてくれた。
文:沢田聡子
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