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【GPファイナル】男子SPレビュー/チェンが首位発進、不調の宇野は踏ん張って2位!

 2018年12月7日 18:52配信

直前に突如不調に陥ったことを告白した宇野。しかしそれでも持ち直すあたりは五輪銀メダリストの実力ゆえか(写真:Getty Images)

日本時間12月7日、カナダのバンクーバーでGPシリーズの締めくくりとなるGPファイナルが開幕した。

男子SPでトップに立ったのは、昨シーズンのチャンピオン、アメリカのネイサン・チェンだった。シェイ=リーン・ボーン振付による「キャラバン」のプログラムで、3アクセルから演技を開始。次の4フリップもきれいに成功させたが、4トウループの着氷が乱れてコンビネーションがつかなかった。それでもすべてのスピン、ステップでレベル4を獲得して92.99でトップに立った。チェンは会見で、こう口火をきった。

「まず最初に、この壇上に素晴らしい選手2人と並んでいられて光栄です。特に一緒にトレーニングをしてきたミハル。彼がどれほど努力をしてきたかわかっているので、それが形になったことをとても嬉しく思っています」と3位のブレジナを祝福した後、こう述べた。

「今日の演技には満足していません。コンビネーションを跳べなかったのは、大きなミスでした。でもこれも学びの経験の一つだと思って受け止めています」フランス杯で優勝した後、エール大学で期末試験を一つ終えてちょっと一息ついたところなのだという。

コンビネーションがつかないというミスをがあったものの、首位に立ったチェン。やはり宇野の最大のライバルはこの男になりそうだ(写真:Getty Images)

不調の中でもベストを尽くした宇野

6人中最終滑走だった宇野昌磨は、樋口美穂子コーチ振付による「天国への階段」のフラメンコギターアレンジ。冒頭の4フリップが回転不足でステップアウトしたものの、たてなおして次の4トウループは着氷し、2トウループをつけた。最後の3アクセルは、きれいに降りて91.67でチェンに次いで2位に立った。

演技前はどういう気持ちだったのかと聞くと、「こういうことを言ってはいけないかもしれませんけれど」と前置きをしてから、こう述べた。

「今日までたくさん練習してわりと調子を上げてきて、プログラムも完成度を上げてきて、その中で挑もうという気で来たのですが、今朝の朝の練習も6分間練習も、本当にひどい練習で、こんなに決まらないことがあるのか、久々に試合に行きたくないと、そういう気持ちでした」

特にそれまで練習では失敗したことのなかった4トウループを、2日連続して公式練習の曲かけで失敗してしまったことで、自信を失ってしまったのだという。

「安心したジャンプが何ひとつなかった。練習でやってきたことをここでパーにしてはいけないという気持ちもあったけれど、すごくつらかったです」

突然不調に陥った理由はよくわからない、と言いながらも、「何もないからこそ、精神的、メンタル的なことなんじゃないかな。自分がそこまで強く感じていなくてもプレッシャーというものがあったかもしれないです」と分析した。

7年ぶりにGPファイナルに戻ってきたブレジナ

SP3位に立ったのは、クイーンの「Who wants to live forever」で滑ったチェコのミハル・ブレジナだった。28歳のベテランの彼がGPファイナルに進出したのは、2011年以来実に7年ぶりのことである。冒頭の4サルコウ+2トウループ、そして3フリップ、最後の3アクセルを成功させて89.21を獲得した。

「この7年間、多くの努力を要した長い道のりでした。予定していた4+3はうまくいかなかったけれど、不平は言いません。他のものは全てうまくできたと思います」と笑顔を見せた。

 

ジュンファン4位、ヴォロノフ5位

今回が初進出だった韓国のチャ・ジュンファンは、デイビッド・ウィルソン振付「シンデレラ」のプログラムで4サルコウから演技を開始。だが回転不足の判定になった。だが続いた彼の得意技、3ルッツ+3ループはきれいにきまり、残りをノーミスできめて89.07で4位スタート。

ロシアのセルゲイ・ヴォロノフは、ラフマニノフのピアノ曲「前奏曲 ト短調 作品23-5」に合わせて4トウループから演技を開始したが、着氷が前のめりになって予定していた3ループをつけることができなかった。次の3ループに3トウループをつけてコンビネーションにし、残りをノーミスで滑り切って82.96で5位。

カナダのキーガン・メッシングは4トウループと3アクセルがどちらも回転不足の判定となり、79.56で6位に立った。

男子決勝は、日本時間12月8日14時35分から開始される。宇野は6人中最終滑走をひいた。

text by 田村 明子

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