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【GPファイナル】女子FSレビュー/紀平梨花16歳、浅田真央以来の快挙でGPファイナル優勝

 2018年12月9日 13:36配信

GPファイナルは初出場の紀平(中央)が初優勝、五輪女王ザギトワ(左)2位、3位にトゥクタミシェワという結果で幕を閉じた(写真:Getty Images)

GPファイナル女子は、全員が200ポイントを超えるというレベルの高い戦いとなった。この白熱戦を制したのは16歳の紀平梨花だった。昨年のチャンピオンで平昌五輪女王のアリーナ・ザギトワは2位に終わり、エリザベータ・トゥクタミシェワが3位を守った。結局1位から6位まで、SPの順位がそのまま持ち越された女子決勝となった。

6人中最終滑走だった紀平梨花は、「Beautiful Storm」のフリーで、冒頭の3アクセルで回転が足らずに両手をついて、ダウングレードに。だが二度目の3アクセルはきれいに成功させて2トウループをつけた。その後3ループ、3ルッツ+3トウループ、3フリップ、3ルッツ+2トウループ+2ループ、そして最後の3サルコウまで残りを完璧に滑り切った。キス&クライでは得点を待ちながら緊張した表情で濱田美栄コーチの手を握っていたが、フリー150.61という数字が出るとほっとしたような笑顔がこぼれ、総合233.12で優勝が決まった。日本の女子としては村主章枝、浅田真央に次いで3人目のGPファイナルチャンピオン。日本人でシニアGPデビューの年に優勝したのは、2005/2006年シーズンの浅田真央以来の快挙となった。「トリプルアクセルがミスしてもそこからたてなおすことができて、本当に嬉しい気持ちでした」と演技後、笑顔でコメントした。

演技後、ほっとした表情を見せた紀平(写真:Getty Images)

2位は、「カルメン」で滑ったアリーナ・ザギトワだった。2アクセルから演技を開始し、次に予定していた3+3のコンビネーションが、3ルッツ+1トウループに。だがその後もちなおして、3サルコウ、2アクセル、今シーズン回転不足をとられていた後半の3ルッツ+3ループも成功させたのは、さすがだった。フリー148.60で、総合226.53を獲得。今季のGP大会2戦を上回る点を出したが逆転はならず、銀メダルとなった。「(トウループでの)ミスの後、より一層集中して最後まで滑り切ることができたのは良かったと思います」と演技を振り返った。

エリザベータ・トゥクタミシェワは、「You don’t love me」などのジャズメドレーのフリーの冒頭で挑んだ3アクセルでオーバーターンがついた。そこから3ルッツ+3トウループ、3フリップ、3サルコウから2アクセルのシークエンスジャンプ、2アクセル+3トウループ+2トウループ、そして二度目の3ルッツなど、残りをノーミスで滑り切った。今シーズン彼女が保ってきた演技の安定度は、ここ数年で最高のレベルである。フリー144.67、総合215.32で、3位を保ち4年ぶりにGPファイナルの表彰台に返り咲いた。「順位よりも、クリーンな演技を目指していたので、最後まで滑り切ることができて嬉しいです」と満足そうに語った。

坂本花織は、「ピアノレッスン」のサントラのピアノの、優雅なメロディに合わせて演技を開始。スピードのあるスケーティングをうまく使って冒頭の3フリップ+3トウループがきれいにきまった。そこから2アクセル、3ルッツ、3サルコウと好調な滑りを見せていたが、2アクセル+3トウループ+2トウループの最後のジャンプで転倒。だが次の3フリップ+2トウループは無事に降りて、残りをノーミスで滑り切った。滑り終わると、ちょっと悔しそうに苦笑い。だが141・45という数字を見ると、嬉しそうな笑顔を見せた。総合211.68と今季はスケートアメリカに次ぐ良いスコアが出たが、4位で惜しくも表彰台には届かなかった。それでも「いつもパーフェクトにやって140くらいだったので、ミスをして141もらえるということがわかった。今後に向けていい経験になりました」とここでの収穫を口にした。

宮原知子は、アストル・ピアソラのタンゴのメドレーで3サルコウから演技を開始した。3ルッツ+3トウループ、3ループ、3ルッツ、2アクセル+3トウループと流れを途切れさせることなく最後まで滑り切った。観客はスタンディングオベーションで演技を讃えたが、133.79という数字が出ると、キス&クライに座っていた宮原の表情が少しこわばった。最初の3ルッツが回転不足、二度目の3ルッツはダウングレード、3フリップも回転不足という、厳しいジャンプの判定だった。それでも、ルッツにつけた3トウループや、2アクセルにつけた3トウループなど、良い手ごたえを感じたジャンプもあったという。総合201.31で6位という結果だったものの、「(4度目のGPファイナルで)今までとまた違った気持ちがあった。SPで思うようにいかなかったが、フリーでたてなおすというところも良い経験になった。悔しい試合ではあったけれど次につなげられるようにしていきたいです」と前向きにコメントした。

ロシアのソフィア・サモデュロワは、3フリップ+3トウループ、3ルッツなど7度の3回転ジャンプを含むプログラムを最後までミスなく滑りきって、笑顔を見せた。だがリンクの使い方が極端に小さく、シニアのトップ選手に混ざるとことさらスケーティングなどに課題があることが感じられた。フリーは136.09、総合204.33で5位だった。

text by 田村 明子

堂々の演技で高得点をマークするも2位に終わったザギトワ(写真:Getty Images)

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