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【全日本選手権】男子SPレビュー/宇野、負傷の疑いも気迫の滑りで堂々首位!2位と好位置の高橋は「フリーは守らず全力でぶつかる」

 2018年12月23日 08:57配信

6分間練習でジャンプを跳ばなかった宇野だったが、気迫の滑りで首位発進。不安を集中力に変えるメンタルコントロールはさすがの一言(写真:Getty Images)

平昌五輪銀メダリスト・宇野昌磨が首位、現役に復帰した高橋大輔が2位、可能性を秘めたジュニアの逸材・島田高志郎が3位につけた男子ショートプログラムは、日本男子の層の厚さを感じさせる展開となった。

6分間練習でジャンプを跳ばなかった宇野は、しかし予定していた4回転―3回転を4回転―2回転に変更した以外はほぼ完璧な演技を見せる。特に、冒頭の4回転フリップは出来栄え点3.61がつく見事なジャンプだった。感情を露わにすることが少ない宇野が見せた演技終了後のガッツポーズから、やり切ったという深い満足感が伝わった。宇野自身、「集中力で乗り切ったという強い思いが今あります」と語っている。

「“嬉しい”ではなくて、“やってやったぞ”という思いがあった」

怪我をしたのかという問いには、宇野は次のように答えている。

「詳しいことは、フリーが終わるまで何も言い訳したくないので…気づいている人もいるかもしれませんけれども、僕の口からコメントするのは控えさせて頂こうかなと思っています」

「高橋大輔選手は憧れであり尊敬する選手ですけれども、負けられないという気持ちはありました」と口にした宇野は、フリーに向けた思いを語った。

「集中して最後までやり切る。少しでも弱い自分を見せたら、きっと大崩れしてしまうと思うので、強い気持ちでいきたいなと思っています。気合いで頑張る、それだけです」

滑りも演技後の表情も柔らかかった高橋。4回転を跳ぶかどうかについては当日の状態をみて決めるとコメント(写真:Getty Images)

気迫を見せた宇野とは対照的に、高橋は滑りも演技後の表情も柔らかかった。3アクセルは、フリーレッグが氷に着いたように見えたものの成功。『シェルタリング・スカイ』の旋律に乗せたスケーティングには深い味わいがあり、高橋の積んできた経験が表れているようだった。「アクセルも着地で詰まってしまいましたし、コンビネーション、ルッツも両方流れが悪かった」としながらも、「ジャンプを抜きにしたら、プログラム全体の感情移入というところでは、今シーズン一番いい出来」と手応えを語った。

充実感を漂わせる高橋は、試合に戻った喜びを口にしている。

「久しぶりにこれだけ大勢の方の前で試合をやってみて『本当に今までこういった中で試合をしてきたんだな』と改めて感じつつ、また『これだけの方に声援して頂くことは嬉しいことなんだな』とかみしめつつ…すごく滑りやすい雰囲気の中で、お客さんの声援が滑らせてくれたという感謝の気持ちでいっぱいでした」

「『試合っていいな』と改めて感じました。全日本選手権を目標に闘ってきた仲間と共に力を出し尽くす闘いをして、本当に自分にとってこの場所は居心地がいい。できれば長くやっていきたい」

「近畿ブロックより西日本、西日本より全日本と緊張感が高くなっていく中での闘いが、心地いい。もし世界で闘うとなったとしたら、より一層心地いいのかなと」

フリーでの4回転については「今のところやりたい気持ちではいますけど、本番での自分のメンタルと相談しながら」と話した。

「負けたら負けたで清々しく、勝ったら勝ったで嬉しいと思いますし。どっちに転んだとしてもすごくすっきり終えているんだろうな、というところだけははっきりしています」

「この先どうしていくか分からないですけど、ここを目標に復帰して頑張ってきたので、もう明後日は守らずに、思い切り全力をぶつけた演技をできればいい」

質の高いプログラムを見せた島田は、3アクセルを含むすべての要素でプラスの評価を得た。

「自分の気持ちを強く持って、ショートはウォームアップ、次のフリーが本番だと思って、自分に自信を持って頑張りたい」

フリーでの闘いが楽しみになるような、それぞれのスケーターが魅力を満開にしたショートだった。

text by 沢田聡子

質の高いプログラムを見せたジュニアの島田。3アクセルを含むすべての要素でプラスの評価を得た(写真:Getty Images)

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