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【全日本選手権】女子FSレビュー/“強心臓”坂本、圧巻の滑りで初戴冠!紀平はアクセル2本成功で猛追も及ばず2位、宮原は連覇途切れ3位

 2018年12月24日 09:15配信

大混戦は坂本(真ん中)が制し初優勝。紀平(左)は猛追及ばず2位、宮原(右)はわずかなミスが響いて3位となり、連覇は4で途切れた(写真:Getty Images)

女子シングル・フリーは最後まで目が離せない闘いとなった。

柔らかくなった靴の調整が上手くいかず、ショートで5位と出遅れた紀平梨花が、最終グループの2番滑走で登場。冒頭の3アクセル―3トウループと単発の3アクセルは見事に成功、2つとも出来栄え点2点台の高評価を得る。後半の3連続ジャンプで唯一の乱れが出てノーミスの演技にはならなかったものの、ショートから盛り返した圧倒的な内容で、フリーだけの順位では1位だった。

ショートで首位に立っていた宮原知子は、最終グループの5番滑走。序盤はミスなくこなしていくが、中盤の3ルッツで着氷が少し危なくなったのに続き、後半予定していた3フリップからの3連続ジャンプで最初のフリップが2回転になり、コンビネーションにできなくなってしまう。その後のジャンプを3連続にしてリカバリーしたものの、そのジャンプにも回転不足がついた。宮原はフリーだけの順位は4位となる。

最終滑走はショート2位の坂本花織。3回転ルッツの着氷が少し乱れてエッジエラーもついたのが唯一のミスで、あとはすべての要素を加点のつく出来栄えでまとめてみせた。緊張する場面で強さを見せた坂本が、ショート2位からの逆転優勝を果たし、全日本選手権の新女王となった。

「ここで諦めてしまったら一年間頑張ってきたのが無駄になってしまうので、本当に死ぬ気でやるしかない」と考えたという坂本。演技を終えた時には「やり切った」と思えたという。

「(グランプリ)ファイナル終わってから、本当に精神的にもきつかった。フリーに関しては満足いく練習ができなかったので不安のまま行ったのですが、なんとか滑り切れたのでガッツポーズが出ました」

「精神的にきつかった」と語った坂本だが、プレッシャーを跳ねのけて演技後には特大のガッツポーズ!(写真:Getty Images)

坂本はGPファイナルの後、振り付けを担当したブノワ・リショー氏とフリーのブラッシュアップをしている。

「コンテンツシートを見たら、下の点数(演技構成点、表現面の評価を表す)が初めて70点超えていて、ブラッシュアップした成果がちゃんと出たのかなって思って。そこが大きく伸びたので、点数も全体的に上がったのかな」

坂本の今季のフリーは、映画『ピアノ・レッスン』の旋律に坂本の伸びやかな滑りがマッチする美しいプログラムだ。昨季に較べて動きにしなやかさが増した坂本は、この日はジャッジへの視線にも気を配って滑ったという。

「今までは視線がジャッジさんより下になっていたんですけど、今日は『跳ぶから見てろよ』っていう感じで、むっちゃ見てました。見られるところは、もうがっつり、ノックアウトしました」

平昌五輪代表選考がかかった昨年の大会に続き最終滑走で強心臓を見せた坂本が優勝、紀平は追い上げ及ばず2位、宮原は3位だった。この結果から、坂本は3月・さいたまで行われる世界選手権の代表に決定した。

メダリスト記者会見で、坂本は「今回の演技をもう一度見直して、来年の世界選手権で今回よりいい演技がまたできるように、日々ブラッシュアップして頑張っていきたい」、紀平は「来シーズンも今シーズン後半も、今回学んだことや今までの経験をすべて出して、まず準備を完璧に持っていくことが大事」、宮原は「課題もたくさんあるんですけど、せっかくの日本開催の世界選手権なので、みんなが自分のスケートができれば盛り上がるんじゃないかなと思います」と話した。世界選手権代表は、翌日の全競技終了後に正式発表される。

トリプルアクセルを2本成功させ、フリーのスコアではトップだった紀平。ショートでのミスを冷静に分析し、16歳とは思えない驚異的な修正力をみせた(写真:Getty Images)

text by 沢田聡子

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