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【全日本選手権】男子FSレビュー/「これが僕の生き方」宇野が痛みこらえ3連覇!高橋は堂々2位、田中は意地をみせ3位

 2018年12月25日 07:56配信

「負傷したからこそ自らを信じられた」と語った宇野。終わってみれば他を圧倒しての3連覇だった(写真:Getty Images)

男子・フリーでは、選手それぞれの思いが交錯した。

全日本3連覇を果たした平昌五輪銀メダリスト・宇野昌磨は、優勝を決めたフリーの演技後、右足首を捻挫していることを明らかにした。ショート当日の公式練習前のウォームアップで足を強くひねったのだという。フリー前日の公式練習に姿を見せず、フリー当日の練習でもジャンプをほとんど跳ばない宇野の様子は明らかにおかしかったが、試合が終わるまで事情を話すことはなかった。試合出場を望む宇野に、樋口美穂子コーチが「どうしてそこまでして出たいの?」と問うと、「僕の生き方です」と答えが返ってきたという。

「それだけ全日本は僕にとっても大きな試合でしたし、プライドですかね。僕は地上を歩けるなら、無理してでも試合に出ようと思っていました」

ジャンプの構成を変えて臨んだフリーは、冒頭の4フリップの着氷で少し前傾し、続く3サルコウではフリーレッグをつき、次の4トウループでは着氷が乱れる。しかし、それ以降は後半の3アクセル2本を含むジャンプをすべて成功させ、演技終了後にガッツポーズを見せた。宇野は、この怪我を乗り越えたことに大きな意義を見出している。

「怪我しているからこそ自分の練習してきたこと、自分の演技を信じることができた。ある意味この怪我に感謝したい」

「僕は今年、自分を信じるというテーマを掲げながらもなかなかそれが成し遂げられない、自分を信じるということは難しいなと悩んでいたんですけれども、こういったアクシデントの中だからこそ自分を信じることができた。自分を信じることができた経験を、このシーズン後半の試合に活かせたらなと思っています」

高橋は決して満足の行く出来ではなかったものの、久々の全日本で表彰台に上った(写真:Getty Images)

2位に入ったのは、5年ぶりに全日本に出場した高橋大輔だ。現役復帰にあたり、目標にしてきた全日本の最終グループに入ってフリーを迎える。6分間練習で4回転トウループが決まったことで本番でも跳ぶ決断をしたという高橋は、演技冒頭で4回転に挑んだが、3回転になってしまう。直後の3アクセル―2トウループは見事に決まったものの、その後もジャンプミスが続く。「ふがいない演技だった」と高橋は振り返っているが、エッジワークと多彩な動きが融合したコレオシークエンスは圧巻だった。

「全日本選手権のメダルは、まったく想像していませんでした。ショートで最終グループに入るのも大変だろうなと思っていた」

平昌五輪代表の田中刑事が3位。ショート4位から巻き返しを狙う田中は、4回転1本と3アクセル2本を組み込む演技で、平昌五輪代表の意地を見せた。

「今シーズンなかなか上手くいかないことが多すぎて、僕自身も結構不安があり、いつもより勢いがないな、という感じで終わってしまった。まあなんとか表彰台には上がれたんですけれども、ここで満足してはいけない」

同日に発表された世界選手権代表には、宇野、田中、そして怪我で全日本選手権を欠場した羽生結弦が選ばれた。高橋は、世界で闘う覚悟ができていないこと、後進に世界選手権で経験を積んでほしいことを理由に、世界選手権代表を辞退している。世界選手権は、3月にさいたまスーパーアリーナで開催される。

text by 沢田聡子

オリンピアンの意地をみせ、3位に入った田中。世界選手権の代表にも決定した(写真:Getty Images)

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