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【四大陸選手権】男子レビュー/ついに壁を越えた!宇野が会心フリーで主要国際大会初V

 2019年2月10日 17:59配信

宇野はショート4位と出遅れるも、フリーで今季世界最高得点を叩き出して逆転優勝(中央)。(写真:Getty Images)

宇野昌磨が、五回目の四大陸選手権でついに金メダルを手にした。

昨季の四大陸選手権銀メダリストである宇野は、優勝を目指して今大会に臨んだ。昨年末の全日本選手権でウォームアップ中に捻挫した右足首を、今大会までにさらに二度痛めていたことを明らかにしている。現在痛みはないというものの、豊富な練習量で知られる宇野にとり、この大会前は満足のいく練習が積める状態ではなかったと思われる。

ショートプログラム、宇野は今季2本入れてきた4回転を1本に減らした構成で臨む。しかし、その4回転トウループは着氷で前傾気味になり、3サルコウ+3トウループはフリーレッグが氷についてしまう。難度を抑えた構成である上に2本のジャンプの出来栄え点がマイナスになり、4位と出遅れてしまった。

友野一希は、冒頭の4サルコウで回転不足をとられた上、転倒のため連続ジャンプを予定していたところでセカンドジャンプをつけられなかったことで点が伸びず、12位と苦しいスタートになる。田中刑事も4サルコウは回転不足の判定になったが、その後の演技をまとめて7位につけた。

ショートで首位に立ったのは、今季の初めは回転不足に苦しみながらも多くの4回転を跳び続けてきたヴィンセント・ジョウ。2本の4回転を加点のつく出来栄えで決め、ただ一人100点を超えた。4回転は1本のみだが、完成度の高い演技でたくさんの加点を得たチャ・ジュンファンが2位、今季グランプリシリーズでは不調だったが、ルッツを含む2本の4回転を跳んだディフェンディングチャンピオン、ボーヤン・ジンが3位につけている。

迎えたフリー、友野は2本を予定していた4サルコウの1本目で回転不足をとられ、2本目では2回転になってしまうなどジャンプが決まらず、総合12位に終わる。田中は2本の4サルコウを加点が付く出来栄えで成功させ、総合7位と健闘した。

最終グループの最初に登場した宇野は、冒頭の4フリップを美しく決めると、続く4トウループも綺麗に着氷。4トウループ+2トウループ、3アクセルと高難度のジャンプを次々と決めていく。唯一の乱れは3アクセル+1オイラー+3フリップの着氷だけで、それ以外のすべての要素に加点が付く圧巻の滑りを見せた。静かに始まり、徐々に高まっていく『月光』の旋律に乗って滑り切った宇野は、氷上に崩れ落ちる。フリーの得点は、今季世界最高の197.36。表彰台に乗ったジン(2位)、ジョウ(3位)とも3つの4回転を跳んで競ったハイレベルの闘いを制したのは、宇野だった。主要国際大会で2位の成績が続いていた宇野が、ついに壁を越えたのだ。

フリーにどういう感情を持って挑んだかと問われた宇野は「これまでは“信じる”だったり“攻める”だったり、いろんな気持ちを試してはいたんですけど、今回の試合は“信じる”でもなく“攻める”でもなく、『自分はできるんだ』と言い聞かせて、後は何も考えずに滑りました」と答えている。

「フリーが終わった直後は嬉しいという気持ちはあまりなくて、『なんとかやり切った』という気持ち。全日本選手権から怪我をして、ここまでいろんなことがあったけれども、やはり最後まであきらめないというのが大事だなと思いました」

初出場の2015年四大陸選手権では5位、16年4位、17年3位、18年2位と一つずつ順位を上げ、ついに今回頂上に立った宇野。一歩ずつ上ってきた道程だからこそ、この栄冠には大きな意味がある。

演技の完成度を求める新ルールの下でも、果敢に多数の4回転を跳び続けてきたスケーター達が結果を手にした四大陸選手権は、世界選手権の激闘を予感させる好勝負だった。

text by 沢田聡子

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