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【世界選手権】男子SPレビュー/復帰戦の羽生はミスもあり3位、チェンが唯一の100点台で首位!

 2019年3月22日 16:05配信

冒頭のジャンプが2回転になってしまうなど、納得できない演技となった羽生。首位に立つには12点以上の差を埋める必要があるが、大逆転を期待したい(写真:Getty Images)

3月21日、さいたまスーパーアリーナで行われた男子SPは、意外な展開となった。

最終グループの第一滑走だった羽生結弦は、直前の6分間ウォームアップ中に4サルコウで転倒。その後跳びなおして成功させ、呼吸を整えて演技を開始した。

だが「秋によせて」のプログラムで冒頭の4サルコウが2回転に。それでも持ち直して3アクセル、4+3トウループを降りて、スピン、ステップすべてレベル4の評価で94.87を獲得。SP3位という位置でフリーに挑むことになった。

「ショートプログラムに関しては悔しい気持ちでいっぱいです。大きなミスをしてしまったので、しっかりと改善して、やるべきことを積み重ねたい。本当は英語でしゃべりたいけれど、(日本語で)本当に自分の気持ちを伝えたい。(同じ会見台に座っている)ネーサン選手、ジェイソン(ブラウン)選手、こういう風に記者会見の場で(他の選手へ)感謝を述べることが出来る素晴らしいスケーターと一緒に、トップ3に入れたのがうれしいです。とにかくフリーも楽しみたいです」とコメント。平昌オリンピック当時と比べて今の体調はどうなのか、サルコウの失敗は6分間ウォームアップの影響があったのかと聞かれて「あの頃と比べると(怪我から試合までが)一か月長かったので練習を積んでこられた。サルコーに関しては、ごちゃごちゃといろいろなことを考えすぎてしまった。もちろん6分間練習でうまくいかなかったのもあるし、うまく自分の中で跳ぶスペースを見つけきれなかった。そこは謙虚になってはいけない。自信をもって、「もっと王者らしくいないとダメだな」って今日、思いました」と気持ちを表現した。

宇野はミスが重なり6位と出遅れる。それでも、2年連続2位の意地をみせ表彰台を目指したい(写真:Getty Images)

羽生の次の滑走だった宇野昌磨は、少し緊張した表情でリンクに立った。「天国への階段」のフラメンコアレンジで演技をスタートしたが、冒頭の4フリップで転倒。次のコンビネーションは4+2トウループ、そして3アクセルは成功させた。演技を終えると、ちょっと苦笑いを見せた。コンビネーションシットスピンがレベル3になった以外は、すべてレベル4で揃えて91.40で6位スタートに。

「一つ目のジャンプ失敗したことに残念な気持ちありました。次のジャンプ、ぼくは逃げたりするのが嫌だと言ってきましたが、出遅れるわけにはいかないと思い、みんなに何を言われようと4+2で行こうと思いました」「メンタル面は悪い状態ではなかった。フリップも失敗してしまいましたけれど、フリーでは強い気持ちで跳びたい。フリーで逆転するように頑張ります」と、フリーでの挽回を誓った。

ネイサン・チェンは唯一の100点台で2位以下に大差をつけての首位発進!大会2連覇に向け視界は良好だ(写真:Getty Images)

最終滑走で完璧な演技を見せ、トップに立ったのはアメリカのネイサン・チェンだった。ジャズナンバー、「キャラバン」のメロディにのって3アクセルから演技を開始。予定していた4フリップの代わりに4ルッツを跳び、4+3トウループもきれいにきまった。107.40を手にして、今季の男子の歴代最高スコアを塗り替えた。

「今日の演技には、満足しています。もちろんもっと良くしていけるところはあるけれど、とりあえず今できることは全てできたと思います」と会見で満足そうにコメントした。

サプライズで2位に立ったのは、同じくアメリカのジェイソン・ブラウンだった。「Love is a Bitch」のプログラムで、冒頭の3フリップを軽々ときめ、3アクセル、3ルッツ+3トウループも成功させた。柔らかい体を駆使した音楽性の高い演技を最後まで滑り切り、96.91を手にした。4回転なしのプログラム構成としては、おそらくマキシマムに近い高得点である。

「今日の演技に関しては、とても満足しています。この会見台にこの素晴らしい選手たちと座っていられることを光栄に思います。特にユヅとはこの1年同じリンクで練習をしてきて、いつもプッシュしてもらってきました」と笑顔を見せた。

最終グループの一つ前の第3グループの中で、4ルッツ+3トウループを成功させたアメリカのヴィンセント・ジョーが4位、4トウループなどノーミスの演技を滑り切ったイタリアのマッテオ・リッツォが5位と、若手たちが健闘した。田中刑事は冒頭のサルコウが2回転になって78.76で19位という厳しいスタートになった。

フリーは2日後の23日土曜日に行われる。これまで数々の修羅場を乗り越えてきた羽生と宇野がどこまで挽回していくのか、過酷なフリーの戦いになりそうだ。

text by 田村明子
著書『挑戦者たち―男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて―』がミズノ スポーツライター賞 優秀賞を受賞!

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