dmenuスポーツ

フィギュアスケート

コラム

【国別対抗戦】最終日レビュー/連覇ならずも、団結力で勝ち取った2位 坂本が自己ベスト更新!

 2019年4月14日 10:53配信

連覇こそ逃した日本だが、来季への可能性を感じる滑りを私たちに見せてくれた(写真:Getty Images)

 大会最終日、最初に行われたペア・フリー。一番滑走で登場した三浦璃来&市橋翔哉組は、ソロジャンプでの転倒などいくつかミスはあったが、精一杯滑り切った。結果は6位。来季からシニアに上がる二人にとり、貴重な経験となっただろう。

最後の種目となる女子シングル・フリーの結果で、国別の最終順位も決まる。日本チームからは、まず坂本花織が登場。冒頭、予定していた3フリップ+3トウループが単独ジャンプになってしまったが、直後の2アクセルに3トウループをつけてきっちりとリカバリーする。さらにその後跳んだ3ルッツはエッジエラーの判定をうけるが、坂本はそこで崩れなかった。後半に向けて滑りはどんどん良くなっていき、曲のクライマックスを伸びやかに表現していく。坂本自身は演技後「前半がボロボロすぎてひやひやした。練習だったらこけているジャンプだったんですけど、なんとかこらえて最後までこけずに済んだので、ほっとした」と振り返っている。得点でも自己ベストを更新し、3位に入って日本チームに貢献した。特に表現面での成長が著しかった今季の坂本を象徴するような、観る者の心に深く残る『ピアノレッスン』だった。

坂本は逆境をものともしない勝負強さを見せた。二十歳を迎える来季は、どんな“大人の表現力”を見せてくれるのだろうか(写真:Getty Images)

坂本の後に滑ったエリザベータ・トクタミシェワは、圧巻の演技を見せた。冒頭の3アクセルに続き3ルッツ+3トウループを決めると、一気に波に乗る。圧倒的な高さのあるジャンプを次々と決めながらコケティッシュな魅力を振りまき、最後には楽しげに観客をあおるトクタミシェワは、余裕と自信にあふれていた。フリーで1位になった彼女ですら世界選手権代表に入れないロシア女子の層の厚さを、改めて感じる演技となった。

最終滑走で登場した紀平は、最初の3アクセルで激しく転倒。その後予定していたもう1本の3アクセルは2回転に抑えてコンビネーションにする冷静さを見せたが、後半の大技である3ルッツ+3トウループで再び転んでしまった。ショートで今季世界最高得点を更新し、改めてその高い能力を示した紀平だが、飛躍のシーズンとなった今季は疲れも蓄積していたのだろうか。演技後、紀平は「万全の状態ではなかったので、“とにかくできる限り集中して跳ぶ”と思っていた。一番難しいジャンプのミスでおさえられたので、そこは少し成長したのかな」とコメントした。

「最後は笑顔で終わりたかったんですけど、課題を残してシーズンを終えた。課題に取り組むことができるので、そこはプラス思考で頑張りたいと思います」

数々の失敗から学んだことが、今季の紀平の大ブレイクにつながった。5位に終わったこのフリーの経験も、来季の彼女の新たな強さを作るかもしれない。

日本チームの最終ポイントは104。ロシアを辛くも2ポイント差でかわし、2位を死守した。長いシーズンを戦い抜いた日本の、またその他五カ国の選手達に、大きな拍手を送りたい。

text by 沢田聡子

演技後に「ごめんなさい」と謝る紀平の姿。16歳の少女は著しい進化を遂げて、世界の仲間入りを果たした。来季の更なる進化に期待したい(写真:Getty Images)

コラム一覧に戻る

トピックス

トップへ戻る