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【中国杯】女子レビュー/15歳シェルバコワがGP連勝!宮原は“強み”を生かした滑りで健闘

 2019年11月10日 12:31配信

4回転を着氷したシェルバコワの2連勝で幕を閉じた(写真:Getty Images)

今季シニアデビューしたアンナ・シェルバコワの4回転を軽々と跳ぶ勢いと同時に、まったく違う強みを発揮した宮原知子の健闘が印象に残る中国杯・女子の戦いだった。

規定により4回転を跳べないSPでも、首位に立ったのはシェルバコワだった。GPデビュー戦となったスケートアメリカではステップの途中で転倒し4位と出遅れたが、今回は3ルッツが軽度のエッジエラーと判定されただけで、他にはミスのない演技を見せ73.51を獲得、ただ一人70点代に乗せて好スタートを切る。

宮原のSPは、エジプト調の曲に合わせ、初めてタッグを組んだブノワ・リショーの振付を滑るチャレンジのプログラムだ。二つのジャンプで回転不足をとられてしまったが、大きなミスなく滑りきり、宮原の強みである安定感を発揮、68.91で2位につける。

SPで67.69の評価を得て3位となったアンバー・グレンは、すべての要素でプラスの出来栄え点を得る会心の滑りだった。表現にも情感がこもっており、持てる力をすべて発揮した印象だ。

交通事故というアクシデントを乗り越え最後まで戦ったスケートカナダから2週間経ち、中国杯に臨んだ本田真凜。3フリップで転倒した上、二つのジャンプで回転不足をとられたことも響き、得点は伸びず61.73にとどまり、SPは6位発進となる。

FSでは映画「ラ・ラ・ランド」の曲で滑った本田。彼女の魅力が詰まったプログラムだが、冒頭で2本続けて跳んだ3フリップの着氷が上手くいかず、波に乗れないまま終わった。回転不足と判定されたジャンプが多かったこともあり、得点は106.36と伸びず、総合の順位は7位だった。

高難易度のジャンプをいとも簡単に跳ぶシェルバコワは日本勢にとって脅威だ(写真:Getty Images)

FSで、シェルバコワは現状最高難度のジャンプである4ルッツを2本着氷させた。3回転も含め4本跳んだルッツはすべて軽度のエッジエラーと判定されたものの、男子並みに高い基礎点がものをいい、152.53と高得点を挙げる。SPに続き1位で、GP2連勝を果たした。

SPでは3アクセルでの転倒があり4位と出遅れたエリザヴェータ・トゥクタミシェワは、昨季のプログラムに戻してFSに臨んだ。冒頭の3アクセル2本を加点の付く出来栄えで決めると、滑り込んだ曲で伸び伸びと滑り、終盤では観客にアピールして湧かせる。143.53を獲得したFSだけの順位では2位につけ、追い上げが功を奏して総合でも3位となった。

「シンドラーのリスト」に、ラフマニノフの「鐘」の旋律が織り込まれる宮原のFS(ローリー・ニコル振付)は、彼女にしか滑れない絶品のプログラムだ。4回転や3アクセルなどの大技がなくても、丁寧なスケーティングと細部まで磨き上げた所作、鍛錬がうかがわれる美しいスピン、音楽を反映した深い表情で観客を魅了する。

4回転の嵐が吹き荒れている感のある今季の女子シングルにおいて、地道に自らのスケートを磨く宮原の姿勢が見えるプログラムの価値は、5項目のうち4項目で9点代と高評価を獲得した演技構成点が示している。

序盤の3ルッツ+3トゥループはきれいに決まったものの、後半では回転不足をとられたジャンプが多かったのは今後の課題となるかもしれない。142.27の評価を受けたFSでは3位、総合でも2位になり、GP初戦で好スタートを切った。

次週のロシア杯に臨む宮原は「初めての連戦で体の疲れもあるかもしれないんですけど、いろんなことを乗り越えて、また次自分の演技ができるように頑張りたいです」とコメントした。

text by 沢田聡子

自分の演技に徹することの重要性を見せつけた宮原。本人にとっても実りある大会になったに違いない(写真:Getty Images)

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