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【GPファイナル】見どころ/羽生とチェンの今季初対決に注目!紀平はロシア勢の牙城を崩せるか!?

 2019年12月4日 11:20配信

チェンとの直接対決に注目が集まる羽生。史上初5度目のファイナル頂点狙う(写真:Getty Images)

12月6日から、イタリアのトリノでいよいよ2019年GPファイナルが開催される。会場となるパラベラ競技場は、2006年オリンピックで荒川静香がアジアの選手として初のオリンピック金メダルを手にした日本のスケートファンにとって特別な場所である。今回はGP6大会でトップの成績を修めた各種目6人、あるいは6組が、シーズン前半でもっとも重要なタイトルを巡って競うことになる。

■男子は、羽生とチェンの一騎打ち

本大会中でもっとも注目されるのは、もちろん五輪王者の羽生結弦と、現世界チャンピオンであるネイサン・チェンが、今シーズン初の顔合わせをすることである。

初戦スケートアメリカではチェンが299.09で優勝。そして二戦目のスケートカナダでは羽生が322.59と、チェンが2019年世界選手権で出した歴代最高スコア323.42にせまる高得点を出した。そしてフランス杯ではチェンが297.16で優勝し、周知のように羽生は6戦目のNHK杯で305.05で圧勝した。

今シーズンのスコアを見る限り、GPファイナルは羽生のほうが優勢である。だがチェンのフリープログラムはもっとジャンプの難易度を上げられる構成になっており、彼がどこまで調整をしてきたかが注目される。

羽生は平昌オリンピックのシーズン、NHK杯の公式練習中に右足首の靭帯を傷めて棄権。昨シーズンはロシア杯で同じ箇所を負傷して2年連続でGPファイナルを欠場していた。ここで優勝すれば3年ぶり、5度目のタイトルになる。

もし実現すれば、意外なことに羽生にとって初めてGP大会2試合とファイナルを3連勝したシーズンとなる。

■3位は誰の手に

今シーズンのGP大会では宇野昌磨が不調で、シニアに上がってから初めてGPファイナル進出を逃した。そのためトップ2人の実力が抜き出ていて、3位と大きな点差が出ることが予想される。

男子は今回進出した6人中、ロシアのアレクサンドル・サマリン、ディミトリ・アリエフ、そしてフランスのケヴィン・エイモスの3人が初出場である。この3人と中国のボーヤン・ジンを含めた4人のうち、誰が3位になってもおかしくない。だがジャンプの難易度と安定度を考えると、おそらくもっとも有利なのは4ルッツと4フリップを武器に持っている、サマリンだろう。

心に訴えかける表現力を持つアリエフ、独自の世界観があるエイモス、そして毎年シーズン前半は不調ながら調整をうまくしてくればメダルの実力は十分あるジンと、いずれも見ごたえのある戦いが期待できる。

■女子はロシアの新人3人が進出

コストルナヤらロシアの今シーズンデビュー組が初のファイナルに挑む(写真:Getty Images)

女子は、今シーズンシニアにデビューしたばかりのロシアの3人娘がそれぞれ2連勝し、6大会を総ざらいした。

ジュニア時代から、4回転なども跳ぶことで注目されてきた若手たちだったが、ここまで見事にトップシニアの誰も歯が立たないというのは、ある意味ショッキングなシーズンであった。

だがその3人の中で、2試合のスコアの総合点がもっとも高かったのは、4回転を跳ばない16歳のアリョーナ・コストルナヤだった。優勝したフランス杯とNHK杯では3アクセルをSPに1回、フリーに2回入れて挑んだ。特にNHK杯のSPでは完璧な演技で85.04を出して、紀平梨花が持っていたSPの歴代最高スコアを塗り替えた。スケーティングの質も高く、3人の新人の中では抜き出たオールラウンドプレイヤーである。

15歳のアレクサンドラ・トゥルソワも、ノーミスで滑ったら優勝する可能性は高い。何しろフリーでは4ルッツ、4サルコウ、そして2度の4トウループをプログラムに入れている。これで彼女が3アクセルをマスターすれば、トップ男子と互角に戦えるとすら言われている天才ジャンパーだ。

スケートアメリカと中国杯で優勝したアンナ・シェルバコワは、やはり4ルッツを得意とする15歳だ。

■紀平の表彰台の可能性は十分

この3人のロシアの若手に、紀平梨花は打ち勝つことができるだろうか。

実は紀平はカナダとNHK杯でどちらも2位に終わったものの、スコアはアメリカと中国で優勝したシェルバコワよりも、2試合とも高い。紀平が彼女本来の演技をすれば、表彰台に到達することは十分に可能だ。本番で決して大崩れしない紀平なら、ロシアの表彰台独占を阻むことができるだろうと予想する。

その一方で、苦しい戦いを強いられることが予想されるのは、4人目のロシア女子、平昌オリンピック女王のアリーナ・ザギトワである。すっかりシニアらしい貫禄と演技力を身につけた一方で、ジャンプの高さや難易度ではすでに若手たちの敵ではない。4回転はもちろん、3アクセルも武器に持っていないザギトワが、どのような戦いぶりを見せてくれるのか、彼女の精神力が再び問われる戦いとなる。

またこうした大きい変化が訪れた今季、淡々とマイペースを保って自分のやれることを精一杯見せてきたアメリカのブレイディ・テネルは、今回がファイナル初挑戦となる。新人とベテラン勢が入り混じった、充実した大会となるだろう。

text by 田村 明子

実力通りの演技ができればメダルの可能性は十分にある紀平(写真:Getty Images)

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