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【全日本選手権】男子FSレビュー/宇野が4連覇達成!精彩欠いた羽生はまさかの逆転許す

 2019年12月23日 10:19配信

GPシリーズの不調を払拭する勝利となった宇野(写真:Getty Images)

全日本選手権、男子のフリーは衝撃的な結果となった。

SP2位から逆転して4度目の優勝を果たしたのは、SP大会で不調だった宇野昌磨だった。冒頭の4フリップ、4トウループ、2アクセルと成功させていき、2ループで手をついたがそれが唯一のミスらしいミスだった。フリー184.86、総合290.57で初めて羽生結弦との直接対決で勝利を収めた。絶不調だったフランス杯から2ヶ月弱。どうやってここまで調子を取り戻したのかと聞かれると、宇野は「フランス大会が終わった時点で、あのぼろぼろのフリーを滑っていた時点で自分が背負っていた荷物が降りたというか。それがあったからこそ、今この場所にいられているんだなと思います」と語った。平昌オリンピックで銀メダルを手にしてから、常に強くなくてはいけないというプレッシャーを感じ、スケートに対する喜びを失っていたことを告白。一度どん底に落ちてから、ランビエルコーチと新しい環境でやり直すことで再び練習に楽しさを感じることができるようになったのだという。

衝撃は宇野が優勝したことではなく、羽生の演技がここ数年間で見たことがないほど崩れたことだった。「オリジン」の冒頭の4ループでステップアウト。次の4サルコウはきれいに降りたが、スピンの後のステップシークエンスではスピードが落ちたように見え、続いた2ルッツが2回転になった。次の4トウループでまたステップアウトし、最後の2アクセルは転倒。一体、羽生に何が起きたのだろうか。

体力的にどうだったのか、と聞かれて「言いたくないです。で、いいですか。ごめんなさい」と答えたのは、明らかにまだ気持ちが高ぶっていたためだろう。「全部言い訳くさく聞こえるから、ホント嫌です。なんもしゃべりたくないのが本音です」そう言いながらも、徐々に気持ちがほぐれて自己分析をしていった。「調整がうまくいかなかったです。ずっとなんか、自分の体がどんどん、日に日に劣化していく感じはあって。SPの前からもうずっと変だなとは思っていたので。それでもやっぱり、僕は恵まれているので、本当にいろんな方に支えてもらって体の状態も今できる最高の状態にしてもらったうえで、これなんで。正直いって、まあ、僕の実力と技術が足りなかったっていう感じですかね。でも、それでも死力は尽くしたと思っています」フリーは172.05で2位。総合282.77で2位に。明らかに衝撃を受けていた中でも、後輩の宇野を祝福する言葉は忘れなかった。

万全のコンディションからは程遠かった羽生。優勝した宇野には賛辞の言葉を送った(写真:Getty Images)

2位は、SP7位だった鍵山優真だった。冒頭の4+2トウループから演技を開始し、2ループ、4トウループ、そして2度の2アクセルを含むジャンプを全てほぼノーミスで決めた。フリーは180.58で、宇野に次いで2位。総合257.99で初のシニア全日本メダルを手にした。

SP2位だった佐藤駿は、冒頭の4ルッツの転倒が響いて総合246.50で5位に。フリーで4サルコウと4トウループ、2度の2アクセルを成功させた田中刑事が252.44で4位。

またこの大会をシングル最後の競技とした高橋大輔は、大勢のファンの歓声に包まれて演技を開始。最初の2フリップはきれいに降りたが、その後ステップアウト、また最後の2フリップで転倒など、いくつかジャンプミスが出た。だが観客はスタンディングオベーションでかつてのエースの最後の舞台を見送った。総合204.21で12位。年明けから高橋は、村元哉中と組んでアイスダンサーとして再スタートを切る。多くのドラマがあった、第88回全日本選手権となった。

text by 田村 明子

シングル最後の演技を終えた高橋には惜しみない拍手が送られた(写真:Getty Images)

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