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【スケートアメリカ】女子レビュー/GP初戦、スケートアメリカ女子はマライア・ベルが初優勝!

 2020年10月25日 13:45配信

昨年度の全米選手権2位だったマライア・ベルが初優勝を果たした(中央)。2位にアメリカのテネル(右)、3位はシン (左)という結果に(写真:Getty Images)

現地時間10月23日、ネバダ州ラスベガスでGP大会第一戦目、スケートアメリカが開幕した。スケートカナダがオンタリオ州の感染拡大で中止となった中、今季唯一の北米で開催されるGP大会となった。どの選手もパンデミックの影響で4か月近くの氷上トレーニングの時間を失ったというが、そんな影響も感じさせない内容の濃い大会となった。

女子は昨年度の全米選手権2位だった、マライア・ベルが総合212.73を獲得し、2位のブレイディ・テネルを抑えて初優勝を果たした。

持ってきたSP用の衣装がどうしても体に馴染まずに、フリー用の衣装で2度滑ることにしたというマライア・ベル。SPでは「Glitter in the Air」のメロディにのって、2アクセルから演技を開始した。3フリップ+3トウループ、3ルッツそして一つ一つのスピンのポジションも教本のように美しく、丁寧で流れにのった完璧な演技を見せた。

フリーはシェイリーン・ボーン振付ABBAのメドレーだった。後半の3ルッツで転倒があり、フリー4位。とはいうものの、フリー1位だったテネルとの点差はわずか1.23という接戦だった。結局SPの点差で逃げ切り、トップを保った。

「この興味深い社会状況の中で、多くの人たちの努力のおかげで安全な環境で大会ができました」と、まず大会に出場できたことの感謝を口にしたベル。フリーの後は、「少しミスもあって、動きがちょっとかたかったけれど、プログラムを披露することができて良かったです」と笑顔を見せた。

惜しくも2位になったブレイディ・テネル(写真:Getty Images)

211.07で2位に入ったブレイディ・テネルは、「Moderation」のSPでコンビネーションジャンプの着氷が少し乱れたが堪えて、73.29でスタートした。

フリーでは、後半の3ルッツ+3トウループが回転不足になるなど細かいジャンプミスもあったが、全体をまとめてフリー1位、総合2位となった。振付は、二つともフランス人のブノワ・リシューに依頼し、オンライン上での作業だったという。

「今日の滑りはとても良かった。初めて試合で見せることができて、良かったと思います。これからもっと磨いていきます」と会見で述べた。

3位になったのはシニアGPデビュー戦だったオードリー・シン(写真:Getty Images)

 サプライズで3位に入ったのは、シニアGPデビュー戦だったオードリー・シンだった。2020年冬季ユースオリンピックでジュニア部門7位になったシンは、16才の期待の新人である。SP「The Giving」では3ルッツ+3トウループ、2アクセル、3ループを完璧にきめて69.77でスタート。フリー「モジリアニ」では、3サルコウが回転不足になるなど小さなミスがあった。それでもシニアデビューとは思えない伸び伸びとした演技を見せて、総合206.15で初のシニアメダルを手にした。

「この大会に出場させてもらうことができて、光栄でした。少し緊張したけれど、全部着氷することができて良かったです」と喜びを表現した。

4位はカレン・チャンだった。フリーではバイオリン協奏曲「Butterfly lovers」のプログラムで、高い3ルッツなどを見せて、流れのある演技を滑り切った。全女子の中で最も高い5コンポーネンツを得て、フリーは2位。総合では204.90で惜しいところで表彰台を逃した。

5位は、アンバー・グレン。またアメリカで生まれ育っただが、中国代表として出場したシャン・リンが6位と健闘した。

注目されていたグレイシー・ゴールドは、練習では高い3ルッツなども見せていたものの、本番では苦戦した。SPでは冒頭のルッツも、最後のコンビネーションを予定していたフリップも2回転になり、46.36という厳しいスタートに。会場の席に置かれたカードボードの人型も、会場に流れた拍手の録音も、雰囲気を出そうという主催側の心遣いだったが、ゴールドにとっては逆に違和感があって馴染めなかったという。演技についての感想を聞かれると、「今日の演技の自己評価は、星の数ゼロです」と悔しそうにコメントした。

フリーでは冒頭で3ルッツ+2トウループをきめたが、次のルッツが2回転に。フリップとアクセルは1回転になり、それでも後半で逃げずに挑戦した3フリップと2アクセルで転倒という、見ていて痛々しい演技だった。フリー81.46、総合127.82で12人中12位に終わった。

スケートの喜びをどのようなところで見出しているのか、と質問されると「ジャンプが一つしか成功できなかったときは、喜びを見出すことは難しいです」と答えた。摂食障害と鬱病から回復したばかりのゴールドだが、「またコーチたちと、最初から計画を練り直します」と言葉を結んだ。

次のGP大会は2週間後、11月6日から開始する中国杯になる。

text by 田村 明子

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