コラム
【中国杯】男子FSレビュー/ボーヤン・ジンが大会連覇達成!ハン・ヤンも充実の演技で2位
国内スケーターによって競われた今季の中国杯を制したのは、中国のエース、ボーヤン・ジンだった。
ジンは首位発進したSPに続き、FSでも現時点で最高難度のジャンプである4ルッツを見事に決めてみせた。FS冒頭で繰り出した高さのある4ルッツはほれぼれするような出来栄えで、加点4.60という高評価を得る。続いて4トウループ+2トウループ、3アクセル+オイラー+3サルコウと立て続けに大技を決めていく。3本目の4回転となる4トウループの着氷時に手を着き、3ルッツ+3トウループのセカンドジャンプで転倒するなどミスはあったものの、プログラムを通して世界屈指のジャンプ能力の高さを発揮した。
ローリー・ニコルは、ジンが“ジャンパー”と言われていた頃から振り付けを担当し、表現面での成長に合わせたプログラムを提供してきた。今季のFSで使う楽曲はアメリカ民謡にルーツを持つ『House of the Rising Sun 』で、ワイルドな曲にジンの勢いある滑りがマッチしている。最後に配した、氷上に仰向けでひざまずきスライディングしていく動きなど、新しいジンの魅力を見せようというニコルの意図が感じられるプログラムになっている。時折組み込まれる印象的な動きがアクセントとして効いており、シーズンを通して仕上がっていくのが楽しみだ。FS186.95、合計290.89というスコアで連覇を果たした。
銀メダルを獲得したのは、昨季に続きハン・ヤンだった。昨季から継続して滑るFS『ラ・ラ・ランド』(佐藤有香振り付け)はポケットに手を入れる仕草が印象的で、キャリアの長いヤンだからこそ出せる味わいがある。最初のジャンプは高く幅のある3アクセル+3トウループで、4トウループを予定していた2つ目のジャンプは3ルッツに変更し、手堅く演技をスタートする。すべてのジャンプに大きさがあり、何よりよく伸びるスケーティングが堪能できるプログラムだった。2つの3フリップが軽度のエッジエラーと判定されたが、破綻のない演技を完遂する。非公認ではあるものの、FS172.25・合計264.81ともパーソナルベストを上回るスコアで、改めて存在感を示す結果となった。今大会では回避したものの、本人は今後の4回転の投入に意欲をみせている。
SPで3位につけた16歳の昨季中国ジュニアチャンピオン、ユードン・チェンが初出場のGPシリーズで3位となり、表彰台に上がった。映画『ミックマック』の曲を使い、サスペンダー付きの衣装で時にはコミカルに動き、楽しく魅せていく。冒頭で3アクセルを決め、3ルッツ+3トウループのセカンドジャンプで回転不足をとられ、2アクセルで着氷が乱れたものの、大きなミスなく演技をまとめた。得点はFS150.47、合計226.21で、銅メダルを獲得している。
2季連続で、中国杯・男子シングルは中国の新旧エースがワンツーフィニッシュを果たした。来季の北京五輪でも、地元中国のスケーターが大会を盛り上げてくれることを期待したい。
text by 沢田 聡子
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