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【全日本選手権】女子FSレビュー/紀平が4回転を決め連覇!坂本は去年のリベンジを果たし2位

 2020年12月28日 16:09配信

2020年全日本選手権・女子シングルは、ディフェンディングチャンピオン・紀平梨花が4回転を決め、堂々の連覇を果たした。

SPで首位に立ち、最終滑走者としてFSに臨んだ紀平のプログラムは、現在師事するステファン・ランビエールコーチが振り付けた『Baby, God Bless You』。美しいピアノの旋律に合わせて滑るが、技術的には4サルコウと3アクセルを組み込む超高難度の挑戦的な構成だ。冒頭、4サルコウに挑んだ紀平は鋭い回転で見事に回り切り、初めての成功となった。続く3アクセルは回転不足と判定されたものの、着氷。大技二つを組み込み、以降のジャンプも、3ルッツを痛みがあることから2アクセルに変更した以外は予定通りにきっちりと滑り切る。

「4回転と(3)アクセルを、一応どちらも試合で決められたのは、すごく自分の中で大きなものかなと思います」(紀平)

紀平はFSでも1位となり、完全優勝を遂げた。

昨季の全日本では不本意な演技でメダルを逃した平昌五輪代表の坂本花織・宮原知子が、本来の実力を発揮して表彰台に戻ってきた。

SPに続きFSでも2位となり、総合でも銀メダルを獲得したのは、坂本花織だった。昨年の全日本ではミスが出た『マトリックス』だが、2.20の加点を得た3フリップ+3トウループなどのジャンプを次々と決めていき、大きなミスなく滑り切る。持ち前の伸びのあるスケーティングで疾走感を醸し出すプログラムを終え、坂本は大きなガッツポーズを繰り出した。

「何個か危なかった部分はあったんですけど、この全日本で去年のリベンジができたので、それが今一番うれしいです」

「SP終わってから先生に『勝ちにいっちゃだめ』って言われて。やっぱり勝ちにいこうとすると、変に力が入ったりとか、本来の演技ができなかったりするので、『いつも通り肩の力を抜いて、自分の演技に集中しなさい』と。それから一日空いたんですけど、しっかり切り替えて、『自分の本来やるべき演技をやろう』という気持ちで臨めたのが、すごくよかったかなと思います」(坂本)

宮原知子の新FS『トスカ』は、ローリー・ニコル振付による重厚かつ壮大なプログラムで、北京五輪シーズンとなる来季も継続するつもりでいるという。年々表現力に磨きをかけている宮原の魅力が堪能できるFSといえるだろう。ジャンプの回転不足が宮原の課題だが、このFSでは軽度の回転不足と4分の1の回転不足が各一つずつのジャンプについただけで、最小限に抑えた。

「失敗はあったのですが、やれることは思い切ってできたと思う。いろいろな細かいミスや失敗はたくさんあって、課題もありますし、やることはたくさんあるのですが、今回のこの経験は本当にすごくいい材料になりました」(宮原)

名作の予感が漂うFSを演じて存在感を示した宮原は、SP6位から総合3位に順位を上げた。

表彰台に乗った3人が、そのまま世界選手権(3月・スウェーデン)の代表に選ばれた。3人ともコロナ禍によりそれぞれに難しさを抱えるシーズンだが、日本女子の伝統でもある、大一番で力を出し切る強さを見せてくれた。

text by 沢田聡子

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