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【スケートアメリカ】男子SPレビュー/ジョー1位、宇野が2位、ネイサン・チェンは予想外の4位スタートに

 2021年10月23日 16:52配信

まさかのミスが続いたチェン、SP4位と出遅れた(写真:Getty Images)

10月22日、米国ネバダ州ラスベガスでスケートアメリカが開幕した。初日はペアと男子のショートプログラム(SP)が行われた。

この日の男子の最大のサプライズは、圧倒的な優勝候補と見られていたネイサン・チェンが、冒頭の4ルッツで転倒、最後にコンビネーションを予定していた4フリップでステップアウトという2つの大きなジャンプミスをして、82.89でSP4位になったことだった。

「何が起きたのか、まだ気持ちの整理がついていない。ぼくも人間なので、ミスもします」

演技後、ミックスゾーンに現れたマスク姿のネイサンは、いつもの早口でそう言った。彼がトップ3を逃したのは、2018年平昌オリンピックのSP以来のことだ。

1番手で演技に臨んだジョーは良い演技ができたと語る(写真:Getty Images)

トップに立ったのは、もうすぐ21歳になるヴィンセント・ジョーだった。4ルッツ+3トウループ、4サルコウ(回転不足)、3アクセルを成功させて97.43を獲得した。

「ぼくが(会見場の)中央に座るなんて、誰が予想していたでしょう。この自信を、明日の演技に使いたいと思います。今日は良い演技ができた。トレーニングしてきたことが出せたけれど、もっと良い滑りができると思います」

SP後の会見で、ジョーはそう語った。

宇野は冒頭にミスが出るも持ち直し、89.07で2位発進!(写真:Getty Images)

宇野昌磨(23歳)は、冒頭に予定していた4フリップが2回転になってしまったが、持ち直してきれいな4+3トウループを着氷。3アクセルも成功させて、全てのスピン、ステップでレベル4を獲得。89.07で2位スタートになった。

「4回転フリップを失敗してしまったんですけど、この失敗は日本に帰ってから今後どう対策をするかというのを課題に、練習に取り組みたい。4+3トウループのコンビネーションを数年、3年ぶりに着氷できたしその後のアクセルも成功した。今までやってきた練習が間違いではなかったけれど、まだまだ自分の力を100%発揮できなかったのが、今後の課題です」

演技後の会見で、宇野はそう語った。

3位になったのは、アメリカのジミー・マーだった。26歳のベテラン選手だが、まだGP大会のメダルを手にしたことはない。スケートアメリカ出場は今回が3度目だ。4+3トウループ、3ルッツ、3アクセルを成功させて84.52を獲得した。

「ここでは、後悔の残らない演技をしたいと思ってきました。明日まだ大きな仕事が残っているけれど、この経験を生かしていきたいです」

海外のシニアGP大会初出場だった17歳の佐藤駿は、前日の公式練習中にステップの部分で転倒し、現地でレントゲン検査を受けて左肩の肩鎖関節の亜脱臼という診断を受けた。「何が起きたのか、よく記憶していないのですが、手をついたときに急になんか力が抜けてしまった」とSP後に説明した佐藤。かつて経験したことのない負傷だという。

本番当日の朝の公式練習では、ジャンプもほとんど跳ばないまま早い目に氷を後にした。もしかすると欠場するのかと懸念されたが、本番は肩をテーピングで固定して事前に痛み止めを飲んで挑んだ。

冒頭の4+3トウループを降り、次の4ルッツもきれいに成功させた。だが最後の3アクセルで転倒し、80.52で5位スタート。演技後、ミックスゾーンに来た佐藤は、棄権は考えなかったのかと聞かれてこう答えた。

「今日の朝の公式練習の状況見て、一時は出ないことにしようかと考えたこともあったんですけど、ここまでたくさん練習を頑張ってきた。ここでやめるわけにはいかないので、最後までやろうと思って頑張りました」

声は小さめだが、強い意志を感じさせる言葉だった。

「あれだけ練習も調子悪かった中で、本番では4回転も決められた。しっくりくる演技ではなかったと思うんですけど、良い経験になったなと思います」とマスクから出ている目が、ほっとしたように輝いた。

フリーは、現地時間10月23日20時10分から開始される。

text by 田村 明子

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