コラム
【全日本選手権】男子FSレビュー/羽生結弦が3大会連続の五輪出場決定!宇野は開幕を目前にアクシデントも2位、鍵山は3位で初の五輪出場へ
12月26日、全日本選手権男子フリー。北京五輪代表を目指す選手たちの滑りもさることながら、ひときわ大きな注目を集めていたのは、羽生結弦の4回転アクセル挑戦だった。
平昌大会でオリンピック連覇を果たしたあと、いまだかつて誰も成功したことのない大技を跳ぶことは羽生にとって最大のモチベーションとなってきた。
今大会では、23日の公式練習から何度も4回転アクセルに挑む姿を見せてきた。迎えたこの日、ショートプログラム(SP)1位となり最終滑走として出場した羽生が演じるのは昨シーズンに続き『天と地と』。
その最初のジャンプで4回転アクセルに挑んだ――両足での着氷で回転不足となり成功とはならなかった。だが果敢なチャレンジに拍手がおくられた。何よりも、成功の希望と可能性をほのかに漂わせていた。
4回転アクセルこそ成功しなかったものの、その後に見せたのは、昨シーズン以上に磨かれ、研ぎ澄まされたプログラムの世界だった。
「とにかく(4回転)アクセルってほんとうに難しいですけど、全部がちゃんと、『天と地と』というプログラムとしてリスペクトを持った上でできたのでよかったです」
滑り終えた羽生自身が語った言葉の通りだった。
ミスとなったのは4回転アクセルの失敗のみ。演技構成点の5項目でも、すべてが9点台後半という高い評価。得点は211・05点、SPとの合計は322・36点のハイスコア。他を圧倒しての優勝とともに、3大会連続のオリンピックとなる北京大会代表の切符を手におさめた。
SPの順位のまま、2位となった宇野昌磨と3位の鍵山優真もまた、見応えのある4分間を見せた。
宇野は今シーズン、4回転ジャンプ5本を組み入れた構成に取り組んできた。今大会もそれはかわりなかった。4回転トウループでの転倒はあったものの、その他はすべてのジャンプを成功させる。
結果、SPとの合計は295・82点を得た。
開幕を目前にして右足首を痛めていた宇野は、「頑張ったと思います」と語った上で、こう続けた。
「思っていたよりジャンプの状態が戻り切らなかったので、失敗したら流れるように失敗しそうだと思っていましたが、1週間前までの練習があったからこそだと思います」
そして4回転ジャンプ5本の構成についても触れた。
「僕の構成は挑戦なんかではなく僕にとってのベースです」
挑戦するものではなく、5本行なうのは基本だという認識は、自身への手ごたえでもある。
その宇野をフリーでは上回り、総合では惜しくも3位となった鍵山は、キスアンドクライで涙が止まらなかった。
「満点ではないですが、自分の中で全力を出し切ったという演技をすることができました」
昨シーズンの世界選手権で2位となり、今シーズンのグランプリシリーズも2大会ともに優勝。周囲からは五輪代表は堅いと見られていたが、やはり重圧は大きかっただろう。その中にあって、トリプルアクセルで小さなミスはあったものの、全体として安定感ある演技を見せ、それぞれの要素で高いGOE(できばえ点)の加点を得られる強みを発揮した。それは鍵山のたしかな成長を物語っていた。
大会が終わり、北京五輪代表には羽生、宇野、鍵山が選ばれた。
長期欠場から心配の声も上がっていた中、それを払拭するようにさらなる進化を見せ、そして思い描いている大きな夢に挑戦する姿を見せた羽生、怪我を抱えつつも地力の向上をはっきりと示した宇野、精度の高い演技を見せる鍵山。世界のトップを争う力を持つ3人が、4年に一度の大舞台に臨む。
text by 松原孝臣
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
関連記事
トピックス
-
プロ野球
18:00~ ヤクルト vs 日本ハム、阪神 vs 楽天 ほか
-
プロ野球(2軍)
12:30~ ファーム戦 阪神 vs 広島 ほか
-
MLB
7:40~ カブス(鈴木)戦 ほか
-
テニス
19:00~ 全仏OP 1回戦 土居 vs コルネ ほか
-
高校野球
花巻東・佐々木麟太郎 清原氏超えの通算67発
-
プロ野球
交流戦がきょう開幕!各球団の注目選手をチェック
-
MLB
大谷の今季成績をチェック!
-
ゴルフ
星野陸也らが最終予選で全米オープン出場権獲得
-
日本代表
U-21日本代表メンバー発表 松木玖生ら招集
-
競馬
激戦必至の日本ダービー!戴冠のカギを握るのは
-
テニス
大坂など全仏オープンのハイライト動画はこちら!
-
ウインタースポーツ
ロコ・ソラーレが開幕3連勝/カーリング全日本選手権
-
テニス
大坂なおみ ウィンブルドン欠場を示唆