コラム
【四大陸選手権2022】女子SPレビュー/三原舞依がトップ、韓国勢が2位、3位、4位に
1月20日、四大陸選手権の女子SPでは三原舞依がトップに立ち、韓国のイ・ヘインが2位、同じく韓国のキム・イェリムが3位、ユ・ヨンが4位というスタートになった。
三原は「ラ・ミゼラブル」のメロディにのって、2アクセル、3ルッツ+3トウループ、3フリップを成功させ、最後まで伸びやかに滑り切って72・62を得てトップに立った。ゆったりと余裕を持って滑っているように見えたが、実はかなり緊張していたのだという。
「すごく緊張して、6分間練習のときはちょっとフワフワした感じで、でも自分を強く持ってと言い聞かせて滑ることができたんですけど、最後まで気が抜けなくて…皆さんの拍手の音が聞こえてから滑り終わったんだと実感したくらい、ずっと緊張していました」
演技後、ほっとしたようにこう語った三原。過去には3度メダルを手にしたこの大会に、どのような目標を抱いてきたのか。
「まず全日本の悔しさというのを糧にして、SPフリーを完璧にやるということが一番の目標。そして日本の代表として選ばれたからには、表彰台の一番高いところを目指したいと思ってきました。練習の時からどんなことがあってもやり切るという思いでやってきました」
長い間トップレベルで滑り続けてきたその秘密は何ですかと海外に記者に聞かれると、
「自分の中では、毎年毎年新しい気持ちで、いつもワクワクした気持ちで楽しく滑れている。スケートが大好きなので、どんな大会であってもお客様の前で滑れる嬉しさというのが私の中にずっとあるので、それが続けられている秘訣かなと思います」と答えた。
韓国のイ・ヘインは、シューベルトの「アヴェマリア」のメロディにのって3ルッツ+3トウループ、3フリップ、2アクセルをミスなくきめて、69.97を獲得。「良い演技ができたと思うので、嬉しいです。韓国のオリンピック代表たちとここに来られて嬉しい」と語った。
キム・イェリムは3ルッツ+3トウループのルッツに不正エッジ注意マークがついたが、残りの3フリップ、2アクセルはきれいにきめて68.93を手にした。「良いところもあったけれど、残念な部分もありました。オリンピックまで2週間、ステップやスピンなどを強化していきたい」と抱負を口にした。いずれも技術、表現力とも申し分なく、韓国女子の全体のレベルが上がってきていることを改めて実感させられた。
ヨン・ユーは冒頭の3アクセルで体が開いてしまい、2回転半になったが、持ち直して3ルッツ+3トウループ、そして3フリップと残りはノーミスで滑り切った。67.86で4位スタートに。「3アクセルの失敗にがっかりしています。練習ではうまくいっていたのに、多分緊張したためでしょう。フリーでは絶対に降りたい。オリンピックの前に特に3アクセルを調整したいと思ってここに来ました」とコメントした。
日本の松生理乃は、冒頭の3フリップでいきなり転倒という厳しいスタートをきったが、持ち直して2アクセルを跳び、最後の3ルッツ+3トウループは最後のジャンプがステップアウトになった。60.16で8位スタート。「一本目は自分の中ではすごく自信を持って跳ぶぞと思って跳んだつもりだったんですけど、ジャンプの上りが悪かった。自信がないところが出てしまったんだと思います。全体的に悔しいという気持ちしかないような演技だったと思います」
と、フリーでの挽回を誓った。
横井ゆは菜はコンビネーションが2フリップ+3トウループになり、最後の3ルッツで53.93で12位という厳しいスタートになった。「正直ボロボロだったんですけど、ここにきてまで何やってるんだろう、という気持ちにはなりませんでした。ここに来たことを楽しんでできたので、終わった後もみじめさとかは抱かずに…とにかく応援してくれる人に全力で滑ったことを伝えられたらと思って滑ったので、それは達成できたと思います」そう感想を述べながらも、ポロポロと涙をこぼした。女子フリーは現地時間1月22日に行われる。
text by 田村明子
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