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【四大陸選手権2022】アイスダンスFDレビュー／村元哉中＆高橋大輔が銀メダル！日本のアイスダンスに新たな歴史

2022年1月23日 11:45配信

銀メダルを獲得してアイスダンス界に新たな歴史を刻んだ村元＆高橋組（写真：Getty Images）

1月21日、エストニアのタリンで四大陸選手権アイスダンスフリーでは、アイスダンス界に新たな歴史が刻まれた。村元哉中＆高橋大輔が銀メダルを獲得して、日本のアイスダンスチームとして過去最高の結果を出したのだ。1位はリズムダンスから1位だったカロリナ・グリーン＆マイケル・パーソンズ、3位はやはりリズムダンスでも3位だったクリスティナ・キャレイラ＆アンソニー・ポノマレンコが入った。北京オリンピックを控えて多くのトップチームがここには出場していないとはいえ、アイスダンスを始めてから10年という組も珍しくない中で、村元＆高橋がわずか2年でこれほどの結果を出したことはこのスポーツの奇跡といえる。

前日のリズムダンスでは、冒頭のミスを乗り越えて残りをクリーンに滑り切った村元哉中＆高橋大輔。フリーはコーチのマリナ・ズエヴァの振付バレエ音楽「ラ・バヤデール」で挑んだ。昨シーズンからの継続だが、今季は衣装も振付もより一層バレエらしさを強調してアップグレード。フロリダのトレーニングリンクでは、週に2日のバレエレッスンも受けているだけあり、二人の動きの美しさが際立つプログラムだ。リズムダンスのヒップホップと好対照をなしている。

二人は落ち着いた表情で、スタート位置についた。元々、神殿の舞姫と武将の悲恋だが、この作品では幸せに踊っている部分を表現しているという。美しいポジションのダンススピンから演技を開始した。トゥイズルの部分で、高橋が若干体重が後ろに傾いてひやりとしたものの、持ち直して演技を続けていった。

ロテーショナルリフト、ステーショナルリフトではいずれもレベル4をしっかり獲得。後半のアップテンポの部分では盛り上げていって、最後のポーズもきれいにきまった。109.48、総合181.91は、シーズンベストのワルシャワ杯のスコアには及ばなかったものの、初戦のNHK杯よりも2.41高い。あと残っているのはグリーン＆パーソンズ一組で、この時点でメダルは確定した。

高橋は、来季の予定は現在未定ながらももっと滑りたいという気持ちが高まっていることを告白（写真：Getty Images）

「大きなミスはしていないんですけど、ちょっとしたところでタイミングが合わなかったり、ちょっとバラバラしたところもあったので、気持ち的に100％出せたかと言うと出せなかったところもあった。でも全日本から四大陸まで時間もない中で、うまくまとめられたんじゃないかなと思います」

演技後高橋は、そう感想を述べた。来季も競技を続けていく予定なのか。会見でそう聞かれると、高橋は現在未定ながらも少しずつもっと滑りたいという気持ちが高まっていることを告白。

「世界選手権が終わってからゆっくり考えたいと思いますけど、ただアイスダンサーとしてパフォーマンスするのは楽しくて、本当に素敵な時間だなと思っています」そう締めくくった。

グリーン＆パーソンズ組はフリー119.97、総合200.59で初優勝を果たした（写真：Getty Images）

初優勝をきめたアメリカのカロリナ・グリーン＆マイケル・パーソンズは、自分たちで振付をしたというコンテンポラリースタイルの素晴らしいフリーを滑った。スケーティングのエッジワーク、体のライン、フリーレッグのポジションなど細かいところまで申し分なく、どのエレメンツにもほとんど3から4の加点がついて、フリー119.97、総合200.59で初優勝を果たした。まだ18歳と26歳というこの二人、いずれ本格的に彼らが世界のトップに駆け上がる日が必ず来るだろう。「オリンピックの選考に漏れたことでちょっとがっかりしていたので、ここでタイトルを手にしたことは次に向けての良い自信になります」とパーソンズは会見でコメントした。

3位のクリスティナ・キャレイラ＆アンソニー・ポノマレンコは、「ウィッキド・ゲーム」のフリーで106.32、総合175.67を手にして3位を保った。

「今シーズンはハードでした。コーチを変えて、スケーティングのスタイルを変えたので、調整するのに時間がかかりました」とキャレイラ。二人はちょうど1年前の2021年1月、7年間師事したイゴーリ・シェピルバンドの元を離れて、元五輪チャンピオン、カナダのスコット・モイアに師事を始めた。今回はモイアに移籍してから、初めてのメダル獲得となった。

4位はカナダのキャロラーヌ・ソシース＆シェーン・フェリス、5位はアメリカのエミリー・ブラッティ＆イアン・サマーヴィルだった。

text by 田村明子

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