コラム
【四大陸選手権2022】男子FSレビュー/友野2位、三浦3位で日本勢は健闘
チェ・ジュンファンが韓国男子初タイトル、友野2位、三浦3位に
エストニア、タリンで開催されていた2022年四大陸選手権。最終日の男子フリーでは、日本勢3人ともが最終グループで競う素晴らしい締めくくりとなった。優勝は、SPからトップを保った韓国のチェ・ジュンファン。友野一希が2位、三浦佳生3位でSPからの順位は変わらず。SP5位だった三宅星南が、総合4位に上がって、結局日本男子は2位3位4位と健闘した。
最終滑走だったチャ・ジュンファンは、シェイリーン・ボーン振付「トゥーランドット」のプログラムで、冒頭の4トウループで転倒。だがすぐに持ち直して次の4サルコウを成功させた。そこから3ルッツ+3ループ、2度の3アクセル、3ルッツ+1オイラー+3サルコウ、3フリップを降りて、長い四肢を使ったオーラのある貫録の滑りを見せた。一つ目の3アクセルは回転不足だったがフリー174.26、総合273.22で初優勝をきめた。韓国の男子がISUチャンピオンシップのタイトルを手にしたのは、これが史上初のことだ。
「ここでの結果は、オリンピックへの良いステップになりました」と嬉しそうにコメントした。
友野一希は、ミーシャ・ジー振付「ラ・ラ・ランド」のフリーで4+2トウループから演技を開始。次の4サルコウはきれいにきめたが、続いた4トウループで転倒した。だがそこから3ループ、ステップシークエンス、スピンをへて後半の3アクセル+1オイラー+3サルコウ、二度目の3アクセルもきめ、残りをミスなく滑り切った。フリー171.89、総合268.99で2位。転倒からのリカバリーはどうしてやったのかと聞かれると、「もう気持ちだけで、乗り切りました」と苦笑い。初のISUチャンピオンシップメダルを手にした。
三浦佳生は、前日の公式練習中に脚に肉離れを起こして痛み止めを飲んで挑戦した。岩本英嗣振付「ポエタ」などフラメンコのプログラムの冒頭で3アクセル、続いて4サルコウ+2トウループを着氷。4サルコウの着氷が乱れると、次のスピンでは苦痛で顔をゆがめているのが見て取れた。それでも3アクセル+2トウループ、後半の4トウループも無事に着氷。当初の予定よりも4回転を1つ少なくしたものの、フリー162.70、総合251.07で初のシニア国際メダルを手にした。
「このフリーの前日に脚の肉離れがあったんですけど、それで不安があって、その中でも本番集中して4回転3本決めれましたし、存在感は見せれたのかなと思います」と会見でコメントした。
三宅星南は、宮本賢二振付「白鳥の湖」のフリーで4サルコウ+2トウループから演技を開始。続いた4サルコウも無事に降り、3アクセル+1オイラー+3サルコウと快調に演技を進めていった。体を大きく使ってコレオシークエンス、3ルッツ+2トウループ、3フリップ、そして3ループとジャンプは大きなミスなく成功させた。ハイライトのステップシークエンスではやや失速してレベル2に留まり、スピンの回転にも切れが欠けていたが、もう少し体力をつけて完成させたらゴージャスなプログラムになるだろう。フリー160.35、総合240.02でSP5位から総合4位へと一つ順位を上げた。
「一番つらかった最後のステップの部分、スピンの部分は本当に自信があったのでちょっと崩れてしまったのは悔しいんですけど、それ以外の部分、ジャンプはしっかりきめれたのでそこは良かったかなと思います」演技後、三宅はそう演技を振り返った。
カザフスタンのミハイル・シャイドロフが2度の4トウループと2度の3アクセルをきれいに降りてフリー5位。SP8位から総合5位に上がった。17歳の彼はロシアのソチを拠点に、1994年オリンピックチャンピオン、アレクセイ・ウルマノフに師事している。
オーストラリアのブレンダン・ケリーが6位、日系アメリカ人の樋渡知樹は8位だった。
text by 田村明子
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