ジャンプ
トゥループ

反時計(左)回りの場合、右足で後ろ向きに入り、左足のつま先(トゥ)を突いて右足で踏み切る。ジャンプは全て右足で降りるため、着氷後直ちにジャンプ出来るトゥループはコンビネーションのセカンドジャンプで多用される。6種類の内、点数は一番低い。
得点:
3トゥループ 基礎点4.2 満点6.3
4トゥループ 基礎点9.5 満点14.25
サルコウ

反時計(左)回りの場合、左足で後ろ向きに入り、右足を振り上げて左足で踏み切る。近年はコンビネーションに組み込まれ、3回転+1オイラー+3サルコウの3連続ジャンプとしてよく見られるようになった。6種類の内、点数は一番低いトゥループと同程度に設定されている。
得点:
3サルコウ 基礎点4.3 満点6.45
4サルコウ 基礎点9.7 満点14.55
ループ

反時計(左)回りの場合、右足で後ろ向きに入り、そのまま右足で踏み切る。ループもトゥループ同様に着氷後直ちにジャンプ出来るが、ループは降りた右足だけで踏み切るため、コンビネーションのセカンドジャンプでタイミングを合わせるのは難しい。3回転+3ループは回転不足のリスクがあり、希少な技となっている。6種類の内、点数は一番低いトゥループとサルコウより一段階上に設定されている。2018-19シーズンより、3連続コンビネーションのセカンドジャンプで使われる1ループの正規表記及び名称が「オイラー」となった。
得点:
3ループ 基礎点4.9 満点7.35
4ループ 基礎点10.5 満点15.75
フリップ

反時計(左)回りの場合、左足で後ろ向きに入り、右足のつま先(トゥ)を突き、左足のエッジ(刃)は「インサイド(親指側)」で踏み切る。明確にインサイドでなければ「エッジエラー」の減点を受ける。6種類の内、点数は中程度に設定されている。
得点:
3フリップ 基礎点5.3 満点7.95
4フリップ 基礎点11.0 満点16.5
ルッツ

反時計(左)回りの場合、左足で後ろ向きに入り、右足のつま先(トゥ)を突き、左足のエッジ(刃)は「アウトサイド(小指側)」で踏み切る。明確にアウトサイドでなければ「エッジエラー」の減点を受ける。6種類の内唯一、助走の流れとは逆方向にジャンプしなければならず、左足アウトサイドエッジで踏み切ることも難しく、最高難度のアクセルに次ぐ点数となる。
得点:
3ルッツ 基礎点5.9 満点8.85
4ルッツ 基礎点11.5 満点17.25
アクセル

反時計(左)回りの場合、左足で前向きに踏み切る最高難度のジャンプ。唯一前向きに踏み切り、他のジャンプより半回転多いことから、ISU史上、女子の3アクセルと男子の4アクセル成功者は数少ない。
得点:
2アクセル 基礎点3.3 満点4.95
3アクセル 基礎点8.0 満点12.0
規定ジャンプ
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- 【男子SP】
- 2回転または3回転アクセル、3回転または4回転ソロ、2回転と3回転・3回転と3回転・4回転と2回転または3回転のコンビネーション(3アクセルは1回まで、コンビネーションではソロのジャンプを重複しない)
- ■トップ選手の標準的なジャンプ構成 3アクセル、4回転、4回転+3回転
- ■参考例)羽生結弦
- 2018年平昌五輪(SP1位)
- 4サルコウ、3アクセル、4トゥループ+3トゥループ
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- 【女子SP】
- 2回転または3回転アクセル、3回転ソロ、3回転と2回転または3回転と3回転のコンビネーション(3アクセルは1回まで、コンビネーションではソロのジャンプを重複しない)
- ■トップ選手の標準的なジャンプ構成 2アクセルまたは3アクセル、3回転、3回転+3回転
- ■参考例)浅田真央
- 2014年世界選手権(自己ベスト)
- 3アクセル、3フリップ、3ループ+2ループ
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- 【男子FS】
- 7回|コンビネーションは3回まで、3連続コンビネーション1回まで(同種類の同回転数ジャンプは2本までで、その内、3回転で2本入れられるのは2種類まで、2本分の4回転は1種類まで)
- ■トップ選手の標準的なジャンプ構成 4回転が2種類以上で計3~6本
- ■参考例)羽生結弦
- 2018年平昌五輪(金メダル)
- 4サルコウ、4トゥループ、3フリップ、4サルコウ+3トゥループ、4トゥループ、3アクセル+1ループ+3サルコウ、3ループ、3ルッツ(※2017-18平昌五輪シーズン以前の規定では、男子FSはジャンプ8回で2本分の4回転を2種類まで入れられた)
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- 【女子FS】
- 7回|コンビネーションは3回まで、3連続コンビネーション1回まで(同種類の同回転数ジャンプは2本までで、その内、3回転で2本入れられるのは2種類まで、2本分の4回転は1種類まで)
- ■トップ選手の標準的なジャンプ構成は、アクセルを除く5種類の3回転計7本で、より高難度の構成には3アクセルや4回転が加わる
- ■参考例)浅田真央
- 2014年ソチ五輪(自己ベスト)
- 3アクセル、3フリップ+3ループ、3ルッツ、2アクセル+3トゥループ、3サルコウ、3フリップ+2ループ+2ループ、3ループ
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- 【得点】
- 難易度に応じ各種類の基礎点が定められ、コンビネーションジャンプは各基礎点の合計となる。出来ばえ(Grade Of Execution=「GOE」)によりGOEー5からGOE+5までの11段階の評価がなされ、アクセルを除く3回転は±2.1(トゥループ)~±2.95点(ルッツ)、3アクセルは±4点、4回転は±4.75(トゥループ)~±5.75点(ルッツ)の加点減点を受ける。4分の1回転以上の回転不足になれば基礎点は80%に、半回転足りなければ1回転少ないジャンプの基礎点となる。演技後半のジャンプは基礎点が1.1倍になるが、2018-19シーズンより、SPはラストジャンプ、FSはラスト3回のみが加算対象となった。
- ■参考例)羽生結弦
- 2019年スケートカナダ FS演技後半(自己最多得点のジャンプ)
- 4トゥループ+1オイラー+3フリップの得点:4トゥループ基礎点(1.1倍)10.45+1オイラー基礎点(1.1倍)0.55+3フリップ基礎点(1.1倍)5.83+加点4.07=20.9点
文:Pigeon Post 島津愛子
イラスト:Paja
監修:澤田亜紀(関西大学アイススケート部コーチ)