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創設37年目にして初めて阪神開催となるマイルCSを展望する

2020年11月19日 15:40配信

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先週のエリザベス女王杯に続き、秋のマイル王決定戦であるマイルチャンピオンシップも今年は阪神で開催される。1984年の創設以来、一貫して京都で行なわれてきたため過去のデータを利用しづらい部分もあるが、今回は「前走着順」と「前走距離」に着目してレースを展望してみたい。

秋のマイル王決定戦・マイルチャンピオンシップ(以下マイルCS)が創設されたのは、グレード制が導入された1984年のこと。そして、今年は第37回にして初めて京都ではなく阪神で開催される。そのため過去のデータを活用しづらい部分もあるが、今回はひとつの試みとして「前走着順」と「前走距離」に着目したデータを考えてみたい。集計対象は過去10年のマイルCS(外国馬は除く)。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 年齢別成績

前走着順と前走距離に関するデータを見る前に、基礎的なデータを確認しておきたい。表1は年齢別成績。好走例が多く、好走率も優秀な4歳馬が中心をなすと考えてよさそうだ。次いで5歳馬の好走も多く、単勝回収率では4歳馬を上回る。3歳馬は17、18年に連覇したものの、全体としてはやや苦戦の傾向。6歳までは好走例が見られるが、7歳以上は1頭も3着以内に入っていない。

■表2 牡牝・東西別成績

表2は牡牝別と東西の所属別の成績で、セン馬は牡馬に含む。牡牝別の成績を見ると、好走の大半は牡馬によるもので、国内の牝馬では12年3着のドナウブルーが唯一の好走となっている。もう1頭、外国馬のサプレザが11年に3着に入ったこともあるが、いずれにしても過去10年で牝馬の連対例はない。東西別では関東馬が苦戦気味。関西圏のレースなので妥当ではあるが、関西馬が優勢だ。

■表3 前走1着馬・前走距離別成績

表3~6の項では、前走着順と前走距離に関するデータを見ていく。例年の京都から阪神に舞台は替わっても、1600mという距離そのものは変わらない。競馬場の違いはあるが、前走との距離の違いが競走馬に与える影響は同様に考えていいのではないか、というのが前走着順と前走距離に着目した理由である。

表3は、前走1着馬に限った前走距離別成績。「今回延長(前走1500m以下)」「同距離(前走1600m)」「今回短縮(前走1700m以上)」を比較すると、明らかに同距離の成績がいい。つまり、前走で1着になるような好調馬にとっては、距離が変わらないほうが好都合なのではないか。一方、前走1着でも今回延長・短縮の好走率はだいぶ下がる。距離が異なる今回、勝った前走のような走りを見せられるとは限らない、ということを意味しているのかもしれない。

■表4 前走2、3着馬・前走距離別成績

表4は、前走2、3着馬に限った前走距離別成績。前走1着のケースとは異なり、同距離の成績がまったく振るわないのは非常に興味深い。同距離の前走で2、3着に好走していたとしても、さらに強力なマイラーが集まるマイルCSではなかなか通用しないということなのだろうか。対して、今回延長・短縮はどちらも高い好走率を記録しており、特に今回短縮となる前走2、3着馬は回収率も高い。これは狙い目のローテーションと言えそうだ。

■表5 前走4、5着馬・前走距離別成績

表5は、前走4、5着馬に限った前走距離別成績。前走4、5着になるとそもそもの好走率がだいぶ下がっており、なかでも今回延長で好走した例はない。可能性があるとしたら、同距離か今回短縮となっている。

■表6 前走6〜9着馬・前走距離別成績

表6は、前走6~9着馬に限った前走距離別成績。全体の好走率はさらにダウンするが、過去10年で3勝を挙げ、単勝回収率213%と激走傾向を示しているので無視はできない。複数の好走例がある今回延長となるケースでの巻き返しには特に気をつけたい。なお、前走10着以下だった延べ38頭はすべて4着以下に終わっているため、表の掲載は省略した。

■表7 2020年マイルCS登録馬

今年のマイルCSの登録馬17頭について「性別」「年齢」「前走着順・前走距離」をまとめたのが表7。併せて「阪神芝1600m」「阪神芝」「芝1600m」における過去の戦績も付記している。この17頭について、上記のデータ分析から有望と思われる馬を前走着順別に紹介していきたい。

前走1着の場合、同距離で出走する馬が非常に優秀な成績を収めている。今年該当するのは富士S1着のヴァンドギャルドで、4歳馬、牡馬であることや関西所属である点もプラスに考えられる。

上位人気が予想されるグランアレグリアは今回延長、サリオスは今回短縮となり、前走1着馬としては歓迎材料にならない。また、いずれも関東馬で、前者は過去10年で連対例がない牝馬でもある。今回のデータでは思いのほか順風満帆とはならなかったが、ともに阪神芝1600mのG1を制した実績があるだけに、例年とは異なる阪神開催を味方につけて過去の傾向を覆したいところだろう。

前走2、3着の場合、距離が今回延長・短縮となる馬の好走が多い。該当するのはスワンS3着のアドマイヤマーズとスプリンターズS3着のアウィルアウェイ。ともに関西所属の4歳馬だが、牡馬のアドマイヤマーズのほうがデータ的にはより有望で、この馬も阪神芝1600mのG1を勝った実績を有している。

前走4、5着になるとそもそも好走率が下がってくる。可能性があるとすれば同距離か今回短縮で、該当するのはタイセイビジョンとペルシアンナイト。激走傾向のある前走6~9着も無視はできないが、該当するスカーレットカラーは好走率が低い牝馬、ベステンダンクも好走例がない7歳以上に合致してしまっている。

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