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JRA-VANコラム

G1・3勝以上馬3頭激突! 過去の結果は?

2020年11月24日 14:05配信
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ディープインパクト

今年はコントレイルが3歳クラシック三冠、そしてデアリングタクトが牝馬三冠をそれぞれ無敗で達成。無敗の三冠馬2頭が対戦するというだけでも「史上初」となる今週のジャパンCだが、ここに2年前に牝馬三冠を制したアーモンドアイも加わって、「三冠馬3頭激突」というのもまた「史上初」。競馬ファンならずとも、大いに注目を集めそうな一戦だ。史上初ゆえに過去のデータももちろん存在しないため、今回は「G1・3勝以上馬が3頭以上出走」したレースの結果を振り返ってみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 1986年以降のJRA平地G1で3勝以上を記録した馬

表1は、JRA-VAN Data Lab.でデータが提供されている1986年以降に、JRAの平地G1を3勝以上した馬の一覧である(生年別)。トライアルも含めたいわゆる「牝馬三冠完全制覇」のメジロラモーヌや、競馬ブームを牽引したオグリキャップなどなど、記録にも記憶にも残る名馬ばかりだ。2000年以降では2005年と2013年が該当馬不在だが、地方競馬で行われたダートグレード競走まで含めれば、2005年生まれはエスポワールシチーとスマートファルコン、2013年生まれではゴールドドリームやケイティブレイブがG1・3勝以上を達成している。後の「G1・3勝以上馬」はほぼ毎年のように出生していると言っていいだろう。

■表2 JRA平地G1・3勝以上馬(当該レース以後達成も含む)が3頭以上出走したレース

表1の該当馬(JRA平地G1生涯3勝以上)が3頭以上出走したのは、これまで計20レース。ただ、表2はあくまで「生涯3勝以上」の馬が3頭以上出走したレースであり、出走時にはG1・2勝以下だった馬も多く含まれる。当該レース時点で「JRA平地G1・3勝以上」を達成していた馬(背景黄)が「3頭以上」揃ったのは、2006年と2007年の有馬記念、そして2014年の宝塚記念・有馬記念の計4競走だ(いずれも3頭ずつ)。

■表3 2006年有馬記念の結果

2006年の有馬記念は、前年の3歳クラシック三冠馬で、この年は天皇賞(春)、宝塚記念、ジャパンCを制していたディープインパクトの引退レース。断然人気に応え、2着に3馬身の差をつける圧勝でその花道を飾った。

天皇賞(秋)、マイルCSとG1連勝中だったダイワメジャーは、距離が不安視されながらも3番人気で3着。そしてスイープトウショウは2走前、1番人気に推された天皇賞(秋)で5着に敗れていたこともあって5番人気の評価にとどまり、10着に敗退している。2着にはG1未勝利馬で6番人気のポップロックが食い込んで、3連単は万馬券一歩手前の9680円。単勝1.2倍のディープインパクトが優勝した割には「荒れた」と言っていいだろう。

■表4 2007年有馬記念の結果

翌2007年の有馬記念はメイショウサムソンが1番人気。前年に二冠(皐月賞・日本ダービー)を制し、この年は天皇賞春秋連覇を飾っていたが、この有馬記念では前年5着を下回る8着に敗退した。また、ダイワメジャー、ダイワスカーレットの兄妹が3、2着に入ったものの、それぞれやはり距離には不安を抱えており、5、6番人気の評価だった。

優勝したのは中山巧者のマツリダゴッホ。この2007年はアメリカJCC、オールカマーと中山のG2で2勝を挙げていたが、有馬記念と同距離の日経賞では3着。また、春秋の天皇賞では11着、15着に終わっており、距離・相手関係ともに厳しいとみられて当日は9番人気。この低評価を覆しての激走で、3連単80万馬券の大波乱を演出した。

■表5 2014年宝塚記念の結果

2014年の宝塚記念に出走したG1・3勝馬は、ゴールドシップ、ジェンティルドンナ、そしてメイショウマンボと、今回のジャパンCと同じ牡馬1頭、牝馬2頭という構成だった。優勝したのは牡馬のゴールドシップ。前走の天皇賞(春)は出遅れもあって7着に敗れたが、このレースではスタート直後の最後方から1コーナーでは4番手まで巻き返し、最後は2着に3馬身差をつけて宝塚記念連覇を達成した。

ドバイからの帰国初戦だったジェンティルドンナは3番人気で9着、そしてヴィクトリアM2着からの参戦だったメイショウマンボは4番人気で11着に敗退。2着には9番人気のカレンミロティック、3着には8番人気のヴィルシーナが入り、1番人気のゴールドシップが優勝しながら3連単は25万馬券になった。

■表6 2014年有馬記念の結果

ゴールドシップは道中後方から4コーナーで5番手の外まで進出したものの、直線でもうひと押しがきかず3着。メイショウマンボは前述の宝塚記念を含め3戦連続で2桁着順に敗退しており、有馬記念も14番人気で15着という結果だった。2着はこの年の皐月賞2着馬・トゥザワールド。前走の菊花賞で4.2秒差の16着大敗を喫していたため9番人気にとどまり、3連単は10万馬券とやはり波乱の決着となった。

以上、「JRA平地G1・3勝以上」馬が「3頭」出走した計4レースの結果を振り返ってみた。3連単の配当は9680円(2006年有馬記念)、10万9590円(2014年有馬記念)、25万1440円(2014年宝塚記念)、そして80万880円(2007年有馬記念)と荒れ模様。G1・3勝以上馬の1~3着独占はおろか、ワンツー決着すら一度もない。この結果から、今回のジャパンCも三冠馬3頭ですんなりとは収まらないのではないか、とも思える。

しかし、これらのレースでG1・3勝以上の3頭が1~3番人気を占めたことはなく(2014年宝塚記念の1、3、4番人気=平均人気2.67が最小)、3頭すべて前走1着というケースもなかった。今回は、いずれも前走でG1勝ちを飾っているコントレイル、デアリングタクト、アーモンドアイの3頭による上位人気独占が濃厚なだけに、これまでの4回とは違った結果になる可能性も十分にあるだろう。果たしてどんな結果が待っているのか、レース当日を楽しみに待ちたい。なお、ジャパンC過去10年の傾向分析は次回掲載分で行う予定だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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