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今年の秋華賞はなんといってもデアリングタクトの三冠なるかが注目。能力的には他を圧倒しているのだが、本来使うはずだったローズSを使えなかったという点がどう影響してくるかだ。

もちろん予定のローテが狂ったことは歓迎材料ではないのだが、いわゆる八分の仕上げできても今回のメンバーなら勝ち負けになるはず。秋華賞は差しが届きやすいレースでもあり、この馬の脚質とも合っている。万が一の敗戦があるとしたら、内枠を引いたうえで包まれる形になった場合だろう。

待ったをかけたいのがローズS勝ち馬リアアメリア。もともと2歳時にはこの馬が世代を牽引していくと思われていたわけで、その地位を取り戻したい一戦だ。

どちらかという差しタイプのイメージが強かったが、ローズSでは好位からの競馬を選び完勝。対デアリングタクトということで考えると同じ位置取りでレースを進めるより前で受けたほうがよいはずで、その意味ではローズSが良い予行演習になったのではないかと思う。

紫苑Sを勝ってきたのがマルターズディオサ。チューリップ賞に続いて2つめのトライアル勝ちとなった。桜花賞とオークスでは良いところがなかったが、桜花賞はこの馬にとって前半が速すぎたという印象。多頭数のG1でスローペースというのは望みづらいかもしれないが、流れひとつで本番での好走もありうる。

ウインマリリンもデアリングタクトと同様、オークスから直行でここへという形。スクリーンヒーロー産駒の牝馬にしては折り合いをつけて好位の競馬ができるし、2000mという距離も合う。この馬はスローに持ち込むよりは平均的なラップを刻んだほうが良いタイプ。まだ逃げたことはない馬なのだが、今回は逃げの履歴があるのがマルターズディオサ（新馬戦2着時）だけというメンバー構成。誰かにスロー逃げに落とされるくらいなら、腹をくくって自分のペースを演出するというのも手だと思う。

クラヴァシュドールはオークス15着、ローズS5着と株を落としているが、桜花賞4着やそれ以前の成績を考えるとまだまだ侮れない存在。成長分があるにせよローズSは+18キロという馬体重だったので、本番への上積みはある。勝ちきるまでのイメージは湧かないが、ファンのイメージより好走する可能性は十分にある。

レイパパレは3戦3勝ということで期待するファンもいそうだ。以前に比べると上がり馬タイプの好走は難しくなっているが、やはり負けていないというのは魅力。血統も良いし、好位の競馬も差す競馬もできる。

text by 須田 鷹雄