展望
豪華メンバーが集結!2020年を締めくくる一戦を制すのは!?
2021年9月7日 09:50配信
今年は牝馬の活躍が目立ったが、1年を締めくくる有馬記念も上位人気に牝馬が多く入ってきそうだ。
クロノジェネシスは牡馬相手のG1で3走続けて馬券に絡んでおり、ここでも好走が期待される。2500mはやや長いような印象も受けるが、かなりの消耗戦だった3歳時のオークスでも3着に踏みとどまっており、大崩れは考えにくい。上がりの速い競馬も持続力勝負もできる対応幅の広さが武器で、どんな展開にも対応できる。
ラッキーライラックはエリザベス女王杯を連覇。昨年は内からうまい競馬をしたという印象だったが、今年は能力で制圧した印象だった。気性的に簡単な馬ではないので今回は乗り替わりがポイントになるが、昨年のエリザベス女王杯以降3回の乗り替わりはすべて1着か2着だし、案外走ってみたら問題ないのかもしれない。
カレンブーケドールも乗り替わりで臨む一戦。惜しい競馬が続いているが、仕上がり途上のレースでも展開が向かなくても上位争いをする馬だし、今回もいきなり大きく崩れることはないだろう。コースとしては前走の東京芝2400mがベストだが本質的に長距離馬でもあるし、100mでも距離が伸びることは悪くない。昨年のような消耗戦になって中距離タイプの馬が凡走するようだと、入れ替わりにこの馬が浮上する。
牡馬ではフィエールマンがファンの期待を集めそうだ。とにかくスタミナはある馬で、天皇賞秋の2000mから有馬記念の2500mに伸びることは大歓迎。ルメール騎手がこちらに乗るということは、それだけ騎手の評価も高いということなのだろう。課題があるとしたら中山コースへの対応力。昨年はコンディションが微妙だったとはいえ4着に敗れている。小回りコースが得意とは言い難いので、どれだけ自分の良さを出せるかだ。
ワールドプレミアは昨年の3着馬。長期休養明けのジャパンカップで6着とまずまずの競馬をし、状態面での上積みがあればここで好走できるはずと期待するファンも多い。ただ昨年は3歳だったので55キロでの競馬。今年57キロでの再現が可能かどうか。当時は最後方から3着に届く競馬だったが、それを実力ゆえと考えるか、展開が向いたと見るかによって評価は変わってくるだろう。
オーソリティは青葉賞勝ち馬でありながにダービーに出られず、秋も菊花賞ではなくアルゼンチン共和国杯を経由してここへやってきた。3歳馬の活躍が目立つ有馬記念なので、逃げるバビットとこの馬がどんな競馬をするか興味深い。検証のしようがないが、もしオーソリティがダービーや菊花賞でも勝ち負けになる馬だったとするなら、有馬記念で古馬相手でもやれるはずだ。
text by 須田 鷹雄