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東京オリンピック盛り上がりの鍵を握る野球・ソフトボール 2020新採用競技紹介

2017年12月15日 13:25配信

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(C)The Asahi Shimbun/Getty Images

2020年のオリンピック開催地が東京に決まった後に注目されたのが、「野球・ソフトボールの復活はあるか?」ということでした。

日本の“国民的スポーツ”である野球と、2008年北京大会で悲願の金メダルを獲得した女子ソフトボール。両競技の人気が高い日本で行われるオリンピックの成功という観点からも大きな注目を集めました。結果はみなさんご存知の通り、「復活!」となったわけですが、そもそもなぜこの2つの競技は正式種目から除外されたのでしょう? 実施に至るまでの経緯と野球・ソフトボールの見所をご紹介します。

世界的には普及率が低い? 野球・ソフトボールが除外された理由

(C)Getty Images

野球というスポーツが身近にある日本で暮らしていると違和感があるかもしれませんが、実は野球はオリンピックでは新参者のスポーツです。正式種目になったのは1992年のバルセロナ大会から。1904年のセントルイス大会で初めて公開競技になり、1964年の東京オリンピックをはじめ公開競技として何度も実施されていたものの、世界的普及度がネックになりなかなか正式種目に採用されなかった歴史があります。

伝統的に野球が盛んな国といえば、ベースボール発祥の地であるアメリカ、日本、韓国、カリブ海、中米の国々に限定されていて、ヨーロッパやアフリカ、アジア諸国ではほとんどプレーされていないという時代が長く続きました。2005年にIOC(国際オリンピック委員会)が、野球とソフトボールのロンドン大会(2012年)からの除外を決めた大きな理由も、「一部の地域国でしか盛んに行われていない」ことだったとされています。

これを受けて、日本でも野球の世界的普及に目を向ける動きが出てきます。以前からヨーロッパの一部の国やアジア、アフリカで普及活動を行う日本人がいましたが、これを組織的に行おうという声がようやく上がり始めたのです。

リオ大会(2016年)での実施競技復帰を逃すと、世界でも同様の動きが見られるようになります。野球とソフトボール双方の関係者が危機感を持った結果、IBAF(国際野球連盟)とISF(国際ソフトボール連盟)が、男子=野球、女子=ソフトボールを合わせて一つの競技としてオリンピックに戻るべく、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)を立ち上げました。

2020年に行われる東京オリンピック、“野球の国”日本での復帰を目標に定めたWBSCは、野球とソフトボールが正式種目から外れた理由とされる問題点を解決する施策を打ち出しました。

野球界、ソフトボール界の努力もあり、東京2020オリンピックでは「野球・ソフトボール」が行われることになりましたが、実は開催都市提案の追加種目として行われるため、次回2024年のパリ大会での実施は確定していないのです。

実はパリ五輪の実施は決まっていない! 今後はどうなる?

「正式種目に復活したんじゃなかったの?」

そう思った人のために、野球・ソフトボールが復活するまでの経緯を簡単に追ってみましょう。

2013年にアルゼンチンのブエノスアイレスで行われたIOC総会は、特に日本でも大きく報道されていました。この会議では、東京2020オリンピックの正式種目の採用決定投票が行われました。最終候補になったのは、レスリング、野球・ソフトボール、スカッシュの3競技。

3つの金メダルと1つの銀メダルを獲得している「霊長類最強女子」吉田沙保里選手をはじめ日本勢の活躍を楽しみにしている人も多いと思いますが、メダルが確実視されるレスリングも一時、正式種目から除外されていたのです。

この最終投票で正式種目復活(存続)を果たしたのはレスリング。日本のお家芸が正式競技に残った一方で、この時点での野球・ソフトボールの正式種目としての復帰は叶わなかったのです。

ではなぜ、野球・ソフトボールが東京2020オリンピックで行われるのか? これは、今大会から認められた「開催都市提案」の追加種目によるものです。野球・ソフトボールと同時に採用された追加種目、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技はいずれもこの開催都市提案での実施になります。

WBSCは、2024年パリ大会でも追加種目での競技実施を目指し、日本と同じく野球の国であるアメリカ、しかもメジャーリーグのドジャース本拠地でもあるロサンゼルスで行われる2028年に向けて恒常的な実施競技に復活しようと活動を続けています。

盛り上がること間違いなし! メダルが有望な野球とソフトボール

(C)Kyodo News/Getty Images

これで安泰! とはならない野球・ソフトボールですが、日本で行われる2020年はWBC(ワールドベースクラシック)を超える盛り上がりが予想されます。

メジャーリーグに所属する選手の参加は難しいとの見方が強いので、イチロー選手(マイアミ・マーリンズ)や、ダルビッシュ有投手、前田健太投手(ともにロサンゼルス・ドジャース)、田中将大投手(ニューヨーク・ヤンキース)、大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)が侍ジャパンとしてプレーする姿を見るのは難しいかもしれませんが、野球の正式種目復活には世界トップクラスのメジャーリーガーたちの参加が不可欠。関係者の努力は続いているようなので朗報を待ちたいものです。仮にメジャーリーガーの参加がなくても、日本球界は東京開催のオリンピックに協力を惜しまないはずです。プロアマ混成チームでの参加だった2020年シドニー大会を経て、2004年のアテネ大会以降はオールプロでチームを編成してきた日本代表は、2012年から「侍ジャパン」として常設化されていて、国際大会の経験も豊富です。清宮幸太郎選手(北海道日本ハムファイターズ)をはじめ、新たなスターが続々生まれる日本野球界の実力がオリンピックの舞台でも見られるでしょう。

悲願だった金メダルを獲得したにもかかわらず、そのときにはすでに正式種目からの除外が決まっていたソフトボール日本代表も、注目度の減少によるスポンサーの撤退などの不遇の時代を乗り越え、依然としてライバル・アメリカと世界一を争う実力を維持しています。2008年北京大会では2日間で3連投、魂の熱投を見せた大エース・上野由岐子投手は35歳になった今も健在。2020年には38歳になる上野投手に大きな期待をかけるのは酷という声もありますが、年齢を度外視して何かを期待してしまうだけの飛び抜けた才能の持ち主なのは世界中が認めるところです。もちろん偉大なエースを継ぐ後継者も生まれています。なかでも投打に才能を発揮する“二刀流”藤田倭(やまと)投手、2017年のジャパンカップでアメリカを破った日本代表に高校生として唯一メンバー入りした勝股美咲投手は、東京2020オリンピックのエースとしての期待がかかります。

2020年のメダル獲得が期待される野球・ソフトボール。オリンピックの盛り上がりに欠かせないのが開催国の躍進であることはこれまでの大会からも明らかです。侍ジャパン、ソフトボール日本代表の活躍に注目しましょう。

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