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“異端”の正式種目入り! スケートボードの見どころとは? 2020新採用競技紹介

2017年12月22日 07:00配信

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©Getty Images

東京2020オリンピックから採用されたスケートボードは、ストリートカルチャーから生まれた新競技です。ファッションや音楽と密接に結びついているスケートボードがオリンピック種目に採用されたのにはIOC(国際オリンピック委員会)のある思惑がありました。スケートボード競技が正式種目に選ばれた理由と、競技としての魅力、見どころをご紹介しましょう。

“異端”なスポーツ、スケートボードの成り立ち

スケートボードの成り立ちについては諸説ありますが、ローラースケートを木につけたものが原型といわれています。1960年代にアメリカのサーファーたちが陸での練習にと、水を抜いたプールや公園で使い始めたのがきっかけで広まったようです。1970年代になると日本でも、目新しいものが好きな若者を中心に大きなブームを巻き起こします。すでに情報発信地だった原宿の歩行者天国はスケートボードに乗った若者で溢れました。当時の「スケボー」は、ポップカルチャーの一環として広まったので、スポーツという認識をする人はほとんどいませんでした。ファッションや若者文化として広まった「スケボー」が競技化していくのはもう少し後のことです。

ストリートカルチャーの一部だった「スケボー」が本格的に競技としてパッケージ化されたのは、1994年に誕生したExtreme Games(エクストリームゲームズ)からといわれています。現在はX Gamesとして有名なアメリカ生まれのこの大会で、スケートボードは採点競技としてスポーツ化しました。

スケートボードの競技団体を統轄するISF(国際スケートボード連盟)が誕生したのはそれよりも後の2004年のこと。競技としてのスケートボードは多くの人のイメージ通り浅く、 “新しいスポーツ”なのです。

こうした歴史的背景もあって、スケートボードの選手たちにはこれまで「国を背負う」という概念がありませんでした。海外の賞金大会を主戦場とする選手たちは急増しましたが、過去に世界選手権の開催実績もなく、国際的な統一ルールも存在しないという実情があります。

オリンピック種目に採用されたことに対する反応もいかにもスケートボードらしく、選手や愛好家の間でも「これ以上、競技化してほしくない」「目標はあくまでアメリカのストリートで名前を売ること」という否定的な意見も聞かれます。

世界中に数多あるスポーツの多くが、オリンピック種目に採用されることを「悲願」としていることを考えると、スケートボードの立ち位置は“異端”といえるでしょう。

オリンピック改革の一環として採用された若者のスポーツ

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「どうしてもオリンピック種目に採用されたい」とロビー活動を繰り広げる競技も多いなか、なぜスケートボードが選ばれたのでしょう? そこにはIOC(国際オリンピック連盟)のある思惑が関係していそうです。スポーツの祭典として右肩上がりで盛り上がりを見せてきたオリンピックですが、ここ数年は開催誘致に名乗りを挙げる都市も減少し、一時の勢いに陰りが見えます。それを自覚しているIOCは、オリンピック改革に乗り出しているのですが、その一環として「若者の取り込み」がミッションの一つとして設定されているのです。

日本のスケートボードの人口は、40万人とも100万人ともいわれています。正確な数字が発表されないのは、街中でスケートボードを滑ったり、公園でトリックの練習をしたりしている若者をどうカウントするかという問題があるからです。街中でも目にするスケートボード愛好者がこの競技に目を向けてくれたら? 若者を取り込むのに最適な競技として白羽の矢が立ったのです。

純粋な登録選手人口に限れば、全日本から小さな大会までを平均するとおよそ3000人のアマチュア選手がいて、プロ選手は80名ほどと少規模ですが、オリンピックに採用されたことで注目度が上がり、大会に出場する選手は増加しています。

技の難易度や完成度、スピード、オリジナリティなどで採点を行う

オリンピックで採用されたスケートボード競技は、「パーク(PARK)」と「ストリート(STREET)」の2種、男女合わせて計4種目で実施されます。パークは、お椀型のボールや深皿型のプールなど、曲面を組み合わせたコースで競われます。ストリートは、文字どおり街中の階段や斜面、手すりなどを模したコースを使って得点を争います。

スノーボードの採点をどうやって決めるのかについては、フィギュアスケートのようにいくつかのポイントについてそれぞれ基準が設けられています。両種目とも技の難易度、成功率を測るメイク率、ルーティーン、スピード、オリジナリティなどを総合的に評価して、総合的な点数を競います。

日本人にも有力選手が続々

若者を取り込みたいというIOCの思惑は、スケートボードの有力選手の年齢を見るとある程度達成されたように見えます。日本の“メダル候補”の選手たちはいずれも1999年~2001年生まれで、大会時も19歳~21歳と若いのが特徴です。

今回は、4名の“オリンピックイメージスケーター”をご紹介します。

 

●堀米雄斗

ほりごめ・ゆうと。1999年1月7日、東京都生まれ。2014年と2015年連続でAJSAプロツアーのグランドチャンピオンを獲得。2017年5月には世界のトップスケーターだけが参戦を許されるストリート・リーグ・スケートボーディング (SLS)で3位入賞、6月のDEW TOURでも3位ととてつもない成績を残し、若くして「天才」の名をほしいままに。東京2020オリンピックでも中心選手になることは間違いないと目されています。

●池田大亮

いけだ・だいすけ。2000年8月4日、東京都生まれ。堀米悠斗とは小学生時代からライバルであり親友という関係。2016年AJSAグランドチャンピオン、国内ランキング1位。2017年6月の「Damn Am in Costa Mesa 2017」で優勝するなど、国内外で活躍を続ける若き至宝。難易度の高いトリックを次々と決め、パーク・ストリートいずれも対応できるオールラウンダー。

●中村貴咲

なかむら・きさ。2000年5月22日、兵庫県生まれ。2016年6月に参戦した米オースティンでのX Gamesでは、高校生ながらアジア女子初となる金メダルを獲得。世界でも数人しかこなせないビッグトリック「ミラーフリップ540」を得意技とし、金メダルに最も近い選手といわれています。152センチと小柄ながら、ダイナミックな身のこなしは多くの観客を魅了しています。

●西村碧莉

にしむら・あおり。2001年7月31日、東京都生まれ。7歳からスケートボードを始め、小学5年生の時にはAJSA国内大会で優勝を経験。2014年、2015年とAJSA全日本レディース選手権を連覇、2016年にはX Games、さらに全世界のボーダーから8人しか出場できないSUPER CROWNに出場するなど国内外にその名を轟かせています。

上記の4名のように国外で結果を残すメンバーがそろっており、メダル獲得は非常に有望だと思われます。いずれのメンバーも若く、大会開催時にも未成年という選手もおり、今後の大きな飛躍が期待されています。

 

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