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“フェス”感覚で楽しめるオリンピック競技? 自然を相手にするサーフィン 2020新採用競技紹介

2017年12月27日 14:50配信

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愛好者は全世界に3500万人以上。ファッションや若者文化と結びついて日本でも人気のスポーツがサーフィンです。競技というよりもマリンスポーツ、レジャーとしてのイメージが強いサーフィンも東京2020オリンピックで新たに採用された競技の一つです。いくつかの意味でこれまでのオリンピックになかった要素が加わるのではないかと期待されている新競技、サーフィンについてご紹介しましょう。

オリンピックに新しい価値を持ち込むサーフィン

「サーフィンは競技とともにカルチャーもオリンピックに持ち込むだろう」

今年、宮崎県北東部の日向市で行われたサーフィンの世界ジュニア選手権の際に来日したISA(国際サーフィン連盟)のフェルナンド・アギーレ会長は、こんな風にオリンピックへの意気込みを語っています。

新競技選定にあたって、IOC(国際オリンピック委員会)はこれからのオリンピックを担うような「新しい価値」を生み出す競技を優先したといわれていますが、サーフィンに期待するのはまさに“カルチャー”を持ち込んでくれることです。

サーフィンの大会が行われる会場の雰囲気は確かに一般的なスポーツの競技会、大会とは一線を画しています。もちろん世界一を目指すアスリートたちが優勝を目指す緊張感はありますが、会場全体、観客たちが醸し出す独特の雰囲気は私たちがよく知る「スポーツの大会」のイメージとは異なります。

海の中で競技が行われるサーフィンでは、観客は砂浜で選手の波乗りを観戦することになります。砂浜には音楽が流れ、さまざまな屋台が立ち並びときにはバンドのステージが開催されることもあります。サーファーたちがこれらをまとめて 「ビーチフェス」と呼んでいるように、観客たちは単なる傍観者ではなく、当事者としてこのお祭りに参加するのです。

スタジアムの観客戦からアスリートの活躍を見守る。世界最高峰の技術を持つ選手たちのプレーをテレビやインターネットを通じて視聴する。これまでのオリンピック競技で一般的な選手と観客の距離感は、サーフィンにはそのまま当てはまりません。

スポーツの世界でも観戦体験をエンターテインメントにしようという動きがありますが、こうした文化が根付いているのが東京2020オリンピックで行われる新競技サーフィンの注目すべきポイントです。

セキュリティの問題、会場の設営の問題があり、東京2020オリンピックで普段通りの“ビーチフェス”の雰囲気をどこまで出せるかという課題はありますが、サーフィンは私たちに「これまでになかったオリンピック体験」を提供してくれるはずです。

波は来るのか? 自然を相手にするスポーツの難しさ

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オリンピックで行われるのはショートボードを用いた競技です。勝敗はジャッジによる採点で決まります。得点の基準になるのは、選手が繰り出す技の難易度、創造性、完成度、1本のライディングでの構成など。独特なのは、選手たちが相手をするのが自然に発生する波だということです。タイミングや順番によって有利不利が生じてしまうため、制限時間内に複数の波に乗り、最高得点を核とした2本が記録として採用されます。

東京2020オリンピックの会場は全日本選手権や国際大会の開催経験豊富な日本のサーフィンの聖地の一つ、千葉県の一宮町・釣ケ崎海岸(志田下)に決定しています。国内では有数のサーフポイントですが、世界規模のビッグウェーブに比べれば迫力不足は否めません。大会開催期間中に都合良く最高の波が来るか? 世界最高のサーファーを決めるにふさわしいグッドウェーブを得られるのか? という疑問を呈する声もあり、自然環境に左右されるサーフィンならではの問題もあるようです。

次世代のサーフィンマスターも? 日本人選手の活躍に期待!

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オリンピックに出場できる選手は、男女合わせて40名。出場枠のうち男子10名、女子8名の計18名は世界最高峰の選手が集うWSLワールド・チャンピオンシップ・ツアー(通称WCT)の結果によって決められます。残った22名は、2019年、2020年のISAワールド・サーフィン・ゲーム、2019年にリマで開催予定のパンアメリカン競技大会で決定される予定です。開催国である日本には男女1名ずつ2名の出場枠が割り当てられています。

活躍が期待されるのが、両親ともに日本人ながらアメリカ生まれの五十嵐カノア選手。2016年には世界最高峰のWSLワールド・チャンピオンシップ・ツアーにアジア人として初、しかも史上最年少で加わる快挙を達成し、2017年にはUSオープンで優勝を果たすなど、19歳にしてサーフィン界の次代を背負って立つ存在として認知されています。

その他にも、2015年のUSオープンを18歳で制した大原洋人、QSランキングで結果を出している新井洋人、ISA主催の世界ジュニア選手権で優勝した16歳の安室丈など楽しみな逸材が次々に登場。開催国枠以外に、自力で出場権をもぎ取る選手が出る可能性もあるので、複数の日本人選手がオリンピックの舞台に立つ姿を見られるかもしれません。女子ではワールドゲームズで7位に入賞したエース・大村奈央がメダルを虎視眈々と狙います。

開催地・日本の選手が活躍でさらに盛り上がる可能性を秘めたサーフィン。2020年の釣ケ崎海岸ではオリンピック会場とはひと味違う“ビーチフェス”が楽しめるかもしれません。

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