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スポーツ雑学王への道!③ 「サムライジャパン」って野球じゃないの!? ラグビーと武士道の共通点!?

2018年5月30日 17:35配信

スポーツには意外と知られていない豆知識が山のようにあります。親子や恋人とのスポーツ観戦中にちらっとそんな豆知識を披露すれば、尊敬の眼差しで見てもらえるようになるかも?

『スポーツ雑学王への道!』。この連載では、ついつい人に話したくなるスポーツの豆知識をお伝えしています!

第3弾の今回は、「実は野球じゃない『サムライジャパン』」、「ボールの材質が全てを変える卓球」、「ラグビーの精神は日本の武士道に通ずる!?」、をご紹介しましょう!

(文=仲本兼進)

「サムライジャパン」といえば野球!! じゃなくてホッケーなの!?

©Getty Images

近年、日本の団体スポーツにおいて、チームに愛称がつけられるケースをよく目にしますよね? サッカーであれば男子が「SAMURAI BLUE」、女子なら「なでしこJAPAN」。ハンドボールならば男子が「ムササビジャパン」、女子が「おりひめジャパン」。バスケットボールは男女共通で「AKATSUKI FIVE」。アーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミングから名称変更)は「マーメイドジャパン」といわれるように、その愛称と競技性がマッチングすることで距離感が変わり印象深くなるものです。

しかしその一方で、ファンもややこしく感じてしまうような愛称というのも実は存在します。そのひとつが「サムライジャパン」です。この名前を聞いて真っ先に思い浮かぶのはきっと野球でしょう。かつては「SAMURAI JAPAN」、現在は「侍ジャパン」と表記されるこの愛称は、野球ファンにとって馴染み深い名前となっています。

では「サムライジャパン」も野球かというと、実は違うんです! どういうことかといいますと、発音は同じでもアルファベット表記やカナ表記の組み合わせによって、違う競技の愛称となるのです!

「サムライジャパン」を愛称としているのは、ホッケーの男子チーム。この愛称がつくられたのは2008年3月で、野球よりも実は8カ月早いタイミングで発表されていました。商標登録もホッケーが先に行っていたため、同じ発音の愛称を使用する野球に対し「野球より前に『サムライ』と名乗っており元祖は私たち。露出の差を考えればこちらがパクったと思われるのは心外」と主張。日本野球機構などに抗議文の提出にまで至りました。

しかし商標登録の問題で、双方とも同じ発音の愛称「侍ジャパン(野球)」、「サムライジャパン(ホッケー男子)」を使用しています。というのも、日本ホッケー協会が申請した商標登録は「ホッケーの興行に関わる企画・運営または開催、書籍、映画」など、ホッケーに関わることのみの縛りしかなかったのです。つまり、ホッケー以外についてはおとがめなしという意味になります。そのため野球側は商標などのルールに問題はないとし、現在に至るというわけです。

WBCの活躍によって野球の「侍ジャパン」が強い印象を与えていますが、ホッケー男子がオリンピックなどで活躍し「サムライジャパン」という愛称が大きく注目されるようになることで、今後どちらも親しまれる形になれることを期待したいです!

卓球はボールの材質が変わればすべてが変わるって本当?

©Getty Images

「カコーン」と小気味良い音を響かせて、ラリーの応酬の後に強烈なスマッシュが決まればその爽快感がたまらない卓球。その卓球において使用されているボールが近年、劇的な変化を遂げていることをご存じでしょうか?

大きく変わったのは材質。これまでボールは「セルロイド製」が主流でしたが、今では「プラスチック製」がほとんどとなっています! 「それだけのこと?」と思うかもしれませんが、これがプレーヤーにとって大きな影響を与えているのです!

セルロイドは世界で初めて誕生したとされる人口樹脂で、加熱すると柔らかくなる特性があることから加工がしやすく、現在もギターのピックや人形などに使用されています。そのセルロイドで作られた卓球ボールの表面には微細な凹凸があり、ラケットとの摩擦量が多いという特徴があります。そのため滑りにくく強力な回転をかけやすくなるため、ボールの軌道を大きく変化させることができます。また球離れが遅いためコントロールがしやすく、容易に力強いボールを放つことができます。

一方プラスチック製は、表面がガラスのようにツルツルしていて、ボールとラケットとの摩擦力が少ないのが特徴です。その結果、回転数が少なくなるとともに空気抵抗が大きくなることからボールスピードが落ちることになります。またボールを執拗に拾い相手のミスを誘いだす「カットマン」にとっての武器となる強力な下回転がプラスチック製のボールによりかけにくくなると反発力といった威力が弱まるため、相手のミスを誘うどころかスマッシュの餌食になりかねません。ボールの回転数の減少はこれまで多用されていたボールスピード、コントロール、打球の威力といった卓球の戦術を根底から覆すほどの影響力をもたらすため、そういった意味でもボールの変更はプレースタイル自体を変えざるを得ない重大なことであるというわけなんです!!

では何故、セルロイド製からプラスチック製に変わったのでしょう? 実はセルロイドは火薬の材料と非常に似ているため、危険物として設定されているのです。実際にあった話として、2004年アテネオリンピックの際、使用するセルロイド製のボールを航空貨物で運搬しようしたところ、危険物として指定されているため航空会社がこれを拒否。そのため船で輸送することになったのですが、大幅にスケジュールが狂ったことで現場は大混乱に陥ってしまったのです! その後、IOC(国際オリンピック委員会)から材質を変えるよう強く勧告され、オリンピック種目に残るためにも材料を変えざるを得なかった、というのが実情のようです。

その他にも耐久性の低さや、天然素材を利用して作られるため良質なボールの供給が不安定であるなどの問題から、その後、国際卓球連盟(ITTF)のルール変更により2015年の国際大会からセルロイド製のボールを撤廃。オリンピックでは翌年のリオデジャネイロ大会からプラスチック製のボールを使用した初めての大会となりました!

ひとつのボールが与える試合への影響は決して小さくなく、「ボールを制するものは卓球を制する」といっても過言ではないでしょう。

ラグビーの精神と、日本の「武士道」にあった共通点って

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特徴的な楕円形のボールを利用し、かつては青春ドラマの題材として、近年では2015年のワールドカップ・イングランド大会で日本が南アフリカを破ったことにより再び火がついた競技といえば、みなさんご存じ「ラグビー」ですよね!

そもそもラグビーはスポーツとしての価値はもとより、人材育成を目的とする教育に用いられてきました。ラグビー発祥のイギリスでは肉体的な鍛錬と頭を使ってプレーすることが求められるラグビーを軍人育成の手段として活用し、人間性の向上に役立たせてきました。オーストラリアやニュージーランド、南アフリカ、フィジー、サモアなど当時イギリス領だった国々でも防衛を目的としたラグビートレーニングを取り入れており、そのことによりその土地でのラグビーは伝統競技として今日まで受け継がれています。

一方、日本では開国後の江戸時代に多くの欧米人が日本に降り立ったことからラグビーに親しむ様子が資料として残っています。ただ当時はルールがほとんど浸透しておらず、体を鍛えるために行う程度だったとか。

正式なルールとともにスポーツとしてのラグビーが日本に伝わったのは1899年。イギリスに留学をしていた田中銀之助とエドワード・ブラムウェル・クラークが日本に帰国後、普及に尽力したことにより急速にラグビー文化が広がっていきました! 急速に普及した理由として、日本人の規範ともいえる「武士道」との共通点があったからとされているのです! 困っている相手がいれば敵味方関係なく手を差し伸べ、卑怯な手段を用いないことを鉄則とする武士道と、フェアプレーとノーサイドの精神が溢れるラグビーには通ずるところがあり、そのスタンスに感銘を受け多くの日本人がラグビーをプレーするようになったそうです!

20世紀初頭にもかかわらず、約1500チーム、6万人以上もの愛好者がいたといわれるラグビーは、当時から日本のメジャースポーツとして発展していたのでした。その影響は俳句の世界でも反映されており、俳人の山口誓子(やまぐち・せいし)が「ラグビー」と「ラガー」を用いた俳句を数多く詠んだことから、今では冬の季語として定着しています。

2015年ワールドカップでは南アフリカに勝利。そして2016年のリオデジャネイロオリンピック男子7人制ラグビーではニュージーランドを撃破し4位という結果を残すなど健闘が目立つ日本ラグビー界。2019年に日本で開催されるワールドカップでの活躍も期待したいですね!!

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