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1分で勇気をもらえる!アスリート名言集④ 羽生結弦、内村航平ら超一流の“ブレない”思考術

2018年12月19日 13:00配信

世界中から選ばれた一流アスリートたちが“世界一”を目指して競い合うオリンピックは、まさに超人の見本市。アスリートたちのパフォーマンスやトレーニング、競技に懸ける思いやモチベーションは常人には計り知れないものがあります。

世界一を極める舞台でベストパフォーマンスを披露するオリンピアン、メダリストたちは何を目指し、どんな風景を見ながら毎日を過ごしているのでしょう?

今回は、アスリートたちの言葉をヒントに、彼らのたどり着いた境地、世界を戦う超一流の思考術をのぞき見たいと思います。

(文=大塚一樹)

難易度より大切なこと、内村航平が追い求める「美しい体操」

オリンピックで結果を残す選手、メダリストたちはもちろん、圧倒的な実力を持っています。しかし、それはメダル候補の選手全てにいえること。その中で下馬評通り、または前評判を覆してメダルを手に入れる選手は、実力だけではない“何か”を持っている選手です。

4年に一度しかないその日、自分の持てる力を最大限に発揮したものだけが手にできる。それがオリンピックの金メダルなのです。

金メダルと銀メダル、勝者と敗者を分けるものは何なのか? 要因はたくさんありますが、勝者たる超一流アスリートたちにはある共通点があるようです。

オリンピックでは2012年ロンドン大会、2016年リオデジャネイロ大会で個人総合連覇、世界選手権では6連覇を果たすなど、生ける伝説として体操界に君臨する内村航平選手の原動力は「美しい体操をする」こと。内村選手本人が事あるごとに語っていることですが、勝敗や点数を追求するよりも「美しさ」にこだわる。このことが、内村選手を他の有力選手をして「次元が違う」と感嘆させるような“違い”を生んでいるのです。

「体操はやはり美しくないといけない」内村航平(体操)

(C) Getty Images

これは、2013年、世界選手権アントワープ大会で前人未到の4連覇を成し遂げた時の内村選手の言葉です。すでに前年のロンドンオリンピックで金メダルを獲得し、北京オリンピックの銀メダル以降名実ともに世界最高の体操選手の名を欲しいままにしていた内村選手ですが、連覇、連勝を続ける中で勝敗ではなく体操そのものの「美しさ」を表現することで自らを高めていたのです。

世界的には技の高度化、難度化が進み、難易度を示すDスコアを気にする選手が多い中、内村選手は難度だけでなく、「美しさ」で世界を魅了したのです。

「美しさがないと、いくらDスコアを上げても評価されない。美しい体操が評価されるのだということがあらためてわかった大会だった」

この境地にたどり着いた内村選手は、その後も美しい体操を追い続け、アントワープ大会からさらに2つの世界選手権を制し記録を6連覇までに伸ばし、翌年のリオデジャネイロオリンピックでも金メダルを獲得したのです。

連覇の記録は2017年の世界選手権で途切れてしまいましたが、内村選手が「美しい体操」を追求する限り、東京2020オリンピックでもその勇姿が見られるはずです。

“絶対王者”羽生結弦が追い続ける「究める」世界

「勝利の上」を目指すアスリートとして外せないのが、内村選手と同じく絶対王者としてオリンピック連覇を達成した羽生結弦選手でしょう。

これまでに更新した世界記録は15回、現時点での世界歴代最高得点の記録保持者でもある羽生選手は、紛れもなく「次元の違う」超一流アスリート。

その羽生選手も表現こそ違いますが、内村選手と同じく得点だけじゃないその上にあるものを目指しているという主旨の発言をしています。

「自分が目指しているのは、『自分の演技をどれだけ究められるか、一つひとつの要素を究めていけるか』ということです」羽生結弦(フィギュアスケート)

(C) Getty Images

世界最高得点に注目が集まる中、他人との点数争いではなく、自身の過去の記録でもなく、どれだけ演技を究めていけるかにフォーカスする。当たり前のようなことですが、勝敗が全てのスポーツの世界で結果を出し続けている羽生選手が言うからこそ意味を持つ圧倒的な言葉です。

「今は得点もすごく注目されて『これが世界最高得点の演技』と、メディアもファンもワーッとなっています。確かにそれもうれしいことですけど、僕自身は僕の演技が好きだと思ってもらえたり、『すごい』『感動した』『また見たい』と言われるような演技を、ジャンプも含めてこれからできるように練習をしていきたいと思っています」

羽生選手は自他ともに認める「負けず嫌い」。ナンバーワンよりオンリーワンという言葉もはやりましたが、超一流アスリートたちは皆、ナンバーワンかつ、オンリーワン。自分の目指す独自の世界観を決して言い訳にせず、その世界観を実現できればおのずと世界一がついてくるという思考法で結果を出し続けているのです。

66年ぶりのオリンピック連覇という偉業を達成した後も「次は4回転半に挑戦したい」とさらにその先を見据えている羽生選手の姿勢を見ていると、連覇達成後の活躍も納得です。

室伏広治はハンマーの“その先”を見つめていた

「日本史上最高の身体能力を持つアスリート」を選ぶとき、必ず筆頭に名前が上がるハンマー投げの室伏広治さんも含蓄のある言葉を残しています。

恵まれた体格を生かすべく、独自のトレーニングでも有名だった室伏選手は、日本人選手には“遠い夢”だったパワー系の投てき競技で世界と互角に戦い、2004年のアテネオリンピックではアジア人初の金メダルを獲得。2011年、韓国・大邸で行われた世界選手権でも再び世界一に輝いた彼は、36歳で獲得したこの金メダルについて、飛距離でまさる若手選手たちに勝てた理由について自身の安定した投てきを挙げ、「遠くに投げるだけでは勝てない」と、砲丸投げの奥深さを語っています。これは、「一発」がある若い選手たちに対抗するために80メートルをコンスタントに投げる練習を重ねたという戦略的な意味もあっての発言ですが、次に紹介する名言はさらに奥深いものです。

「遠くへ放ち さらにその先を想う」室伏広治(陸上)

(C) Getty Images

なんだか禅問答のようですが、内村選手や羽生選手にもつながる勝敗や記録を超えた“その先”を思う詩的な表現ですね。現在は国際オリンピック委員会(IOC)の運営委員会メンバーにも選出されている室伏さん。今後はスポーツ界のために競技の“その先”にあるキャリアを歩んでいくことでしょう。

3人のスーパーアスリートの言葉を紹介しました。超人的な活躍を見せるアスリートはどんな景色を見ているのか? 平凡な日常過ごす私たちには選手たちが見せる驚異的なパフォーマンスから何かを感じ取ったり、想像することしかできませんが、今日の失敗や明日の心配、目の前の結果にとらわれるのは今すぐやめたほうがよさそうです。

超一流のアスリートの本当のすごさは、生まれついた才能でも身体能力でも強靭なメンタルでもなく、目指すべき理想の自分をブレずに思い求める力にあります。自分の目指すものをブレずに追求することが、自分自身の成長や“最終的な勝利”につながるのは私たちの日常生活でも同じ。世界一とはいかなくても、彼らの結果を掴む思考法やモチベーションの保ち方は大いに参考にしたいところです。

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