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ボクシング競技にプロの世界王者が参戦か? 東京五輪で日本もプロの参加を解禁!

2019年8月14日 22:15配信

これまでアマチュア選手しか参加できなかったボクシング競技。前回のリオデジャネイロ五輪からプロの参加が認められた。しかし、前回大会では各機構が様子見をしながら参加に否定的だった。そんななか東京五輪に向けて日本はプロの参加を解禁。その条件とは一体どんなものだろうか––

(C)Getty Images

(文=善理俊哉)

リオ五輪からプロボクサー参加を解禁 日本や世界のメジャー機構の判断は“ノー”

 近頃のボクシングは五輪種目として存続危機までうわさされた。男子の試合からヘッドギアを廃止するなど、「見ごたえのある種目」への改善が続けられている。

 そして2016年2月、五輪ボクシングを統括するAIBA(国際ボクシング協会)は、この競技における最大のタブーに踏みきった。プロボクシング経験者にも、五輪出場権を解禁すると発案したのだ。この案には世界中で賛否両論が飛び交ったが、その投票結果は賛成88票、反対0票、棄権4票という意外な結果で可決した。

 AIBAはこのルールの実施について「内政干渉を行わない」という約束で、各国のボクシング連盟を説得していた。ちなみに、日本ボクシング連盟の国内方針はプロボクサーの参加は“ノー”という判断を行なっている。当時、同連盟の会長を務めていた山根明氏は、「教育機関に根付いたアマチュアと商業的なプロが交わったら秩序が無茶苦茶になる」と説明していた。

 その真意は定かではないが、この案はボクシング界の秩序を根幹から揺るがすものであるのは確かだ。プロボクシングの世界王座を管理するメジャー機構のうち、WBC(世界ボクシング評議会)、IBF(国際ボクシング連盟)、WBO(世界ボクシング機構)の判断も“ノー”。そのなかでもWBCのマウリシオ・スライマン会長は激しく反発。「AIBAのボクシングに参加した選手は、WBCのランキングから除外する」と警告した。さらには、自分たちでアマチュアボクシング委員会を設け、AIBAから退いた重役を雇うなど徹底抗戦の様相を示した。

リオ五輪に参加した4人のプロボクサー

 ほとんどの機構が“ノー”と判断するなか、AIBAとの連携を唯一宣言したのが最古のプロボクシング機構WBA(世界ボクシング協会)だった。2016年リオデジャネイロ五輪の最終予選はWBAの本部もあるベネズエラで開かれ、WBAで世界王者の経験を持つリボリオ・ソリス(ベネズエラ)やアルフォンソ・ブランコ(ベネズエラ)の出場も一時は報じられた。 結局、彼らの出場は見送られたが、最終予選の結果、村田諒太との2度の世界戦を戦ったことで知られるアッサン・エンダム(カメルーン)、井岡一翔に初黒星を与えたアムナット・ルエンロン(タイ)、当時無敗だったカルミネ・トマゾーネ(イタリア)、マチュー・ボーダリーキ(フランス)というプロボクシングの世界ランカー4選手が予選通過を果たした。

 いずれも世界的に名の知れた強豪だったが、短期間での準備には無理があったようだ。エンダムは開催国枠で出場した無名のブラジル人に初戦で敗れた。トマゾーネは世界選手権3連覇中だったラサロ・アルバレス(キューバ)に完封負け。アムナットは準優勝したソフィアン・オーミハ(フランス)に2回戦でTKO負けという結果になった。しかし、注目度の低かったボーダリーキだけは、ライトヘビー級で銅メダルを獲得した。

東京五輪に向けて日本もプロの参加を解禁 その条件とは?

 昨年、日本ボクシング連盟は山根明前会長を中心にした大きな騒動があった。その末で新しく会長に就任した内田貞信氏による新連盟は、下記のようなプロスポーツ経験者の参加条件をまとめた。

①転向・復帰を希望する個人より「アマチュア転向・復帰申請書」をもって、郵送にて日本連盟に申請する。

・プロボクシング経験者は日本ボクシングコミッション(JBC)より引退届をお取り寄せください。

・そのほかのプロ競技経験者の方は下記添付の「プロスポーツ団体引退証明書」またはそれに代わる証明書にプロ競技団体より証明いただくようにお願いいたします。

②審査を経て申請者にアマチュア復帰の可否を伝える。復帰相当と認められた者に日本連盟より「アマチュア復帰承認書」を交付する。

③アマチュア復帰が承認された者は都道府県連盟に承認書のコピーを添え、選手・役員登録を所属団体(アマチュアの役員等が在籍する団体)より都道府県連盟を通して日本連盟に行う。

④上記申請が都道府県連盟なされた場合、各都道府県連盟は日本連盟に復帰承認が正しくなされているかの確認を行う。

⑤都道府県連盟は④の確認を行った上、通常選手と同様に役員・選手登録を行う。

(登録データを送信する際にアマチュア転向・復帰者であることをメール本文に記載)

⑥プロスポーツ競技の経験者で優秀な成績を残した者でも通常の初回登録者として扱う。(実戦競技出場資格証明書等)

 その一方でAIBAでも内紛が勃発。現在もIOCから五輪種目の承認団体を外される始末となっている。そのなかで唯一AIBAと連携を取っていたWBAが、AIBAに代わって五輪ボクシングの運営に名乗りを挙げている。なんと皮肉な話なのだろう。

 いずれにせよ、来年の東京でもプロボクサーたちがオリンピックの頂きに挑んでくることは確かで、注目が集まっている。

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