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MGCでマラソンの東京五輪代表が決定! 男女4人の代表選手に迫る

2019年10月9日 13:00配信

 9月15日に開催されたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)には、厳しい出場資格を勝ち取った選りすぐりのランナーが出場した。東京オリンピックと同様に都内の観光地を巡るコースで開催され、沿道では52万5000人(日本陸連発表)もの観衆が歴史的なレースを見守った。そして、このMGCで東京オリンピックのマラソン日本代表男女3人ずつのうち、ひとまず男女2人ずつの計4人が決定した。

(文=和田悟志)

男子の代表は死闘を制した中村匠吾と服部勇馬に2人に決定

 男子のMGCは30人の選手が出場。先の読めない実力者同士のレースは、設楽悠太(Honda)の飛び出しで幕を開けた。中間点では2分超の大差がつく独走劇だったが、徐々にペースダウンをした設楽を37キロ過ぎに後方の集団がとらえる。そして、40キロを前に中村匠吾(富士通)が仕掛けると、日本記録保持者の大迫傑(ナイキ)、4強の一角と目された服部勇馬(トヨタ自動車)の3人に勝負の行方は絞られた。2枚の切符を巡って最後まで目が離せない大激戦が繰り広げられ、最後は中村が2人を引き離して1着でフィニッシュ。2着には服部が入った。大迫は2位に5秒差の3位に終わった。

 中村は大学駅伝の強豪校である駒澤大学の出身。今回のMGCでは2段階のロケットスパートが炸裂したが、箱根駅伝などの大学駅伝でもMGCと同様のスパートをたびたび見せており、勝負強さには定評があった。

 大学卒業後も母校である駒大の大八木弘明監督の指導を受けており、大八木監督にとっても悲願だった駒大OBのオリンピック代表を排出することに成功した。また、陸上の名門として名をはせる富士通としても、マラソンで日本代表を輩出するのは初めてだった。

 東洋大学出身の服部もまた、大学駅伝を沸かせた選手の1人だ。学生時代から長い距離を得意とし、大学2年時には30キロの学生記録を樹立している。箱根駅伝では留学生も集まるエース区間の2区で、2年連続の区間賞に輝いている。そして、マラソンには学生時代から挑戦していた。

 また、マラソン4戦目だった昨年の福岡国際マラソンでは、同大会で14年ぶりとなる日本人優勝を果たした。これだけの実力者でありながら日の丸をつける機会になかなか恵まれなかったが、今回のMGCで晴れて東京オリンピック代表の座をつかんだ。ちなみに、弟の服部弾馬(トーエネック)もトラック種目で東京オリンピックを狙っている。

女子の代表は独走する強さを見せた前田穂南と暑さに強い鈴木亜由子

 男子から20分遅れでスタートした女子は序盤からハイペースで進み、1人また1人と脱落していくサバイバルレースと化した。

 そのなかで圧倒的な強さを見せたのが、前田穂南(天満屋)だった。前田は20キロ過ぎに鈴木亜由子(日本郵政グループ)を振り切ると、後半は独走で優勝を飾った。フィニッシュ時の気温は29・2度と暑いなかでのレースとなったが、前田は2時間25分15秒のセカンドベストをマークした。

 2位は鈴木となったが、終盤に小原怜(天満屋)の猛追を受けたものの、なんとか4秒差で逃げ切った。

 前田はMGC出場権獲得者第1号で、MGCが決まった後も大阪国際女子マラソン、ベルリンマラソン、東京マラソンに出場しMGCに向けた準備を進めてきた。大阪薫英女学院高時代には全国高校駅伝で3年間補欠という辛酸を嘗めたが、実業団の名門である天満屋に入社してマラソンで才能を開花させた。

 天満屋は、2012年のロンドンオリンピックまで4大会連続でオリンピックのマラソン代表選手を輩出していたが、前回のリオデジャネイロオリンピックで連続出場が途切れていた。前田はその雪辱も果たし、名門の期待を背負ってオリンピックの舞台に立つことになった。

 2位の鈴木は、中学時代から全国大会で活躍。時習館高時代はケガに苦しんだこともあったが、難関の国立大学として知られる名古屋大学に進学すると、再び活躍を見せるようになる。2013年には、大学生のオリンピックと言われるユニバーシアードの10000mで金メダルを獲得している。

 日本郵政に進んでからはトラック種目で、世界選手権、オリンピックなど国際大会の常連となる。そして、満を持してマラソンに挑むと、初マラソンながら昨年の北海道マラソンで優勝を果たした。これまでのマラソン実績はこの北海道マラソンのみで、夏マラソンだったため持ちタイムは出場者中最下位だった。だが、今回のMGCでは暑さのなかで見せた粘りが、本物だったことを証明した。それまでのトラックでの活躍からすればまだまだもの足りないのも事実だが、暑さに強いのは証明しているので東京オリンピックでも楽しみな選手の1人だ。

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