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東京五輪バドミントン女子シングルスは大混戦 メダルを目指す2人の強者

2019年10月16日 20:05配信

 東京オリンピックでメダルを期待される日本バドミントン。女子シングルスでは奥原希望と山口茜が有力候補となるが、その道は険しい。2大会連続でオリンピック出場を目指す2人に待ち受ける試練とは――

(C)Getty Images

(文=平野貴也)

女子シングルスの有力選手 前回大会3位の奥原希望と世界ランク1位の山口茜

 東京オリンピックに向けて期待の高まる競技の一つが、バドミントンだ。8月の世界選手権では男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)、女子ダブルスの松本麻佑、永原和可那(北都銀行)が連覇。この2種目で日本勢が強いという印象は、すでに定着している。だが、もう一つ金メダル候補を抱えている種目がある。それは、女子シングルスだ。日本の有力選手は、前回リオデジャネイロオリンピックで銅メダルを獲得した奥原希望(太陽ホールディングス)と、この種目で初めて世界ランク1位になった山口茜(再春館製薬所)の2人となる。

 1995年3月13日生まれで現在24歳の奥原は、リオデジャネイロオリンピックの翌年に世界選手権で優勝。今季からは実業団チームを離れて、プロとして活動している。守備力に定評があって粘り強い。両ひざに大ケガをした過去があるため、近年はひざに負担がかかるフットワークに頼らず、ラリーの駆け引きや攻撃を強化してきた。8月の世界選手権では、銀メダルを獲得。長身選手に対して、「計算して(打たせても自分が返球できる)高さを出せた。相手は決めたくても決まらないというところでモヤモヤしたと思う」と、意図的に素早く高い球を放ち、少し乱れた体勢から打ち下ろす球を誘い出してレシーブで振り回すという展開力を披露した。

 一方、1997年6月6日生まれで奥原の3学年下となる22歳の山口は、守備力に加えて攻撃面でも特徴を持っている。トリッキーなショットが魅力で、間一髪のダイビングレシーブで相手の意表を突いて対角に返球することも珍しくない。高校時代は世界選手権を回避して、同時期開催のインターハイ(全国高校総体)に出場。勝ち負けの評価より「楽しむこと」を何より大切にしている。ただし、成長とともに舞台が大きくなり、高まる期待に応えるために勝利を目指し強さを増してきた。今夏は、フットワークのスピードを高めた状態を保つプレースタイルに挑戦。7月に2大会連続で優勝を飾り、手応えを示した。

ライバル多数で大混戦 メダルを目指す2人の鍵はコンディション調整

 7月のダイハツヨネックスジャパンオープンでは、ともに海外の強豪を破り4年ぶりに2人が決勝で対戦。山口が「今日が1年後(の東京五輪)だったら良いのにと思った」と話したように、2人がともに勝ち上がるのが日本にとっては理想となる。しかし、強い相手が帰って来た。1月の試合中に右ひざ前十字じん帯断裂を負って戦線を離れていた、リオデジャネイロオリンピックの女王キャロリーナ・マリン(スペイン)が9月の中国オープンで優勝。復帰2大会目の初戦で奥原を破って勝ち上がり、完全復活をアピールした。 その他にも世界選手権で銀、銀、金と3年連続で決勝を戦った長身のシンドゥ・V・プサルラ(インド)、近年最も長く世界ランク1位をキープしたタイ・ツーイン(台湾)、中国のエースであるチェン・ユーフェイなどメダル候補は多い。オリンピックまでに誰がどれだけの成長を見せるか、注目となる。

 奥原、山口がオリンピックの舞台にたどり着き、大舞台で力を発揮するための最大の鍵はコンディション調整にある。7月に2大会連続で優勝した山口は、その後に腰痛を発症して2大会連続で初戦敗退。奥原は世界選手権の準決勝で力を使い果たし、決勝では力を出せなかった。来年4月末まで続く東京オリンピックの出場権争いも後半戦に入っており、オリンピック本番に影響が出るような負傷や疲労の蓄積は避けなければならない。この種目では高橋沙也加(日本ユニシス)が中国オープンでベスト4に入って、世界ランクを13位として追い上げている。世界ランク上位を保つためには、出場が義務化されている大会のハードスケジュールをこなし続けなくてはならない。いかにコンディションを保つか、あるいはターゲットとする大会や試合に合わせるか。2大会連続でオリンピック出場を目指す2人は高めた力を存分に発揮し、大混戦の種目を制さなければならない。

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