dmenuスポーツ

東京五輪2020

コラム

バトミントン女子複の五輪レースが激化 前回大会“金”の「タカマツ」ペアに出場危機

2019年11月6日 14:00配信

(C)Getty Images

 東京オリンピック出場を巡って、バドミントン女子ダブルスの戦いが激化している。世界トップクラスの実力を持つ3組のペアによって2枠の代表権が争われていて、前回大会で金メダルを獲得した「タカマツ」ペアの出場も危うくなるほど、ハイレベルな戦いが繰り広げられている。東京オリンピックに出場するペアは誰になるのだろうか――

(文=平野貴也)

2組の出場枠を3組のペアが争う 「タカマツ」ペアが3番手に転落

 バドミントン女子ダブルスで日本勢初のオリンピック連覇を目指す「タカマツ」ペアのオリンピック連続出場が危うい。高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)の「タカマツ」ペアは、リオデジャネイロオリンピック後も世界トップクラスの実力を維持。10月29日更新の世界ランクでも世界4位につけている。ところが、ほかの日本勢がその上におり、2020年の東京オリンピック出場が危うくなっている。東京オリンピックは、1種目に同じ国から最大2組しか出場できない。日本勢では、今夏の世界選手権で連覇を果たした松本麻佑/永原和可那(北都銀行)が世界ランク1位。同選手権で3年連続準優勝の福島由紀/廣田彩花(アメリカンベイプ)が世界ランク3位につけている。

 オリンピックの出場権は、2020年4月28日更新の世界ランクによって決まる。8位以内に2組入った国からは2組まで出場できるが、その場合でも、日本バドミントン協会は世界ランク順に評価する方針のため、8位以内であるだけでなく日本勢で2番手以内に入らなければ出場権を獲得できない。世界トップクラス3組によって2枠が争われることになった。

 世界ランクは、各大会のグレード、レベル、順位に定められたランキングポイントの順位で決まる。対象となるのは、直近1年間でポイントの高い10大会分となっている。今年4月末に出場権争奪(五輪レースと呼ばれる)が開幕してから、最初にリードをしたのは福島/廣田と、リオデジャネイロオリンピックで金メダルの「タカマツ」ペアだった。9月末の時点でも2番手の「タカマツ」と3番手の松本/永原の間には、約5200点の差があった。しかし、10月の欧州2連戦で福島/廣田と松本/永原がともに連続で4強入りしたのに対し、「タカマツ」はベスト32、ベスト16と思うようにポイントを伸ばせなかった。10月29日時点で3組が五輪レースにおいて獲得しているポイントは、福島/廣田が7万8202点、松本/永原が7万2273点、高橋/松友が7万2点となり、2番手と3番手が入れ替わった。2番手と3番手の差は、約2200点。1大会で逆転可能な範囲だが、もう一つのレースによりその差は開く可能性がある。

12月にその差がさらに開く!? 4月までの五輪レースは非情な戦い

 12月に中国の広州で行われるBWFワールドツアーファイナルズは、世界選手権に次いで2番目に高いポイントが設定されている。こちらは、2019年シーズンに獲得したポイントの総計で出場優先順が決まり好成績8組のみが出場できるが、同国勢の出場は最大2組までとなっている。ただし、世界選手権の優勝ペアは最優先の出場権を獲得できるため、松本/永原が出場権を獲得済み。福島/廣田は全体1位の9万8140点。高橋/松友は全体4位の8万8500点で、約9600点の差がある。年内残り少ない大会でこの差を逆転するのは、容易ではない。「タカマツ」は現状でファイナルズ出場を逃して、その差を広げられてしまう可能性が高いのだ。

 BWFワールドツアーファイナルズは8組のみの出場のため、出場ペアはベスト8で得られる6600点以上のポイント獲得が可能(ただし、五輪レースとしては上位ポイント10大会分のみが対象となるため、獲得したポイントと10番目のポイントの差のみが五輪レースにおける上積み分となる)。日本勢は、どのペアが出場してもベスト4以上を狙えるため、出場ペアは未出場のペアに大きな差をつけるチャンスを得ることになる。

 もちろん、現在五輪レースで日本勢3番手とはいえ、高橋/松友も実力は十分。連続優勝などで一気にポイントを稼ぐ可能性もある。また、五輪レースは来年4月下旬まで続くため年明けに動きが出る可能性もあり、どのペアが五輪にたどり着くのかは最後まで分からない。しかし、前回女王が徐々に「追いかける立場」になりつつあるのが現状だ。

 日本は、夏の世界選手権において全5種目でメダルを獲得するなど、リオデジャネイロオリンピック以降から一気にバドミントン強国となった。一方、そのために代表争いはし烈になっている。特に女子ダブルスは、世界4位でも五輪出場が危ぶまれるほどにハイレベルだ。非情なレースの先に、どのペアが夢舞台の出場切符をつかむのか、目が離せない。

コラム一覧に戻る

トピックス

競技一覧
トップへ戻る