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金メダル切望のジョコビッチ、フェデラーらの現状 欧州はコロナ禍のなか厳格ルール下でテニスを再開

2020年5月27日 21:00配信

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(C)Getty Images

(文=深見廣之)

東京五輪の金メダル有力候補 ビッグ3+3連覇を狙うマレー

 東京オリンピックが1年後に延期となったことは、テニス界にもさまざまな影響を及ぼしている。特に、男子の金メダル有力候補のいわゆる“ビッグ3”への影響は大きい。3人のうち、金メダルを手にしているのはラファエル・ナダル(スペイン)のみ。2008年の北京オリンピックで、準々決勝までの4試合はすべてストレート勝ち。準決勝ではノバク・ジョコビッチ(セルビア)をフルセットの末に下し、5セットマッチの決勝ではフェルナンド・ゴンサレス(チリ)をストレートで下した。優勝経験のあるナダルよりも、まだ金メダルを取れていないジョコビッチ、ロジャー・フェデラー(スイス)のほうがオリンピックに懸ける思いは断然強い。

 ジョコビッチの最高成績は北京オリンピックでの銅メダルで、是が非でも東京オリンピックの頂点に立ちたいと思っているはずだ。それは、昨年10月に開催された楽天オープンに初出場(初優勝)を果たしたことでもわかる。17年間のプロキャリアで一度も出場していない大会のためにわざわざ東京へ来たのは、翌年に東京で開催される予定だったオリンピックの予行練習の意味合いが大きい。開催に1カ月のズレはあるものの、オリンピックのテニス会場となる有明コロシアムのサーフェスや施設、気候、観客、スタジアムの雰囲気などを直に感じられる絶好の機会となった。それほどジョコビッチは東京への思いが強いのだ。今年1月のオーストラリアン・オープンで8度目の優勝を飾り世界1位に返り咲くなど、ツアー中断前で最も調子の良かった選手と言える。今年5月で33歳となったが、ビッグ3のなかで最も若いのも大きなメリットだろう。

 3人のうち最高齢のフェデラーは、北京オリンピックで第1シードながら準々決勝でジェームズ・ブレーク(アメリカ)に敗れている。そして、2012年のロンドンオリンピックで銀メダルを獲得。これが彼のオリンピック最高成績となっている。グランドスラム最多優勝(20回)を誇るフェデラーが、唯一手にしていないタイトル。それがオリンピックなのである。東京オリンピックへの出場を1年前から早々に表明するなど、意気込みは並々ならぬものがある。

 そのフェデラーは今年2月20日に右ひざの手術を受けており、現在スイスの自宅でリハビリ中だ。6月のグラス(芝生)コートシーズンでの復帰を目指していたところ、コロナ禍でツアーは休止。オリンピックも1年後に延期となった。その点では、オリンピックが延期になったことは幸運だったのかもしれない。ただ、この生けるレジェンドも2021年8月には40歳となるため、コンディション調整が大きなカギになりそうだ。

 一時は“ビッグ4”とも言われ、ロンドン大会、リオデジャネイロ大会で史上初のオリンピック連覇を果たし、世界で唯一3連覇のチャンスを持つアンディ・マレー(イギリス)。リオデジャネイロを制した2016年は、オーストラリアン・オープン、フレンチオープンで準優勝、ウインブルドンで2度目の優勝を果たして世界トップに上り詰めた。だが、翌年から臀部や股関節のケガに苦しみ、2018年には世界839位まで落ちた。

 2019年には引退も示唆したが、手術で股関節の痛みが消えるとツアーに復帰。10月には2年ぶりのツアー優勝を果たした。11月のデビスカップ後に再び股関節を痛め、今年1月のオーストラリアン・オープンは欠場。3月のツアー復帰を目指していたところで中断期間に入った。

コロナ禍によるロックダウン解除後のプレー イギリス協会が提示した厳しいルール

 上記に挙げた4人はいずれもヨーロッパの出身だが、そこでのテニス環境は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによってどのように変化してきたのか。コロナウイルスの感染者が多かったイタリアなどヨーロッパ諸国では3月9日からロックダウンされてきたが、5月中にはロシア、トルコ、スコットランドなど数国を除くと、ほとんどの国ですでにプレーできるようになっている。ただし、各国協会はプレーヤーに対して厳しいルールを課している。ここではイギリス協会が提示したルールの一部を紹介する。

イギリス協会によるテニスプレー時の注意点

・室内コート使用禁止

・コート予約と支払いはオンライン(お金の手渡しはNG)

・プレー前後の着替え、シャワーは自宅でのみ可

・公共交通機関を利用しない

・使用開始間際に到着し、前の利用者が残っている場合はすれ違わないように待機

・自分専用のボールを使用(サインなどを書いて区別)

・自分以外のボールはラケットやキックで相手や他コートへ返球

・給水、軽食は自分専用のものを用意

・1コート2人まで(同居者なら4人まで)

・指導は1対1のみ

・咳やくしゃみはティッシュか袖で塞ぐ

・顔を触らない

・プレー後は談笑などせず速やかに帰宅

 この異常と言える形で再開されたテニスだが、いつまでこの状態でプレーされるのか。これまでのように普通にプレーできる日、さらには各地で観客が見守るなかで大会が開催される日は、いつ戻るのだろうか。

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