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東京五輪2020

アスリートインタビュー

侍ジャパンの韋駄天が世界を相手にグラウンドを駆け抜ける 野球・周東佑京(福岡ソフトバンクホークス)

2020年3月24日 12:45配信

©繁昌良司

昨年秋の国際野球大会「プレミア12」で、見事に優勝を決めた稲葉篤紀監督率いる侍ジャパン。同大会で、自慢の俊足で勝利に大きく貢献したのが福岡ソフトバンクホークスの内野手・周東佑京だ。

周東は群馬県の東農大二高から東農大北海道オホーツクへ進み、2017年秋のドラフト会議で、1軍の試合に出場する資格がない育成選手として福岡ソフトバンクホークスに入団。昨年の開幕前に支配下登録されると、1軍公式戦で25盗塁を記録。「プレミア12」で侍ジャパンにも選出されて出場7試合で4盗塁を決めるなど、世界一に貢献。東京五輪でも、侍ジャパンの韋駄天が金メダルを目指す。

(文=藤浦一都、写真=繁昌良司)

©繁昌良司

プロを意識したのは大学に入ってから

――まずは野球を始めたきっかけからお聞かせください。

「父が野球好きで小さい頃から一緒に見る機会が多かったこともあって、自然と僕もやってみたいと思うようになりました。それで親にお願いしたのがきっかけですね」

――地元・群馬の東農大二高で野球をやって、東農大つながりとはいえわざわざ北海道まで行ったのは、その時点でプロ入りを意識したということですか?

「高校の時は周りに高橋光成(前橋育英高校~埼玉西武)とかもいましたし、すごい選手が周りにいる中で『こういう人がプロに行くんだな』と思っていました。自分はそこまでプロになりたいとは思っていませんでした」

――プロ入りを意識したのはどの時点ですか?

「大学に入ってから周りにプロに進む先輩が多かったので、同じチーム内でそういう選手を見てきたことで、自分ももう少し頑張ってみようかなという気持ちになりました。大学の4年間で段々とプロを意識するようになりましたね」

――育成ドラフトでホークスに指名された時はどういう気持ちでしたか?

「僕は支配下でも育成でもプロに行くつもりだったので、率直にうれしかったです。同じ大学から育成選手としてプロに行かれた先輩も多かったので、まずは入ってからが勝負だと思っていました」

――プロ1年目はどういう気持ちでプレーしていましたか?

「もちろん支配下になることしか考えてなかったです。そのためにとにかく自分のレベルを上げていこう、と。自分の短所を直していくというよりも、長所である足でしっかりアピールしていこうと思いました」

――入団2年目で支配下選手になって、プロ初のヒットがホームラン。でも、初盗塁の方がうれしかったのでは?

「ホームランは一番予想してなかったので、ふわふわした気持ちでした(笑)。やっぱり初盗塁の方がすごくうれしかったですね。代走で出て、試合終盤の大事なところで走ることができたので、すごく自信になりましたし、『ここからがプロとしてのスタートだ』という気持ちになれました」

©繁昌良司

プレッシャーの中で楽しめたプレミア12

――そして昨年秋の「プレミア12」で侍ジャパン(日本代表)の一員に選ばれました。日の丸を背負ってプレーした気持ちは?

「周りがすごい選手ばかりだったので、最初は『僕でいいのかな』という気持ちでした。でも、試合を重ねるごとに楽しくプレーできました。もちろん日本代表というプレッシャーはありましたが、その中で楽しみながらできたと思います」

――確かに日本球界を代表する選手が揃う中で、プロ2年目の周東選手がやるのは大変だったのではないですか?

「それが向こうから話しかけてくれる選手がすごく多くて助かりました。いろんな話も聞けたのでいい経験になりました」

――具体的にはどの選手とどのような話をしましたか?

「源田さん(埼玉西武)に守備のことを聞いたり、秋山さん(シンシナティレッズ)にバッティングのことを聞いたりして、今までにない考え方を知ることができました。ほかにもたくさん話が聞けて、本当に勉強になりました」

――プレミア12では4盗塁で大会の盗塁王。国際試合で走る難しさを感じたことはありましたか?

「シーズンと違ってそんなに相手のデータもないですし、映像も限られていますから、その中で走っていくというのは本当に難しかったです。外国人のピッチャーは投球フォームは大きいですけど、急にパッと動くピッチャーがすごく多かったので対応するのは大変でした」

©繁昌良司

東京五輪でも歓喜の輪の中に

――そして、今年はいよいよ東京五輪。4年に一度の大会そのものについてはどのような思いがありますか?

「昔からひたすら見てるだけだったので、そこに自分が選ばれるかもしれないというのは不思議な感じがします」

――野球以外でも構いませんが、過去の大会で印象に残っているシーンはありますか?

「う~ん、いっぱいありますけどリオデジャネイロでの4×100メートルのリレーですかね。個人の記録としては外国の選手にかなわないところがあっても、バトンをつなぐというチームプレーで日本が銀メダルを獲るってすごくないですか」

――周東選手も侍ジャパンというチームプレーで金メダルを狙っていくことになるかもしれません。

「プレミア12の時と同じように、優勝の瞬間を僕も歓喜の輪の中で迎えたいという気持ちはあります」

――東京五輪ではプレミア12よりも選手の登録数が4つ減ります。その厳しい条件の中で代表に選ばれるために必要なことは何ですか?

「登録人数が減ることはもちろんわかっています。自分が代表に選ばれるための課題はバッティングですね。足はプレミア12でも見せることができましたし、外野も三塁も守りました。守備については内外野を問わずに以前よりもできていると思います。後はやっぱりバットをしっかり振れるようにならないといけないと思います。僕の場合は、打つだけではなくてしっかり出塁することが大事なので、ボールの見極めを含めて打者としてやらなきゃいけないことがたくさんあります」

――コロナウイルスの影響でシーズン開幕が延期になり、代表選考までのアピール期間が短くなりましたが、その点はどう考えていますか?

「アピール期間は短くなりましたが、開幕が遅れたことで練習できる時間が増えたと考えています。オープン戦でもバッティングが良かったのは最初だけだったので、まだまだ足りないところがいっぱいあります。それをカバーできる練習時間ができたとプラスに考えたいです」

――それでは最後にこのサイトをご覧になっている皆さんにメッセージをお願いします。

「足は去年1年間でしっかり見せることができたと思うので、守備であったり打撃であったりをもっと見せられるように頑張ります。応援よろしくお願いします」

※このインタビューは2020年3月に行われたものです

©繁昌良司

[PROFILE]

周東佑京(しゅうとう・うきょう)

1996年2月10日生まれ、群馬県出身。東農大北海道オホーツクから福岡ソフトバンクホークスに育成選手として入団。2019年シーズンは102試合に出場し、代走の切り札としてチーム最多の25盗塁を記録したほか、守りでは内外野の複数ポジションをこなした。昨年秋の「プレミア12」でも果敢な走塁でチームに貢献。東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパン入りを目指す。179cm、67kg。

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