dmenuスポーツ

東京五輪2020

アスリートインタビュー

サーフィン・都筑有夢路が見せる自然体の強さ。19歳が常に気負わぬ理由

2020年10月2日 12:26配信

記事提供:

©Satoshi Namba

東京大会から初めてオリンピック競技となるサーフィンは、波の大きさだけでなく、刻一刻と変化する風向きや強さに合わせてパフォーマンスを行なうスポーツです。人の力ではコントロールできない海の表情を読み、波のパワーに自らを一体化させ、ダイナミックな技を披露します。

女子プロサーファーの都筑有夢路(つづき・あむろ)選手は、2018年には48位だった世界ランキングを、翌年一気に8位まで駆け上がり、今まさに東京五輪代表の座に手をかけようとしています。

常に自然体で準備を進める都筑選手に、現在のトレーニング状況とサーフィン観戦の見所を伺いました。

(取材・文=小田菜南子、撮影=Satoshi Namba)

主要大会の延期も追い風に

――飛躍の年を経て、2020年はプロサーフィンの最高峰の大会であるチャンピオンシップツアー(CT)の出場権も獲得していましたが、開催中止となりました。ショックはありませんでしたか?

ショックという気持ちはなかったです。むしろ、準備する時間が増えたと前向きに捉えています。サーフィンは、大会の開催地によって全くタイプが異なる波にチャレンジするんです。普段回っている地域とは違う波で戦うために、一年準備期間が取れるのはありがたいですね。

©Satoshi Namba

――今はどのようなトレーニングを行なっているのでしょうか?

海外にはまだ行けないので、実家のある鵠沼と練習拠点としている千葉がメインです。プロ転向後から、千葉の一宮に拠点を移してトレーナーにもついてもらいました。

――鵠沼から千葉の一宮までは片道2時間強ほどですが、往復は辛くはないですか?

はい、今年の1月に免許を取ったので、今では自分で運転しています。母には危なっかしいと言われるんですけど(笑)

©Satoshi Namba

――車の中ではどんな音楽を聞くんですか?

あまり流行りの曲を知らないんですよね。友達に置いて行かれないように、みんなが聞いている曲をとりあえず聞いています(笑)

いつも、私なら勝てると思ってやってきた

――千葉での練習を始めてから、ご自身でも成長を実感していますか?

そうですね。自分のサーフィンが変わっていくのがわかるのが楽しいです。目指す技に合わせて、室内と海上でのトレーニングを組み合わせています。

――トレーナーをつけたことによる一番大きな変化はどのような点ですか?

一つ一つの練習内容への理解度が上がったことですね。ここの筋肉をつけると、こんな動きができるとか、この練習は実践でどのように活かせるか、などの説明が納得できるので、迷いなく頑張れます。

©Satoshi Namba

参考

■最近の世界大会での主な戦績

2014年

『Go Pro JUNIOR GAMES U-20 girls』準優勝

2016年

『Minami Boso Junior Pro』3位

2017年

『Ichinomiya Isumi Pro Junior Surfing Governor’s Cup』U-18優勝

『Ise Shima Pro Junior』3位

2018年

『Pantein Junior Pro by Gadis』3位

2019年

『Ichinomiya Chiba Open』優勝

『ABANCA Galicia Classic Surf Pro』優勝

『World Junior Championships』優勝

――トレーナーとの二人三脚を始めて3年目で、立て続けの快挙を果たしていますが、それまでに練習方針に悩むことはなかったですか?

なかったですね。負けが続いた時期もありましたが、周りでサポートしてくれる方たちがいつも褒めてくれていたので、私なら勝てるという思いがいつもありました。

――女子サーファーのなかでも技のパワフルさが都筑選手の特徴ですが、プロサーファーであるお兄さんの影響も強いのでしょうか。

はい、兄のサーフィンをいつも見ていたので、それが基準になっていますね。小さい頃はサーフボードも兄のおさがりでした。自分より体が大きい選手が使うサーフボードに合わせて練習していたので、それを扱うためにパワーが必要だったことも、今のスタイルに繋がっていると思います。

東京五輪を、日本のサーフィンを変えるきっかけに

©Satoshi Namba

――東京五輪をどのような大会と位置付けていますか?

日本でのサーフィンの位置付けを変えられるチャンスかなと思っています。競技人気が高まり、練習環境が変われば次の世代の選手たちも、もっと成長していけると思います。

――東京五輪で初めてサーフィンを観戦する人も多いと思います。サーフィン競技の見所を教えてください。

試合中の駆け引きがわかるようになるとすごく面白いと思います。この波に乗る様に見せかけて、相手を焦らせて乗らせ、自分は次の波に乗るとか。波は沖から浜に向かってくるなかで徐々に形を変えていきます。ベストなパフォーマンスをするためには、波を予測して、ベストな波選びをする力が求められるので、試合の中ではそんな心理戦も繰り広げられています。

あとは、サーファーは意外とちゃらくないってことも知ってほしいですね(笑)

[PROFILE]

都筑有夢路(つづき・あむろ)

2001年4月5日生まれ。サーファーの父と兄の影響で、幼い頃から自然と海に入る生活を送る。二人を見ながらサーフィンの技を覚えるようになり、中学生の頃からプロを志す。15歳でプロ公認を得ると、翌年のジュニア大会で優勝を収め、注目を集めた。現在は実家のある鵠沼と、練習拠点である千葉を行き来している。2019年の『World Junior Championships』では日本人として初の優勝を飾り、東京五輪出場が期待されている。

インタビュー一覧に戻る

トピックス

競技一覧
トップへ戻る