dmenuスポーツ

インタビュー

トップおとめピンポンズ名古屋・山本笙子(後編):輝かしい成績と新型コロナウイルスの影響

2021年3月4日 12:15配信
記事提供:

近年、日本が飛躍的に力をつけ、世界一の座にも手が届きつつある卓球。

試合では、スピード、回転、コースの変化を組み合わせ、戦術を練り、その勝敗には、メンタル面も大きく影響する。選手たちは、わずか直径40mm、重さ2.7gのボールに人生をかけ、それぞれの物語を紡いでいる。

この連載コラムでは、さまざまな選手たちにインタビューし、そのプレーや人間性の魅力に迫る。

今回は、大学生ながらTリーグに2シーズン連続で参戦したトップおとめピンポンズ名古屋の山本笙子選手。

(聞き手・文=山﨑雄樹)



<後編:輝かしい成績と新型コロナウイルスの影響>

―大学生活を振り返って、いかがですか。

「楽しくて、あっという間でした(笑)」


―法学部での学業との両立は大変ではなかったですか。

「テスト期間中は、さすがに大変でしたが、高校生のときから、卓球と勉強との両立を心がけてきましたので、その延長線上で何とかやっていました(笑)。スポーツ推薦で入学した学生と一緒に授業を受けることが多かったのですが、相撲部やバレーボール部、剣道部など、いろいろな話ができる友人ができたことは良かったです。女子は私だけでしたが(笑)」


―まず、大学2年生のときに関東学生選手権で優勝、全日本学生選抜選手権で準優勝という素晴らしい成績を残されましたね。

「まず、入学してすぐの新人戦(関東学生新人選手権・2017年5月)で優勝したのですが、その後の大会では、まったく結果を出せずに、悔しい思いをしました。『もっと練習を頑張らなきゃ』と思って臨んだのが、2年生のときの関東学生(2018年6月)でした。優勝できるとまでは思っていませんでしたが、半年ほど頑張ってきた成果が出て、嬉しかったです。私にとって大きな転機になりました。でも、その後のインカレ(全日本大学総合選手権・団体の部・2018年7月)の決勝戦で負けてしまって、落ち込むこともありました。選抜(全日本学生選抜選手権・2018年11月)は予選リーグで、安藤みなみさん(当時専修大学・現在TOP名古屋)や笹尾明日香選手(早稲田大学・TOP名古屋に在籍経験あり)と同じという大変なブロックでした。上位2人しか決勝トーナメントに行けず、誰か1人が落ちるという状況でした。初戦の相手の安藤さんには、高校生のときに0-4で負けていたので、思い切ってプレーできたことと、安藤さんがTリーグにも出場していてハードスケジュールだったせいか、勝つことができました。それで、勢いに乗れて、決勝戦までいくことができました。決勝戦の相手は予選リーグで勝った笹尾選手でしたが、私の体力不足でめちゃくちゃ疲れて負けてしまいました」


―結果を残すために、どのように練習に取り組みましたか。

「中央大学の規定練習は3コマ(1コマが50分)で、規定練習が終わると、皆、帰るのですが、『皆と同じでは駄目だ』と思って、当時4年生だった山本怜さん(現在十六銀行)と一緒に、もう1コマ、2コマ(1時間~2時間)多く、練習しました。内容は、大学生のレベルの高い卓球に対応するために、試合を想定し、サーブも2本交代のオール対オール(全面対全面)でした」


―3年生のときも全日本大学総合選手権(個人の部)で準優勝に輝きましたね。

「3年生のときも、インカレ(2019年7月)で森田彩音さん(現在デンソー・TOP名古屋に在籍経験あり)や梅村優香選手(中央大学・TOP名古屋にも在籍)もいて、優勝候補に挙げられていたのですが、愛知工業大学との決勝戦で、自分もチームも負けてしまいました。その試合で浮き彫りになった課題がフォアハンドだったので、徹底してフォアハンドを強化して全日学(2019年11月)に臨みました。対戦相手が4年生ばかりだったので、思い切ってプレーすることができて、だんだんと調子が上がっていって、決勝戦までいくことができました」


―最終学年はキャプテンを任されましたね。

「中央大学にはスポーツ推薦で入学したのですが、高校時代の実績などで『推薦の順番』があります。その『推薦の順番』の1番の選手がキャプテンになることが、決まっています。ですので、私がキャプテンになることは、入学時から決まっていました。ただ、ずっと意識していたわけではなく、気づいたらキャプテンになっていました(笑)」



―新型コロナウイルスの影響も大きかったですね。

「春と秋の関東学生リーグと、インカレが中止になってしまいました。団体戦は本当にやりたかったです。昨年度は4年生が中心のチームだったのですが、今年度は1年生も含めて、皆に出場機会があり、対戦相手からすると研究しにくいチームでした。また、皆の仲が良くて、負けているときこそ、励まし合えるようなチームだったので、皆で団体戦を戦いたかったです。関西学生リーグは秋のリーグ戦をやっていて、ライブ配信を見たのですが、楽しそうだったので、うらやましくもありました」


―練習や学生生活への影響はありましたか。

「4月の初めに、大学の寮が閉鎖になって、練習ができなくなり、福井県の実家に帰りました。東京の大学に戻ったのは10月ぐらいでした。福井にいる間は、6月頃から母校の福井商業高校や出身クラブのミナミラボで練習させていただくことができました。卓球をまったくできない期間が2か月ぐらいあったので、ありがたみを実感しました。試合が開催されるかどうかということを気にするより、卓球ができるありがたさについて考えることの方が多かったです。両親にも『今、練習できることが大事なんだよ』と言われました。ですので、落ち込みはしなかったです。卓球部の矢島淑雄監督には近況などを定期的に報告していました。授業はオンラインで前期に10単位分を受け、卒業に必要な単位を取得しました」


―チームメイトや後輩たちに伝えたいことはありますか。

「11月ぐらいになって、ようやく一緒に練習ができるようになり、嬉しかったです。来年度のリーグ戦が無事に行われれば、私達の分まで頑張って優勝してほしいです。私も負けないように、良い結果を残せるように頑張りたいです」



―趣味やオフの過ごし方などリフレッシュ方法は。

「実家に帰っているときに運転免許を取ったので、よく運転をしていました。父が所有しているスポーツカーには乗らせてもらえませんでしたが(笑)。福井は海がきれいなので、海沿いのコースがお勧めです」


―最後に今後の目標を教えて下さい。

「関東学生では優勝したのですが、まだ全国大会では優勝したことがないので、社会人になって、全日本社会人選手権などの全国タイトルを取りたいです」


【プロフィール】

山本 笙子(やまもとしょうこ)

1998年9月11日生まれ。福井県鯖江市出身。7歳(小1)のとき、テレビ番組で福原愛さんを見たことがきっかけで卓球を始める。福井商業高校2年生と3年生のときのインターハイで2年連続ベスト8。中央大学に進み、2年生のときの全日本学生選抜選手権と3年生のときの全日本学生総合選手権で準優勝に輝く。また、2018年の「福井しあわせ元気国体」では成年女子で福井県の優勝に貢献。Tリーグでは2ndシーズンから2シーズン連続トップおとめピンポンズ名古屋でプレー。戦型は右シェークハンド両面裏ソフトのドライブ攻撃型。得意なプレーはバックハンド。

【著者プロフィール】

山﨑 雄樹(やまさき ゆうき)

1975年生まれ、三重県鈴鹿市出身。小学生、中学生と懸命に卓球に打ち込んだが、最高成績は県4位、あと一歩で個人戦の全国大会出場はならず。立命館大学産業社会学部を卒業後、20年間の局アナ生活を経て、現在は、フリーアナウンサー(圭三プロダクション所属)として、Tリーグ(dTVチャンネル・ひかりTV・AmazonPrimeVideoなど)や日本リーグ(LaboLive)、全日本選手権(スポーツブル)など卓球の実況を担当。

また、愛好家として、40歳のときにプレーを再開し、全日本選手権(マスターズの部・ラージボールの部)に出場した。

一覧に戻る

関連記事

スコア

3月29日(金)

  • 東京V 試合前 京都
      19:00  

3月30日(土)

  • 広島 試合前 G大阪
      13:00  
  • 新潟 試合前
      14:00  
  • 神戸 試合前 札幌
      14:00  
  • 鹿島 試合前 磐田
      15:00  
  • 浦和 試合前 福岡
      15:00  
  • 町田 試合前 鳥栖
      15:00  
  • 川崎F 試合前 FC東京
      15:00  
  • 名古屋 試合前 横浜FM
      16:00  
  • C大阪 試合前 湘南
      16:00  

一覧を見る

2月23日(水)

  • G大阪 試合前 C大阪
      14:00  
  • 大分 鹿島
      試合中止  
  • 名古屋 試合前 清水
      14:00  
  • 徳島 試合前 広島
      14:00  
  • 京都 試合前
      14:00  
  • 鳥栖 試合前 札幌
      15:00  
  • FC東京 試合前 磐田
      15:00  
  • 湘南 試合前 福岡
      15:00  

一覧を見る

3月20日(水)

  • 仙台 試合前 熊本
      14:00  
  • 秋田 試合前 栃木
      14:00  
  • 山形 試合前 藤枝
      14:00  
  • 千葉 試合前 清水
      14:00  
  • 横浜FC 試合前 群馬
      14:00  
  • 甲府 試合前 いわき
      14:00  
  • 岡山 試合前 水戸
      14:00  
  • 大分 試合前 鹿児島
      14:00  
  • 愛媛 試合前 長崎
      15:00  
  • 徳島 試合前 山口
      15:50  

一覧を見る

3月20日(水)

  • 鳥取 試合前 讃岐
      13:00  
  • 今治 試合前 岐阜
      13:00  
  • 松本 試合前 岩手
      14:00  
  • 長野 試合前 福島
      14:00  
  • 富山 試合前 金沢
      14:00  
  • 奈良 試合前 八戸
      14:00  
  • 北九州 試合前 FC大阪
      14:00  
  • 宮崎 試合前 沼津
      14:00  
  • 琉球 試合前 YS横浜
      15:00  
  • 相模原 試合前 大宮
      18:00  

一覧を見る

4月17日(水)

  • アルアイン 試合前 アルヒラル
      01:00  
  • 蔚山 試合前 横浜FM
      19:00  

4月24日(水)

  • アルヒラル 試合前 アルアイン
      03:00  
  • 横浜FM 試合前 蔚山
      19:00  

一覧を見る

競技一覧

外観

競技一覧 速報中
トップへ戻る