PLAYER'S HISTORY
日本代表選手ヒストリー
レメキ ロマノ ラヴァは小さくても力強い。何より揺るがぬ自信を強調する。15人制日本代表として、今秋からラグビーワールドカップ日本大会に出場する。
ニュージーランドのオークランドで生まれ、オーストラリアのランコーン高校を経て2009年に来日。2012年に日本人女性と結婚し、2014年に入った日本で3つ目のクラブ、ホンダでブレイクを遂げる。
当時ちょうど日本国籍を取っていたレメキは、7人制日本代表の常連選手となる。力強い走りとピンチを未然に防ぐ危機管理力で際立ち、2016年にはオリンピックリオデジャネイロ大会でニュージーランド代表などを破って4位入賞。そのまま、ワールドカップを目指す15人制日本代表にも招かれた。
2017年秋までは、怪我のため約1年間の戦線離脱を余儀なくされた。しかし、その期間をパワーアップに活用できた。ホンダで指導にあたった奥野純平ヘッドストレングス&コンディショニングコーチが「(復帰後は)前年のジャージィを着られないくらい大きくなった」と喜ぶなか、本人も充実していた。
「前より(身体の)バランスがいい。去年よりも全然、でかくなったけど、フィットネスはキープ。…最強」
同年11月は代表戦3戦で2トライ。指揮官更迭騒動に揺れていた強豪のフランス代表と23―23で引き分けた時は、「引き分けてよかった」でも「勝てなくて残念だった」でもなく「…俺らの方が、強いと思うよ」と返答した。明るい未来を信じて疑わず、もし失敗しても「ミスさえなければ全然、いける」と断言する。自信を持つ者の強さを体現する。
髪を赤や金にして、テレビカメラの前では人気漫画『ドラゴンボール』のシーンをまねて「かめはめ波〜!」とパフォーマンス。突然、染めていたヘアをもとの色に戻したと思えば、「お母さんに怒られた」と人懐こい笑みを浮かべる。痛快なキャラクターも強みだ。
30歳。ベテランの域に差し掛かったとあって交代浴にマッサージとケアも欠かさない。一方で翌年のオリンピック東京大会への出場にも意欲を見せるなど、心の若々しさを保つ。ワールドカップ日本大会での大一番へも、「全然、大丈夫。全然、いける」のマインドで臨みたい。
(文=向 風見也)
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