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注目選手紹介
ボーデン・バレット
ニュージーランド
注目ポイント!切れ味満点のラン!ラグビー王国不動の司令塔
黒地に白の「10」がすっかり定着した。ボーデン・バレットは、ニュージーランド代表の頭脳として晩夏から秋にかけて日本で躍動する。5人の兄弟と3人の姉妹という大家族の次男。後に代表デビューを果たす2人の弟スコット、ジョーディーと楕円球を追い、2010年に19歳で地域代表選手権のタナラキ代表入りした。翌シーズンにはプロクラブのハリケーンズと契約し、国際リーグのスーパーラグビーで活躍。2016年には同リーグ優勝の原動力となった。
2012年からオールブラックスの万能バックスとして期待されてきたが、自身初のワールドカップとなった2015年のイングランド大会での先発は1試合のみ。おもにリザーブとして、司令塔のスタンドオフの他に仕留め役のウイング、最後尾のフルバックとしてスタンバイしてきた。転機は2016年にあった。イングランド大会決勝での劇的なドロップゴールでヒーローとなったダン・カーターが大会終了後に代表を引退。誉れ高きオールブラックスの「10」という空席へ手をかけた1人が、2016、17年と2年連続でワールドラグビー(国際統括団体)の年間最優秀選手賞に輝くなど、同時期にハリケーンズでブレイクしたバレットだった。
カーターが防御を引きつけながらのパス、キックでスペースを攻略してゆくのに対し、バレットは果敢に目の前のスペースを自ら駆け抜ける。相手防御のひずみを切り裂きながら、大外のスペースへ鋭いパスを放りもする。ウイングやフルバックとしても評価されただけに、スピードとボディバランスに長けている。自ら局面を打開するコンダクターとして、今やラグビー王国に欠かせぬピースとなった。足技も正確で、中央からタッチライン際へ正確なキックパスを繋げられるほか、ゴールキッカーも任され、オールブラックスで歴代4位の総得点数も記録している。走力を最大の長所に据えながら、ラグビーフットボールに求められる複数の能力を高いレベルで有している。
28歳で迎える日本大会でも、爆発力のあるスクラムハーフのアーロン・スミス、ハイペースでトライを量産するウイングのリーコ・イオアネ、オフロードパスが目立つセンターのソニー・ビル・ウィリアムズらと美しいシンフォニーを奏でる姿を見せてくれることだろう。
(文=向 風見也)
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